遺影を撮ってきた。

この前、遺影を撮ろうと思ってたはずなのに気付けば遺影を撮ってた。

思えば、痩せようと頑張ってみるも職場の人たちからは大量のお菓子を貰い、ウエディングフォトを撮るとこぼしたためにブライダルエステを体験させて頂いたり、友人からは「遺影が打ち掛け姿…」と微妙な反応をされた。
仕方ないね、私も同じこと思う。
地味にシャンプーとコンディショナーをいつもより300円高いものにしたり、洗顔化粧水乳液パックを頑張ったりもしたよ。
これは美しく!というよりも、ごっこ遊びが好きだからという理由が強い。結婚式前の花嫁ごっことか、美意識高いあのキャラの物真似、みたいなノリ。ついでにコンディションがよくなってたら嬉しいなーみたいな。
痩せたいのは本気だった。結果から言うと、少し痩せただけではカバーできないものがあると学んだ。

当日は
衣装合わせ→メイク→着付け→撮影→確認
で約三時間。当たり前だけど、メイクと着付けが一番時間かかった。
待ち時間にお店のアルバム見せて貰ってたんだけど、プロの写真ってやっぱり凄いね。構図が綺麗。物取りやシルエットだけ、足元のみ、などの写真を見たときは買い取って本の表紙に使わせてもらえないかなって思った。

担当のスタッフさんが色々話しかけてくれた(自分の顔の左右どちらが好きか、撮って欲しくない角度はあるか、髪飾りの左右はどちらが好みか、気になる体の箇所はあるか等)んだけど、まず自分の写真がないからソロウエディングで写真を撮ろうと言う人間なので、写真に関するあれこれはすべて「わかりません」になる。
昔ゲームのキャラソンで【ちょっと苦手な左30度。困った顔になってないかな?】って歌詞があったけど、そういう意味だったのか。
アイドルはちゃんと自分の魅せる箇所を把握してるんだな。

とにかくプロに丸投げし、髪もメイクも最低限のお願い(緩すぎず、かっちりし過ぎず、派手でなく)をしたら、ちゃんと綺麗にしてくれました。感動した。
自撮りします?と聞かれたけど、元からしないし、これからプロにとって貰うものだからあまりしなかった。みんなバシバシ撮るものだったのかな。

撮影スタジオは畳のところを選んだんだけど、洋装用の大きな窓があるスタジオを見たときは正直「バ○ナマンのワンマンのポスターだ!」って思ったよね。

撮影のカメラマンさんが言葉選びがとてもお上手で。ポージングの指示もだけど、とにかく笑いが耐えないようにしてくれる、人見知り優しいタイプの方だった。
来世も今と似たような世界に生まれるなら、ブライダルスタッフも素敵だなー特にカメラマンさんはやってみたいなーとぼんやり思った。私にはセンスないけど。

この時期は成人式の前撮りが多いようで、私の前後は両方ともそんな雰囲気だった。そんな人の横を打ち掛けで一人歩くのは勇気が必要だったよ。
もしこれからやる人は人目を気にしないメンタルを持つか、あまり人と接しない作りのスタジオにいくことをおすすめするよ!

最後に。私のスマホでスタッフさんが撮ってくれた写真を母に送ったところ、

「感動的で泣くかと思いましたが コスプレみたいで楽しいです」

と返信されたことをここに記します。
うん……だって、これは正真正銘のコスプレだから……

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