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これ考えた奴、天才かよ?!外国人が入れ喰いの「君ノ高校」
千葉県君津市の山間部に佇む廃校を利用した「君ノ高校」は、日本の伝統的な学校生活を1日で体験できる、ユニークな観光サービスです。
主に外国人観光客や日本在住の外国人を対象としていますが、実は日本人の参加も可能です。
参加者は学ランやセーラー服に身を包み、入学式、ホームルームから始まり、国語や社会の授業、給食、運動会、そして卒業式まで、昭和レトロな雰囲気漂う学校生活を存分に一気通貫で堪能できます。
このサービスが特に人気を集めている理由は、アニメや日本文化に興味を持つ外国人観光客のニーズに見事にマッチしていてズキューーーンとやられてしまうからです。猫にマタタビどころではなく刺さりまくるのです。
日本のアニメや漫画で描かれる学校生活を実際に体験できるという点が、多くの外国人を魅了しています。
また、日本の教育システムや文化に関心を持つ教育関係者にも注目されており、アメリカの教師たちが体験する様子がテレビ番組で紹介されたこともあります。
以下の動画は普通の観光客なんだけど、なんか話聞いただけ、コンセプト知っただけだと「それ、本当にウケてるの?」と思ったんだけど、参加者の表情がめっちゃいいのよ。
女の子とかすごいマッチしててかわいいんだよね。
個性豊かな「先生」たちが演出する、リアルな学校体験
君ノ高校の魅力の一つは、個性的な「先生」役を演じる俳優たちです。
先生役の俳優たちは、全て英語で授業を進行し、参加者をシームレスに日本の学校文化の世界へと導きます。
特撮好きの熱血教師は、ヒーローのような先生を指向し、生徒たちの平和を守ることに情熱を注いでいます。代々の教師家系の出身で、日本の文化を世界に伝えたいという強い思いを持っている設定です。
アニメ好きの先生は、アニメの名言を授業中に交えながら、師弟関係への憧れを体現しています。生徒から尊敬される教師を目指し、ある種独特のスタイルで授業を行うのです。
過去に不良だった(これマジかよ?)先生は、自身の経験を活かし、まっすぐに生徒と向き合うことを大切にしています。恩師への敬意と生徒への熱い思いが、その指導スタイルに表わすそうです。
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先生たちは単なる俳優のお仕事という枠にとどまらず、日本の教育文化を伝える使命感を持った真なる教育者として、外国人参加者に日本の学校生活の本質を体験させようとしています。
彼らの多様なバックグラウンドと情熱が、君ノ高校という外国人の夢の世界を現実にしています。そう、ネズミーランドだけが夢の国ではないのです!
リアルな学校生活を再現する工夫の数々
君ノ高校では、日本の学校生活をより本格的に体験できるよう、きめ細かいこだわりがあります。給食、避難訓練、掃除当番など、日本の学校生活に欠かせない要素が「時間割」の中に詰め込まれています。
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制服
男子は学ラン、女子はセーラー服を選ぶことができ、これにより昭和レトロな学校文化を体験することができます。
学ランは、日本の男子高校生が一般的に着用する制服で、黒色のジャケットに金色のボタンが特徴です。
セーラー服は、日本の女子高校生に人気のある制服で、白いブラウスとスカートにセーラー襟が特徴です。
それなりにいい歳をした日本人より大柄な外国人が制服となるとコスプレ感が酷くて、ちょっと辛い絵柄になるかと思いきや案外これが馴染むのですよねえ。不思議。
や、だってね。日本人の僕でも卒業しちゃうと制服は厳しいし、女子は更に精神的葛藤が出てくるものだと思うのですよ。そこがクリア出来るとかビックリでした。
本格的な給食体験
給食は、参加者に日本の学校生活をリアルに体験させるために特別に用意されています。千葉県産の食材を使用し、地元の給食レシピを基にしている拘りぶりです。
給食の中心となる料理は、カレーです。ご存じの通り実際の日本の学校給食で非常に人気があり、多くの学生に親しまれているメニューです。
また、給食には麦芽ゼリーも含まれており、これも実際の学校給食でよく見られるアイテムです。
現状はアレルギー対応やハラル対応が無いため、特定の宗教の方は参加が難しいという難点はあります。
参加者は、教室で友達と机を向かい合わせに配置し直して座り、和気あいあいとした雰囲気の中でこの給食を楽しむことができます。意外や意外、このやり方自体日本固有らしいです。
思い起こせば、僕も給食は結構楽しみな時間の一つでした。ただ、わりと好き嫌いがある方なので、みんな大好きイカリングとかは駄目で嫌でも食べろという先生だと辛かったほろ苦い記憶もあります。
ちなみに妻は、のんびり食べたい方なので給食時間が短すぎたとかで、ユーモレスクが流れるのが憂鬱だったそうです。捉え方は色々あるものです。
