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「俺たちの戦いは、これからだったんだけど」第一話(脚本形式)

登場人物
神野綾香(27)漫画家
レイナ(17)魔法使い
片山恭一(24)フリーター・綾香のアシスタント

ならず者の男
モンスターの大男
警察官




〇イマドキ出版社ビル・外観(夕)
   市街地に建つ、8階建てのビル。
   3階部分に、週刊ウィナーズのロゴ看板。

〇同・3階編集部事務所(夕)
   入口ドアに、漫画雑誌週刊ウィナーズ
   の表紙絵ポスターが貼ってある。大き
   く描かれた、剣と盾を持つ少年、その
   下に「漆黒の伝説・カンノ」の文字。
中年男性の声「ルーザーズだ!わあぁ!!」
   ポスターが、剥がれ落ちる。

〇ファミレス・外観(夜)
   店名のネオンが輝く、チェーン店。

〇同・店内(夜)
   賑わう店内。
   窓際の二人席、神妙な面持ちで向き合
   う神野綾香(27)と片山恭一(24)。
   テーブルの上に漫画の原稿。剣を振る
   少年が傷だらけの顔で迫る、集中線の
   入った大きなコマ、吹き出しに「まだ
   だっ!」という台詞。
   綾香、溜息を吐く。
綾香「ここからあと2ページで、終わり」
   片山、原稿を見つめながら震え、手で
   目元を押さえる。
綾香「君が泣いてどうすんの。あたしも泣き
 たいけど」
   片山、鼻をすすりながら、
片山「どうにかならないんですか」
綾香「移籍の話はあるかも、ってことだけど
 今の時点じゃ、特に」
片山「俺、先生についていきます」
綾香「だから、タダ働きになっちゃうよって」
片山「でも!」
綾香「片山君も24でしょ。これ一本じゃな
 くて、バイトか何かやってみる。で、働き
 ながら描いていくの」
   片山、俯きながら、
片山「先生はどうするんですか」
綾香「あたしのことはいいから」
店員の声「ミートソースパスタ2つ、お待た
 せしました」
   店員がパスタを二皿、テーブルに置く。
綾香「ほら、食べて。先の事考えよ」
片山「俺カルボナーラだったんすけど」
綾香「高いでしょ」
片山「はい」
   二人、無言で食べる。

〇綾香の仕事場(夜)
   マンションの一室、壁沿いのデスクに
   モニターとペンタブレット。
   綾香、慣れた手つきでペンを持つ右手
   を動かす。
   モニターに、駆けている4人のキャラ
   クターの後ろ姿。剣を持つ少年、杖を
   持った少女、小柄で丸々とした形状の
   ロボット、体長が少年より少し長めの
   竜。
   キャラ達の頭上に、「俺たちの戦いは
   これからだ!」の文字、下には「漆黒
   の伝説・完」の太文字。
   ペンを置き、一呼吸ついた後で缶コー
   ヒーをすする綾香。
   傍らに置かれた、くたびれ気味のノー
   トに目をやる。表紙にマジックで「漆
   黒の伝説覚え書き」と書いてある。手
   に取り、パラパラとめくる綾香。キャ
   ラクターの詳細、ストーリーが鉛筆で
   書かれており、ところどころ赤の違う
   筆跡が混ざっている。裏表紙に、赤で
   「恭一案」と書かれている。ノートを
   捲りながら、微笑みを浮かべている綾
   香。その表情が次第に曇り、目をつむ
   るとノートを思い切り床に叩きつける。
   目が赤く、潤んでいる綾香。
綾香「あぁあ、もう!嫌!!」
   ラストのコマが映るモニターに向かい、
   ペンタブレットを掴んで投げつける。
   衝撃音と共に、モニターにヒビが入る。
   ヒビの隙間から青い電光が走り、バチ
   バチと音を立てる。
   綾香、驚きの顔をしつつも、
綾香「安物!これだからメルカリは」
   その瞬間、電光が綾香に向かって伸び、
   彼女を感電させる。
綾香「アギャギャギャギャぁ~~!」
   痺れる綾香、気を失って倒れる。

