新体制のBUCK-TICKに対して思うこと
昨日に引き続き、音楽関連の話題を書きたいと思います。
毎日出勤前に、駅ナカの書店に寄って立ち読みタイムを設けていたりするのですが…もちろん、買うこともありますよ、新しい本は大体そこで買っています。
今月、音楽雑誌の「音楽と人」の表紙が目に留まりました。
新体制となってシングル、アルバムをリリースするBUCK-TICKが出ていたんですね。
間違いなく、「5人」での継続
BUCK-TICKといえば、昨年ボーカルの櫻井敦司さんが天国に旅立ち、35年以上の活動で初めて、メンバーに変動があったことが記憶に新しいグループです。昨年、そのことについて記事も書いています。
こちらの記事で、BUCK-TICKの継続をギターの今井さんが宣言してくれたことは嬉しいですね、と綴ったのですが…どういう形になるのかを見せられて、あることに驚いた次第です。
昨年12月には、櫻井さんの映像、歌声を使ってのライブでバンドの続行をアピールした形になりました。既存の曲ならばこのやり方で演奏できますが、BUCK-TICKは35年間、常に新作、新曲を出し続けてきた
「立ち止まらないバンド」
です。その音楽性も長い歴史の中で洗練されていますし、それが不動のファンを惹きつけている理由でもありました。
そして最近、テレビから流れていた新曲を耳にしたわけですが…
この新曲に併せ、全17曲というボリュームのニューアルバムもお目見えするようです。これは、是非聴きたい。
今井さんがボーカルを担当しており、今後はもう一人のギター、星野さんと二人で歌う体制を取っていく、と上記の本にありました。元々今井さんボーカルの曲も存在していましたし、曲を最初に作った段階で仮歌を入れてもいたそうなので、「BUCK-TICKの曲」として聴いて違和感のないものになっていますね。
各人のインタビュー、ドラムのアニィさんなどは、昨年解散するつもりでいた、と答えていました。「櫻井敦司のいないBUCK-TICKなどありえない」という考えだったそうですが、バンドを始めた当人である今井さんが辞めない、というのでついて行くしかない、という感じだったそうですね。4人それぞれ、まだ気持ちの整理が付ききってはいない中で新作を完成させた…そんな思いが綴られていました。
今後の作品はインストゥルメンタルも増えるだろう、と今井さんが語っていました。形は変わるのかもしれませんが、上の新曲MVを観るに、確かに真ん中に櫻井さんを感じる…BUCK-TICKが活動を続ける限り、5人であることは変わらない、そんな新しいBUCK-TICKを見た気がします。
35年、5人で活動し続けていたわけですから、全員BUCK-TICKが無くなった人生など想像できないのだとも思いますね。この新曲に付いているコメントを見ても、ファンの方達が確かに5人だ、と言っているのが目頭を熱くさせます。
バンドにとって、ボーカルとはどんな存在か
今井さんはバンドを辞める気もなければ、別のボーカルを入れる気もない、とハッキリ宣言していました。そうです、BUCK-TICKのボーカルはやはり櫻井敦司しかいない、というのはメンバーもファンも共通認識ですね。…というか、このバンドに新ボーカルですといって加入できる人間がこの世にいるとは思えないんですよね。
ともかく、ファンにとっては悲しいながらも嬉しい、そんなこれからのBUCK-TICKを見守っていきたいと思います。
やはり、バンドにとってボーカリストというのはフロントマンであり、「顔」ですから、特に替えの利かない存在だと思います。
あえて、名前を挙げずに「ボーカルの存在がバンドの命運を握っていたバンド」の話をしようと思います。
言うまでもなく、ボーカルの脱退により解散したバンドが筆頭に挙がります。現在の状況も、リーダーとボーカルの関係が強く影響していることはほぼ間違いなく、「歌」がいなければバンドは成り立たない、その一例ですね。1997年の解散記者会見の時に、「彼のボーカルイメージで曲を書いており、彼なくしてバンドは存続できない」と語っていたことも、よく覚えています。
続けて、ボーカルが脱退後、新ボーカルが加入し活動を続けていましたが全く鳴かず飛ばずで事実上の解散に至ったバンドもありました。
その元・ボーカルは今や俳優、タレントとして音楽以外で有名になっています。格付けの人、としてしか知らない人もかなりの数、いそうですね。
実はこのバンド、2回ボーカルが変わっており、有名な彼は二代目にあたります。一人目、三人目もそれぞれ聴いたことがありますが…
・一人目、クセが強すぎて聞きづらい
・三人目は、二人目の彼を意識し過ぎて物真似のようになっている
と、いずれも世間に受け入れられなかった歌い手でした。
やはり、最も有名な彼の存在が圧倒的だった、そんなバンドです。
ロックバンド…に限らずですが、やはりグループは歌う人が何よりも肝である、と思っています。
絶対的な存在を失っても、残されたメンバーによる新しい音楽でステージ上に彼を「存在させている」BUCK-TICKは、もうあの領域であればこそ、だと思うので特殊な例にはなりますが、あらためてカリスマであり凄いグループである、と感じた…そんなお話でした。