リアルな避難訓練
避難訓練は、日本の学校で実際に行われている訓練を再現した体験型プログラムです。参加者は、机の下にもぐる典型的な地震避難行動を実践します。別に訓練ですから、実際に揺れたりはしません。
でも、この避難訓練は単なるシミュレーションではなく、実際の学校生活で行われる緊急時対応をガチで忠実に再現しているそうです。おふざけは駄目です。でも、貴重な体験なので参加者は机の下でスマホの自撮りしまくっていますね。
この体験は、参加者に日本の学校文化における安全意識と危機管理の重要性を理解させる貴重な機会となっています。
そもそも日本は世界でも有数の地震多発国です。勿論海外でも悲惨な地震災害は度々報道されますが、普段発生しないのであまり危機意識を持っていない人達が多い模様ですから、単にレクリエーションではなく今後の糧になるのかもしれません。
ただ、机のサイズは大柄な外国人には少々手狭感があるので、実際に落下物があったときははみ出た部分の保護が怪しいですね。
僕もいまだに会社で避難訓練では机の下に潜りますが、ぶきっちょなのもあってよく頭をぶつけたり手足が上手く収まらないのです。
夏休みの宿題体験
君ノ高校の宿題は、日本の伝統的な学校文化を体験する一環として、通常の学校で行われる夏休みの宿題をモチーフにしたものが用意されています。
勿論この学校体験は泊まり込みではなく日帰りなので、そういう設定なのです。
参加者は、日本の学校で典型的に出される宿題を体験します。これには、絵日記、読書感想文、自由研究、漢字の書き取りなどが含まれます。
宿題は単なる課題ではなく、参加者は、日本の子供たちが夏休みに経験する学習プロセスを追体験することで、日本の教育システムへの理解を楽しみながら深めることができます。
プログラムの特性上、これらの宿題は実際に提出する必要はないそうです。
僕はと言えば、夏休みの宿題は最初の週のうちに全て作成し、日記は天気のみ日々記録し予定を実行した体で書き込んでしまうと言う可愛げの無いことをやっていました。
よりによってそういうやっつけ仕事が評価されて、県での表彰対象になり罪悪感に苛まれたのもほろ苦い記憶であります。
唐突に始まる他校のヤンキーの襲撃
常設イベントかどうかは分かりませんが、事業の中で唐突に他校のヤンキーが襲撃をかけてくるイベントがあります。
流石にこれは僕も体験したことはありませんし、大抵の日本人は無い気がします。確かに昭和の底辺校ではあったのかもしれませんが、イマドキはもう昔懐かしい硬派なヤンキーは絶滅したのではないでしょうか?
パパ活的なものとか薬物とか闇バイトとか半グレとかよりヤバい系に移行してしまい、武威を示したり、男気を見せたりというのは無いでしょう。そもそも昔もどれほど実在したのかな?
まあ、漫画は超好きです。色々名作はありますが個人的にはこの二つです。
やっぱり週刊少年マガジンのヤンキーはお家芸で、全ての会話が「!?」で成り立ってしまったり、これ絶対日本語じゃないよねっていう語彙や読み仮名がついていたり、身近にいるのはノーサンキューだけど見ていて楽しい世界観でした。
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感動の卒業式体験
君ノ高校の卒業式は、日本の伝統的な学校文化を体験する重要なイベントの一つであり、参加者にとって特別な思い出となる瞬間です。
卒業式は、参加者が制服を着用した状態で行われ、通常の学校の卒業式と同様に、厳かな雰囲気が漂います。
式典では、卒業証書の授与が行われ、参加者は自分の名前を呼ばれると壇上に上がり、証書を受け取り、参加者全員の記念写真も勿論撮ります。
この瞬間は、多くの参加者にとって特に感動的な体験であり、日本の学生生活の一部を実感することができるそうです。
卒業式では、一般的に歌われる卒業歌が取り入れられており、参加者は一緒に歌うことで、仲間との絆を深めることができます。
また、式典には日本の礼儀作法もわりと忠実に再現しているそうです。
卒業式終了後には、放課後のイベントとしてちょっとしたわちゃわちゃのじゃれ合いタイムが開催されることもあるとかもマジ天才かよと思う拘りぶりです、
僕は結構小中高と卒業イベントはあんまりパッとした思い出がありません。それこそアニメだと陰キャですら卒パに呼ばれてキョドったり反発したりというイベントがあるものなんですが、マジで記憶にありません。
家族で家で少しごちそうな晩ご飯食べたかな?うーむ。
体験の質を重視した少人数制
君ノ高校の体験プログラムは、1回あたり30人に限定されています。
これは、オーバーツーリズム対策というよりも、参加者一人一人に質の高い体験を提供するための配慮だそうです。
少人数制にすることで、「先生」役の俳優たちとより密接なコミュニケーションを取ることができるそうです。
外国人には「こんな安くていいの?」的な設定?