〇酒場・外観(夕)
   周囲は木造、レンガの建物。
   同じくレンガで作られた建物に、PU
   Bの看板。

〇同・店内(夕)
   西洋風の内装。
   客はまばらで、ならず者の風体をした
   男達が数名。
   カウンターに突っ伏して、寝ている綾
   香。ヨダレを垂らしている。
   カウンターに来る筋肉質な男、着崩し
   た兵隊服から紋章の様な刺青が覗く。
男「姉ちゃん!もう一本が聞こえねぇのか!」
別の男の声「姉ちゃんじゃねぇ、オバンだろ」
   複数の男の笑い声。
   綾香、ウトウトしながら目を覚まし、
   目の前の男の顔を認める。驚いて飛び
   起きる。
綾香「ヘヤッ!?」
男「客の前で寝てるとか、肝の据わった姉ちゃ
 んだな、オラ、酒もう一本」
綾香「客!?えっ?ここどこ?」
   目をパチパチさせながら周囲を見渡す
   綾香。自分の身なりがエプロン姿であ
   ることに気付く。
   寂れた酒場の店内、客席にはガラの悪
   い男達が数名。壁に英文字でSHIN
   JUKU。
綾香「あ…し、シンジュク」
男「アンタの店だろうが」
綾香「い、いやあの、あたしの店じゃ…ある
 意味あたしの店だけど」
男「いいから早く酒出せよ!渋ってるとやる
 ぞコラ!」
   男、綾香の胸倉を掴んで引き寄せる。
男「ん~?若かねぇが上玉だな」
綾香「ちょ、ちょっと!まだにじゅうな」
別の男の声「お前年増趣味か、ヒャハハ」
綾香「年増?今、年増って言った!?」
   綾香の激昂する顔。
   店の外から悲鳴。
綾香「えっ?何?」
   男、険しい顔になり綾香を放す。
男「ヤベェ、オーガだ!」
   酒場の扉が、弾けるように破壊される。
   身長3メートルでデップリと肥えた真っ
   赤な身体の男が入ってくる。金色の髪
   の上、一本の白い角。
   男達、悲鳴をあげながら我先にと逃げ
   出すがカウンターにいた男が僅かに遅
   れ、大男にに腕を掴まれる。
男「ヒッ」
   男の顔が恐怖に歪み、間もなく引き寄
   せられ大男の拳を浴びる。吹き飛ばさ
   れ壁に激突する男。顔の形が変形し、
   血を吐いて白目を剥き意識を失う。
   綾香、その様に目を見開く。
   大男はそのまま、綾香に向き直る。
綾香「あ、あぁ…」
   恐怖で顔が引きつる綾香。
   真っ赤な顔と鋭い眼で睨みつけ、大男
   が綾香へと歩を進める。

〇マンション・外観(夜)
   郊外の賃貸マンション。

〇同・階段(夜)
   片山、スマホを見ながら上の階へ上っ
   ている。
   スマホの画面、「神野先生」への発信
   履歴が並んでいる。それらが応答なし、
   とあり、早足になる片山。

〇同・神野宅ドア前(夜)
   「KANNO」のプレートがかかった
   入口の前。
   片山、インターホンを押すも応答がな
   い。何度か繰り返すが、返事がない。
   恐る恐る、ノブに手をかけて回す片山。
片山「開いて…る…」
   ゆっくり開けて、中を覗く。作業部屋
   の灯りが見えて、バチッ、バチッとい
   う電気の音。
片山「先生!?」
   片山、中へ駆け込む。

