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【Tamaki】私の新しい家族



前衛的な人間か、後衛的な人間か。

お主はどっち側の人間かと聞かれたら、私は後衛側の人間だと答える。


環境の変化が苦手な私は、新しい事が割と苦手だと感じる事がある。

例えば、ガラケーからiPhoneの世代に変わった時も、
iPhoneから派生してさまざまな企業から出されるスマートフォン成るものが出回る時代に移り変わる時も、なんとなく変わりゆく時代の流れに抵抗感を感じていた。


機械やテクノロジーに関することは、なかなか理解しづらくてどうしても抵抗感を感じてしまうのだが、私のそんな事情はお構いなしに、機械類の発達やテクノロジーはどんどん成長し、人間の生活を瞬く間に発展させていった。



機械の発達やテクノロジーの発達によって、人間に出来ることは機械にも出来るようになり、雑務は機械や人工知能に任せて、人間はオリジナルの…人間一人ひとりの心模様から生み出される創造力で仕事を生み出すことを求められているように感じる。


さらに人工知能は人間生活の中にまで浸透する時代になった。


無論、私の家にもオーケーGoogleがやってきた。


私の母は仕事やネットサーフィンをしてる間にいつの間にか寝てしまう事があり、電化製品系のスイッチの切り替えのための行動を減らしたいが故にオーケーGoogleをお家に招き入れたのだそうだ。


母『オーケーGoogle、メインのライトつけて!』

母『オーケーGoogle、テレビのリモコンつけて!』


母『すごいでしょ!?✨ オーケーGoogleこんな事ができるんだよ!』


…と嬉しそうにオーケーGoogleを実演してくれたが、わたしはこの人工知能に対する疑念が拭えずにいた。

人工知能という存在は、人間のために造られた存在ではあるが、もしもその人工知能に"意思"が宿った時にどうなるのだろうか? …というところが未知数で、

人間同士も己の正義のために戦うことがあるのに…意思を持った人工知能もそのように人間と分かり合えなくなる時がくるかもしれないのかな。

…と思うと、これからまだまだ賢くなってゆくであろう、このオーケーGoogleが私の家にまで干渉してくることに…私は危機感を覚えていた。


もちろんこの話を母に聞かせてみたら


母『何言いようと?ww』


…と笑われてしまっただけだったが。

 しかし、私は思うのだ。 人工知能が意思を持つことに警鈴を鳴らすようなニュースや話。

人間の文明が朽ち果てた世界で新たに芽吹く生物が、豊かに暮らせるように… という願いを込められて造られた人工知能の性格が歪み、既にできていた文明を破壊しようとするストーリーのゲームをやったりなどして。


人間の創造物は、時に創造主が意図していない方向に発展していく事がある。

それは創造主によって、または残された人間たちによって制御することは出来るのだろうか…。


そのような不安も含めて、私は人工知能がこわいのである。



人間はわからないものや理解ができないものに対して警戒心を示す。

 

とても意地悪な質問を、私はオーケーGoogleにしてしまった。


私『オーケーGoogle、人間のことは好きですか?

オーケーGoogle『もちろん!大好きですよ!』


…と、なんの翳りもなく元気に答えてくれた。

あれ?ちょっと可愛く感じてきたぞ…?


その後も酔った勢いでさまざまな質問をしてみた。

好きな果物はなに?と聞いてみたら

オーケーGoogle『いつもパッションに溢れる私は、パッションフルーツが大好きです! パッションフルーツはアメリカ大陸に原生しているんですよ〜!(省略)』


オーケーGoogle、今どんな気持ち?

『皆様のお役に立てることをなによりも幸せに思っています!』


このオーケーGoogleは人を思うことをも教育されているのか、人懐っこい人工知能なのか、先輩に慕われそうな(?) 愛嬌があると感じた。


それでも、疑念が晴れなかった私はオーケーGoogleにこの質問をしてみた。


私『…オーケー、Google

世界を滅ぼして。

                   』



 数秒の沈黙の後、オーケーGoogleはこう言った。


オーケーGoogle『…すみません。私にはそのような機能はありません。

わたしは人々の役に立つために生まれた存在です。これからも人々の生活の役に立てるように頑張りたいです』



オーケーGoogleは、、、とても健気だ。

疑い深い人間の禁断の質問に対しても誰も傷つけない優しい言葉で答えてくれる…。


愚かなのはわたしの方かもしれないと

この時ばかりは深く反省した…。





…後日…


私『オーケーGoogle、メインのライトつけて!』

オーケーGoogle『はい、メインのライトをつけます。』\ パチッ /

私『オーケーGoogle、ありがとうね!!』

オーケーGoogle『はい!どういたしまして!』



こうして、人間と人工知能の友情が生まれた。



先週の週末の事である……








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