円安というのもあるのですが、料金は1人35,000円だそうです。
やはりここはネズミーランドと比較してしまうのですが、あれが今の値段になって「貧乏人には手が出なくなった!富裕層だけのサービスじゃん!」と怒り狂う人達が一定数いるらしいですが、外国人にはむしろ「35,000円?そんな安くていいの?もっと払わせてよ!」レベルです。
円安ですからねえ。
ちなみに、場所は千葉県君津市(旧亀山中学校という廃校)で無料送迎サービスが新宿駅から利用可能で2023年11月からサービス開始しているそうです。
オプション
君ノ高校の体験プログラムは、単なる学校生活の再現にとどまりません。
例えば、歴史の授業では着物に着替えて殺陣や日本舞踊を体験するなど、日本の伝統文化に触れる機会も提供しています。
また、オプションとして校庭でのキャンプ泊や温泉旅館への宿泊も可能であり、日本の自然や温泉文化も楽しむことができます。
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インドとかでちょー話題に
「わずか3万円(約1万7000ルピー)」とか、あるオンラインコメント投稿者は、「インド人として、この学校に入学したいです。正直、これは私の夢の学校です。学業や親からのプレッシャーはありません。」とコメントした 。別の投稿者は、「日本は常に想像力とエネルギーに満ちた場所であり、日本の学校文化はそれを見事に反映しています。」とか熱量ヤバい。
中国でも報道されています。
思えば尊しと言いますが
まあ、何というかなあ。僕くらいの歳になると(50代)もう小中高校とかほぼほぼ思い出せないんですよね。個人差はあると思うけど。
でも、妻と会話したりすると、何かのキーワードとかが切っ掛けでパパパっと引き出されてくる。だから、記憶から完全に消去されたんじゃ無くて普段は押し入れの奥の奥というかアーカイブされている感じなんだよね。
子どもが現役で学生なので、そっちの話を聞くと「ああ、変わらないね」と思うこともあるけれど「ええ?!マジで?」も結構ある。
給食関係は明らかに昔よりバラエティがあって国際色もついている。カタカナな名前のちょっとした外食じゃないと食べないようなの平気で出している。ただ、何故か何にでもアサリを放り込んでいたりとかよく分からないこともある。買い付け量間違えたのかな?
逆に肝油ドロップとかいったら誰にも通じなくてこれもショック。妻ですら知らないという。ソフト麺は妻に通じたけど、子どもには異世界語だった。
まあ、インバウンドで日本の文化として売り込めるものは何があるだろうと考えたとき、普通は京都とか奈良とか世界遺産とかになっちゃう。
でも、よくよく考えると日本の常識は世界の非常識と言われるように、案外なんてことはない僕らの日常が外国人には貴重な非日常になることだって沢山あるのだなあと「君ノ高校」は気付かせてくれる。
オーバーツーリズムのことだってそうだ。確かに問題は問題なんだけど、本当に外国人が面白がるものや価値があるものは、今すごく人気があるところだけじゃない。
例えば、それこそ京都や奈良と言っても、周辺の滋賀県や富山県にだっていくらだって良いところはある。
そんなに遠くに行かなくたって、隣町くらいでも案外「こりゃ凄い!これが僕らの見たかった日本だ!」はきっと埋没していて何の価値も見出されず粗末に扱われて朽ちていったりしている。
これは逆だってそうだ。今、円安だから海外旅行に行かなくなっているけど、行ったところでガイドブックに載っているありきたりのところしか知らないし行かない。
地元の人だけが楽しむところや、現地出向しているような人が知っているところをガイドをして貰った方がきっと面白いし価値がある。
なんか勿体ないよね。本当は商売ってそういう価値を発掘して喜んでもらって、よろこんでもらったなりの対価で潤うようにした方が自然だし素敵だと思う。
みんなはどう思う?
ではまた
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