〇酒場・店内(夕)
   カウンターが破壊され、大男に首を掴
   まれて抱え上げられている綾香、苦悶
   の表情。
大男「グゥ…」
綾香「お、オーガこんなに強くない…早く覚
 めて…」
大男「グワッ!」
   綾香、投げ飛ばされて床に叩きつけら
   れる。痛みに耐えながら咳き込む。
   なおも迫り来る大男。
綾香「なんで…街の中に魔物が来るのよ…そ
 んなの描いたことない…」
   大男の影が綾香を覆う。
   顔を見合わせ、怯える綾香。
綾香「い、いや…やめて、こないでって」
   大男、右足を上げ綾香を踏みつけよう
   とする。
   綾香、思わず目を瞑る。
綾香「もう、ダメ!」
   大きな足が、綾香に被さってくる。
   次の瞬間、大男の身体が突如、発火す
   る。動きが止まり、横に倒れる大男。
   そのまま、溶けるように消滅する。
   綾香、茫然としたまま。
レイナの声「大丈夫ですか?」
   声の方向、入口にレイナ(17)が杖
   を持って立っている。軽装ながら、様
   々な色の石が散りばめられた出で立ち。
   綾香、その姿に安堵の表情。
綾香「あ、あぁ…レイナ!レイナ!!」
   駆け寄り、レイナに抱きつく綾香。
   綾香の身体に腕を回しながらも、戸惑
   うレイナ。
レイナ「あの…知り合いでしたっけ?」
綾香「だって、私が描いたんだから、貴女
 を」
   キョトンとするレイナ。

〇酒場「シンジュク」外観(夜)
   入口が破壊された店。
   灯りが点いている。

〇同・店内(夜)
   荒れた店内。フロアーの客席は壊れた
   机や椅子でその体を成していない。
   半壊したカウンターの席に座るレイナ、
   向かいに立つ綾香。自らの頬をつねる。
綾香「何度やっても痛い」
レイナ「信じられません、私達のこの世界が
 あなたの描いたものだなんて」
綾香「その世界にあたしがいるってのがもっ
 と信じられないけどね」
レイナ「けど、三日前から色々とおかしくなっ
 たんです…何もかも」
   綾香、カウンターに肘をつく。
綾香「おかしくなった?」
レイナ「はい」
   レイナ、杖を持ち綾香との間に翳す。
   杖の先端が光り、その先に鏡の様な枠
   が現れる。枠内に、映像が映る。レイ
   ナを含む、一行の姿。
綾香「ゼオ、マルック、バーモね」
   頷くレイナ。
レイナ「私達は、城の門番と戦ってたんです。
 強敵で、ゼオも大きな傷を負ってしまいま
 した。それでも諦めずに向かっていくゼオ
 を援護しようと構えていたんですが…」
綾香「ま、まさか」
レイナ「その瞬間、門番が消えて私達は眩い
 光の中に突然走り出したんです。ゼオが急
 に戦いはこれから、とか言い出して」
   枠内、唐突に走り出す一行を映した後、
   映像共々枠も消える。
   綾香、固まって冷や汗。
レイナ「それから記憶がないんです。気が付
 いたら旅立ちの町だったここに戻っていて、
 あとの三人も姿が見えない。それから町の
 中にも魔物が出るし、何より町から出られ
 ない」
綾香「あー、一応レイナはここ出身だからね。
 リセットされたんだと思う」
レイナ「リセット?」
綾香「って、ゲームじゃないのにね」
レイナ「あの、綾香さん。私達の物語はどう
 なったんでしょう。ゼオは、マルックは、
 バーモは何処にいるんですか?」
   綾香、ゴクンと唾を呑む。

〇(フラッシュバック)綾香の仕事場(夜)
   最後のコマが映ったモニターに、タブ
   レットを投げつけて破壊する綾香の姿。

〇元の酒場・店内(夜)
   綾香、レイナの両肩に手を置き、真摯
   な眼差しで見つめ合う。
綾香「レイナ、落ち着いて聞いて頂戴」
レイナ「は、はい」
綾香「貴女達の物語、続きは無いの」
   レイナ、目を見開く。

