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夏に読む本を決めあぐねる(日記の練習)

2023年7月2日(日)の練習

 毎年その夏を一緒に過ごす、読み終えてからも夏が終わるまでいつも携えて繰り返し頁をめくる「夏の一冊」をえらんでいるが、何にしようか決めらないまま七月がきた。
 昨年は、ひんやりとした気分を味わいたいという理由でヴェルナー・ヘルツォーク『氷上旅日記 ミュンヘン―パリを歩いて』(白水社)にした。
ひとまず夏の本を読むだけでもと思い、米川千嘉子『一夏』(河出書房新社)を読み始める。〈「同時代」の女性歌集〉と題された叢書の一冊で、著者の第二歌集にあたる。同叢書は刊行時期からしても俵万智『サラダ記念日』のベストセラーをうけて始まった叢書のようで、俵万智の第二歌集『かぜのてのひら』もその一冊として刊行された。どの歌集もカバーに著者の写真が使われていて、当時の空気を忍ばせている。井辻朱美の第四歌集『コリオリの風』も、この叢書から刊行されたのだった。

 昼になってもtwitterのAPI回数制限は解除されることなく、タイムラインは静止したままだ。現在の投稿を更新することも、過去の投稿を遡ることもできない。ただ、普段とかわりない日々の投稿のなかに、私より先にAPI回数制限に達したであろうアカウントの「もしtwitterがなくなったら」というような投稿がいくつかまぎれこんでいる。いろんなものは、こういう風にして終わるんだなと思う。予期せぬデジタルデトックスのような時間を過ごす。

 終日、家から一歩も出ることなく日曜日が終わる。

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