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所沢は思ったより近かった

角野隼斗全国ツアー2024〝KEYS〟@所沢市民センターミューズに娘と行ってきた。娘はU25チケットが使えた。
今年の全国ツアーは1月31日から始まり全部で23公演だそうで、そのハードスケジュールに驚くばかりだ。すでにSNSではツアーの様子が次々とポストされている。ツアーについていくツアーなどというハッシュタグがついている。いつものアンコール30秒動画もたくさんのファンがアップしていて、ピアノに囲まれている絵面に驚いたもんだ。

初めてのミューズ、1階はスロープになっていて見やすい

で、ツアーはまだ続くのでネタばらししない程度に覚え書き。SNSでも皆さん黙っててくれてる。プログラムは以下のとおり。

J.S.バッハ:イタリア協奏曲 BWV971
モーツァルト:ピアノソナタ 第11番 イ⻑調 K. 331「トルコ⾏進曲付き」
⾓野隼⽃:24の調によるトルコ⾏進曲変奏曲
⾓野隼⽃:⼤猫のワルツ
ガーシュウィン(⾓野隼⽃編曲):パリのアメリカ⼈
ラヴェル(⾓野隼⽃編曲):ボレロ

公式サイトから

ご本人、黒いベロアのジャケットに蝶ネクタイの出立ちで登場。最初の2曲はきっちりと、正統派ピアニストといった感じで。モーツァルトのトルコ行進曲って、本来こういう位置付けだったのかーと素人のおばさんは思った。
バッハが終わってからのMCでは、今回のツアーで鍵盤楽器の面白さを感じて欲しい、みたいなことを言っていたかな。

で、本来のトルコ行進曲のあとに角野さんアレンジの変奏曲が。ここからが本領発揮か。ああー、ピアノの脇に置いてある白い球体の謎が解けたよ。つか、変奏曲自体がもう何がなんだかわからない世界だった。驚愕しているうちにあっという間に前半終了。

休憩中にアップライトとチェレスタ、トイピアノ、鍵盤ハーモニカが運び込まれる。コの字形に配置されたそれらを見た娘が、秘密基地のようだと。いつものように按田さんが調律している。彼、実は人気者なんだろうと思う。

後半の1曲目は大猫のワルツ。これがチェレスタからのスタートだった。椅子に座ったままくるくると体の向きを変えての演奏。これは…配置されたピアノの上を猫が跳び回っているようだ。直後のMCでは、ピアノに囲まれると安心するというようなコメントで会場の笑いを誘う。

続いての「パリのアメリカ人」「ボレロ」は、あえて何も書かないでおく。驚愕しているうちに終わってしまった。今の何だ?という感じ。本当に今回のリサイタルはあっという間だった。

アンコールはご本人の自作曲「夜明けのノクターン」。これが、暗い部屋で何枚もの薄いカーテンを掻き分けていくようなイメージが浮かんできたので目を瞑って聴いていた。あー、なるほどこれはアップライトで弾くやつだー。没入感が半端ない。おかげでパイプオルガン脇のミューズ像がライトアップされていたことに気付かなんだ。
アンコール2曲めは、きらきら星変奏曲。今年は会場ごとに調性を変えて弾いているそうで、ここではイ長調(A)だった。いつものように撮影可。いつものように、皆撮影に夢中で最後の拍手が少ないのがさびしいとのコメントがまた会場の笑いを誘う。もう一曲弾いてくれるかな?と思ったけど、残念ながらそのまま終演となった。

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今年は会場で鍵の形のキーホルダーと楽譜の販売があった。開場と同時に長蛇の列ができていた。作品集(自分には弾けない)はすでに発売日に楽器店で購入済みだったので、キーホルダーだけを買う。1500円を500円玉3枚で買うのはお釣りに貢献するため笑。そこで娘がついでにアイガットリズムの楽譜を買ってくれたが、やっぱり自分には弾けそうにない。
キーホルダーはリボンがついているのだが、開けるまで色がわからない。私のはM100C100に近い濃い青紫だった。娘のはもっと淡い紫だった。SNSではネックレスに加工している方を見かけたので、ちょっと自分もやってみたいと思った。今年はもう一か所チケットを取ったので、そのときにつけていきたいな。また買おう。

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で、今回一番書きたいのが、客層だよ!
日曜日の夕方というスケジュールのせいか、老若男女バラエティに富んでいた。特に高齢者の割合がすごく高いと思った。じいさんもいっぱいいた。オペラシティや国際フォーラムなんかと全然違って、そんなとこまでわざわざ行かないザッツ地元民が来たという感じだった。母親に連れてこられた小学生なんて、モーツァルトあたりで飽きて床に座ってたし笑。
トイピアノをチョリンと弾いたときに笑いが起こったので、これは初見の人が多いのかと思った。なんか、かっこいい有名人が来るらしいよ、行ってみんべか?みたいなノリで来てるのかと(あくまでも個人の感想です)。それとも、チケット配分にホールの友の会的な枠が多かったのかな?

熱心なファンがあちこちの公演を追っかけて遠征するのはわかるし、自分もやりたい。だけど、角野さん自身が思い入れがあると言っていたこのホールでは、一見さんを引っ張り込んだような印象があった。今日初めて彼の演奏を聴いた人たちが、それぞれ身の回りの人たちに良かったよ、と言ってくれる。それこそ彼の言う、クラシックの裾野を広げることになるんじゃないか。
そこまでクラシックに詳しくない、にわかファンが増えたのならこのホールは場所的にも観客のレベル的にも自分に近いところだったと思う。

アップライトがライトアップ


ホールの近所は飲食店が少なかったので、国分寺まで出て夕飯。開演が早いと終わってからゆっくりできていいね。

夜のランチプレートだそうです

ツアーはまだまだ続くので、ご本人もスタッフの皆さんもどうぞ体に気をつけて。無事完走できるよう祈っています。

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