〇マンション・外観(夜)
   マンションの前に、パトカーが2台停
   まっている。
   パトカーの横に立つ警察官が無線を使
   う。その傍らに片山。
警察官「はい、室内はテレビが破損、家主と
 連絡がまだ取れていません。また入れます」
   無線を切る。
警察官「では特に人影などは見なかったと」
片山「はい…」
警察官「わかりました。また後日お伺いする
 と思いますが、今日はこれで」
   片山、会釈してその場を去る。覇気の
   ない表情。

〇歩道(夜)
   街灯に照らされ歩く片山。
   手提げバッグの中に、くたびれたノー
   トが覗く。
片山「どこ行ったんだよ先生…」
   片山、立ち止まる。
片山「綾香さんっ…!」
   走り出す。
片山「全部、打ち切りのせいだ!!」
   片山、憤怒の形相。

〇酒場「シンジュク」・店内(夜)
   立ち上がり、カウンターに両手を勢い
   よく突くレイナ。
レイナ「無責任すぎます!」
綾香「雑誌が廃刊になるって、そういう事な
 のよ。途中でも、終わりは終わり」
レイナ「じゃあこれまで私達が戦ってきたの
 は、全部無駄だったってことですか!?」
綾香「そうは言わないけど」
レイナ「ゼオを、マルックを、バーモを返し
 てください!大切な仲間だったんです!」
綾香「そんな事言われても、あたしにはどう
 にも出来ないんだって」
レイナ「それが無責任だって言ってるんです!
 私達を創った、いわば神様ですよね!?ちゃ
 んと、ちゃんと旅の終わりまで…」
   レイナ、涙ぐむ。
   綾香、顔を伏せる。
綾香「あたしだって…最後まで描きたかった。
 最終回までのあらすじはあったし、あと単
 行本2冊で終わる予定だったのよ」
   レイナ、ぐずりながら、
レイナ「ゼオを…返して…」
   綾香、申し訳なさそうに、
綾香「好きだったもんね、彼のこと」
   驚いて、顔を赤らめつつ首を振るレイ
   ナ。
   綾香、布巾を渡しつつ微笑みかける。
綾香「あとは城に行って、貴女の仇…ヴァイ
 ルを倒すだけだった」
   レイナ、涙を拭く手が止まり顔色が変
   わる。
レイナ「ヴァイル!?」
綾香「あぁ…ゴメン、最後の敵、漆黒鬼はヴァ
 イル、貴女の父親だったのよ。あと3話で
 明かす予定だったんだけど。ネタバレしちゃっ
 たわね」
レイナ「う、嘘…」
   顔面蒼白のレイナ。
綾香「だから両親を殺されたってのはヴァイ
 ルの嘘だったのよね~」
レイナ「そんなの、嘘!!」
   レイナ、杖を持って綾香に向ける。
   綾香、両掌で制止する。
綾香「落ち着いてよレイナ。父親との戦いが
 クライマックス、そこでゼオの貴女を想う
 気持ちが覚醒を促して」
   鬼の形相で綾香を睨むレイナ。
綾香「4人の力で撃破、善に還ったヴァイル
 が娘を頼む、と最期の言葉を残す…って、
 聞いてる?レイナ…」
レイナ「解った。あなた、漆黒鬼の手先ね」
綾香「おーい!作者だぞあたし!ハッピーエ
 ンドだって言ってるのに!」
レイナ「お父さんを愚弄する奴は、許さない」
綾香「あは…初登場時のセリフ…」
   杖の先、炎が盛り始める。
   レイナ、鋭い眼光で言い放つ。
レイナ「灼けろ」
綾香「や、止めろ!」
   杖の先から火の玉が放たれる。だがそ
   れは綾香の眼前で見えない壁にぶつかっ
   た様に消える。
   綾香、レイナ共に驚きの表情。
レイナ「防御魔法…やはり魔導士の!」
綾香「待って待って!あたし何もしてな」
   続けて、更に大きな火の玉を連続して
   放つレイナ。だが同じ結果に終わる。
レイナ「くっ…」
   綾香、閃いた、という顔。
綾香「そっか。レイナの魔法もあたしが描い
 たものだから、あたしのイメージが優先さ
 れるのか」
   戦意が削がれ、脱力するレイナ。
レイナ「魔法が効かない…そんな…」
綾香「あぁ…創造主の特権ってやつ、かしら」
   俯くレイナ。
   歩み寄る綾香。
綾香「レイナ、貴女にとって辛い話にしちゃっ
 ててゴメンなさい。でもラストバトルは身
 内との戦いが一番盛り上ガッ!」
   レイナ、綾香の足を踏みつけている。
綾香「痛ぁ…なにすんの!?」
レイナ「描いたことがない攻撃なら通じるっ
 てことですよね」
   勝ち誇った顔のレイナ。
綾香「アンタそんな子だったの」
   レイナ、小走りでカウンター奥から酒
   瓶を取り、短刀のように構える。愉悦
   感で興奮気味に微笑を浮かべている。
レイナ「ニヒヒヒ、KOROしてやる」
綾香「何よあんた…清楚系ヒロインのくせに」
レイナ「創造主を倒す方法、です」
綾香「あたしを倒してどうすんだ!」
   綾香も酒瓶を取り、応戦の構え。
   向かい合い、睨み合う二人。
綾香「言っとくけど、この瓶は」
レイナ「何があっても、割れない」
   白い歯を見せあう両者。
   一時の沈黙。
綾香・レイナ「デイヤアァァーーッ!!」
   振りかぶって激突。
   壮絶な殴り合いが始まり、掴み合って
   もみくちゃの戦いになる。
   お互いの瓶が脳天に直撃する。
   二本の瓶が、粉々に砕け散る音。
   お互い酒まみれになり、倒れる。

