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近所のおじいさんJさんとGezzelig
3年以上住んで「初めてのGezzelig」を経験したというのを少し前に書きました。その時出会った、うちのアパートから直線距離で100メートルくらいのところにオランダ人のJさんと奥様のKさん(日本人)カップルが住んでるのですが、ここに住み始めて3年以上なるのに「お互い全然気づかなかったですねー。ワイン飲みにいらっしゃい」ということで、お邪魔しました。ちょっと前にもここで書いた「Gezzelig」です。
戦前のロッテルダムで生まれたJさん
今では奇抜な建物がたくさん立ち並ぶロッテルダムですが、Markthalを見て心底驚いた3年前に、その街の歴史を少し調べました。
第2次世界対戦時にドイツ空軍による爆撃で壊滅的な打撃を受け、街並みが瓦解したことで、都市再建のために、歩行者のための快適な空間や、散り散りになっら居住者を呼び戻すための奇抜なアパートを建築することが、都市再生の構想の一つになったそうです。
Jさんはその少し前、1937年ロッテルダム生まれと聞いて「ロッテルダムがいちばん大変な時期でしたね」と言ったら、まさにその通りで、「毎日飢えていて、2つ違いの兄は背が伸びずにあっという間に、私は彼と同じ身長になったよ」など、生き抜くことすら大変だった当時のエピソードを話してくれました。
日本でも同じような状況だったと思いますが、後に戦勝国側となる方々も、大変な苦労をした時代があったんだなあと改めて認識させられた次第です。戦争はダメ。
デルフトに住んで
約40年前に、今の家を買ってずっとここに住んでいるというJさんKさんのご夫妻。「デルフトはどう?」と聞かれたので、「街並みは美しいし、(ここは)駅にも近くて色んなところに行きやすい。買い物も過不足なくできる。人々は落ち着いていて、静かな街並みに住めて本当にラッキーだと思う」と話した。
「でも一つだけ、初めてのNew Years Eve(お晦日)は、花火の轟音がすごすぎてびっくりした。戦争が始まったのかと思ったよ」と言ったら苦笑してた。多分あれは、「君は本当の空爆を知らないからね」という微笑みだったんだと思う。受けを狙ってつまらない比喩を使ったことに反省しました。
近所に知り合いの日本人家族がいるそうで、今度はそちらも一緒に食事しましょうと約束してお開きになりました。
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