中野駅よくするプロジェクト
サブカルチャーの街、東京・中野。
この街の中心部にあるのが中野駅で、都内有数の利用客数を誇る。
結論から言うと、この中野駅、ビックリするほど使いにくい。
身バレしそうだが、この中野駅を日常的に使っている自分にとっても、その使いにくさには閉口する。
どのような点が使いにくいのか、ざっと挙げると、こんな感じである。
1.利用客が多いわりに、構内通路は1本だけで改札口も南北2か所だけ。その上改札機が少なく、朝は駅から出る人で渋滞が起こる場合がある。
2.ホームに上がるためのエレベーターがない。車椅子の人がホームに上がる場合は、エスカレーターを車椅子対応にして駅員が誘導するため、その間の約3分間、他の利用客は階段を使うしかない。
3.コインロッカーがどこにあるかよくわからない上、数が少ない。
4.同じ路線・同じ行先の電車が、バラバラのホームから出発し、さらに違う路線・同じ行先の電車が同じホームから出発する
今回は4の問題を解決するべく、筆を執る。
というのも、1~3の問題には将来開設される「西口改札」という特効薬があり、それが完成すれば一気に解決する可能性があるからである。
(ただし、残念ながらこの計画は何回も完成時期が延期されており、現時点での完成が2027年頃と見込まれている。これまでの経緯を鑑みると、再延長されそうな気がしてならないが・・・)。
一方の4の問題は、いくら改札を増やしても解決できない。
4の問題を、図を交えながら紹介する。
まずは当方自作の駅の構内図を見てみよう。
数字は“番線”を表し、そこから発着する列車を矢印で示した(早朝深夜など、ごく稀にこの通りに発着しない場合がある)。
ホームの真ん中を貫くのは改札内通路である。
(かなり簡易的に描いているので、細かな部分まで知りたい方は、公式の構内図を参照していただければ幸いである)
構内図を踏まえたうえで、中野駅の発車案内を見てみる。
以下は8/29(水)に撮影したものである。
この発車案内から、以下をポイントとして挙げる。
・次の「各駅停車 三鷹行き」は、中央・総武線のホームではなく地下鉄東西線のホームである3番線から出発する
・次の「各駅停車 千葉行き」は当駅始発のため、通常使用する5番線ではなく2番線から出発する
・次の「東西線 東陽町行き」は、地下鉄東西線のホームではなく中央・総武線のホームである5番線から出発する
次に別の発車案内を掲載する。
これは8/31(金)に撮影したものである。
この発車案内から、以下をポイントとして挙げる。
・次の「東西線 西船橋行き」は、地下鉄東西線のホームではなく中央・総武線のホームである5番線から出発する
以上より、同じ路線・同じ方面の電車が、バラバラのホームから出発していることがわかる。
(ちなみに、時間帯によっては「中央・総武線の西船橋行き」と「東西線の西船橋行き」が同じ5番線から出発することがある)
電車がバラバラに出発すると何が起こるか。
当たり前だが、利用客が迷う。
電光掲示板を見上げて、どのホームに行くべきかを判断しなければならない。
この判断に時間を要すると、自由通路の真ん中で立ち止まり、“人の流れを遮る人”になってしまう。
次に、正しいホームに到達できても、その電車に間に合わなかった場合は、別のホームに行かなければならない場合がある。
「東京メトロ 東西線」の利用客になったつもりで、再度電光掲示板を確認してみよう。
ここで、一番右に写る「東京メトロ 東西線」に注目してほしい。
次の電車は5番線から発車する「8:41 各停 西船橋行き」であるが、その次の電車は2分後に4番線から発車する「8:43 快速 東葉勝田台行き」である。
自作の構内図でも示した通り、5番線と4番線はホームが異なる。
そのため、5番線の電車に間に合わなかった場合は、4番線へ階段を使って移動しなければならない。
それも残された時間は2分だけである。
ここまで不便になってしまったのは歴史的経緯によるものだが、過去を嘆いていても仕方ないので、少しでも乗客が迷わない施策を考えてみたい。
これが本ノートの本題「中野駅よくするプロジェクト」である。
電光掲示板を見ても右往左往する人がいるのは、少なくともそれだけでは案内として不十分だということである。
むしろ「決まった発着ルールがない」ため、毎日中野駅を利用する人間でも電光掲示板を見ないと移動できない。
放送で補助することも解決策の一つとして考えられるが、現代人は「聞いていない」ことが多いので、あまり効果を発揮しないだろう。
そこで、さらに視覚的に訴えるべく、「空港の誘導路中心線灯」のアイデアを採用したい。
これは、夜間に離発着する飛行機が、誘導路を円滑に通れるようにするもので、夜間のフライトに搭乗したことがある人は目にしたことがあるかもしれない。
この「誘導路中心線灯」を、乗客の誘導灯として活かすことを考えてみたい。
例えば、画像1の構内は以下のように案内できる。
利用客は、とりあえず色が示す路線・方面を覚えれば、どこのホームに行けばよいかがわかり、あとは光っている方向に進むだけである。
画像2の場合はこうだ。
このように、光の方向へ利用客を導くことで、中野駅の使いにくさは幾分和らぐのではないだろうか。
駅員さんにとっても、例えば「中央・総武線千葉方面は、黄色の光に沿って進んでください」と言えばよいので、説明が簡単になる。
一方で、欠点もある。
それは、利用客がずっと下を向いて歩くことや、設置に膨大なコストがかかることである(切り替えのタイミングやダイヤ乱れ時の対応など、挙げればキリがないが・・・)。
ただ、個人的には「スマホにアプリをインストールして、その画面を見ながら進む」類のモノよりは安全だと思うし、駅や線路の構造を大改造するよりは低コストで済む改善策だと思うが、どうだろうか。
ぜひ、中野駅利用者の意見を聞いてみたいものである。
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