〇同・外観(夜)
   店の周りを囲む、屈強なオーガ達の影。

〇同・店内(夜)
   水浸しの床にうつ伏せで倒れ合う綾香
   とレイナ。砕け散った瓶の破片に囲ま
   れている。
   息の荒い両者。
綾香「割れない、ところは描いてなかったか
 らね」
レイナ「いい加減な神様ですね」
綾香「アンタこそキャラ崩壊してた」
レイナ「守る必要なくなったからです」
綾香「ファン減るよ」
レイナ「誰も読んでないんでしょう」
綾香「なら、描くよ。瓶で殴るレイナ」
レイナ「やめて…ください…」
   微笑み合う綾香とレイナ。次第に笑い
   出し、大笑いへと膨らんでいく。
綾香「帰り方もわかんないし、とりあえず…
 この漫画を終わらせようか」
レイナ「本当ですか?」
綾香「それしかなさそうだから、ね」
レイナ「つまり、お父さんを倒せと」
綾香「それも変えよっか」
   半身を起こす、綾香とレイナ。
   店の外、オーガ達の影と呻き声が聞こ
   える。
   微かに焦り顔のレイナ。
レイナ「私一人で…この数は…」
   綾香、目を瞑り、言い放つ。
綾香「レイナ、漆黒鬼の100万倍の戦闘力
 を得る。天変地異すら司る神に等しい存在」
   次の瞬間、レイナの背後から後光が差
   すような光が放たれ始め、微弱な地震
   が起こる。
レイナ「またいい加減な設定を」
綾香「これで、怖くないでしょ?」
   レイナ、立ち上がる。
   地震は続いたまま。
綾香「神様になった気分はどう?」
レイナ「そう言われると嫌味に聞こえます」
   綾香とレイナ、酒まみれの顔で笑顔を
   交わす。
レイナ「お酒って美味しいですね」
綾香「未成年はダメなのよ」
   レイナ、口の端を吊り上げ、敵に向か
   う。

第一話・完

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