見出し画像

灼熱の実家で魔窟と対峙する

8月が暑すぎてお盆ですら実家に帰省しなかった。まだパートの仕事が忙しかったし。9月になっていくらか涼しくなればと思っていたけど、全然そんなことは無かった。渋々暑い中、カーチャンしばらく留守にするから自分たちでなんとかして、と男連中に言い置いて埼玉の実家へ帰る。
実家にはネット回線が引かれていないので(スマホすら使えない母だけなので必要無い)、ポケットWi-Fiをレンタルする。敷地内別居の弟宅から漏れてくる、かそけき電波を拾うのは面倒極まりないので。おかげで快適にネットに繋がるけど、一週間程度で4000円以上かかるのは(私の)コスパが悪すぎる。ケーブルテレビ引いてるんだからネットもつけてもらえ。

で、一週間ほど実家に滞在してやったこと。片づけの続き。

今回は今まで手をつけられなかった台所に挑戦だ。

まず冷蔵庫が魔窟だった。
パックに入ったままの変色した生肉が最上段に。以前買って行ったポテトサラダも手付かずで放置。賞味期限を何年も経過していた食材はとにかく捨てる。母も一人になって以前ほど料理もしていないようで、ちょっと使って放置、みたいな食材ばかりだ。一人じゃ食べきれないであろう木綿豆腐一丁、未開封のまま賞味期限から4か月経過していた。落語の「酢豆腐」じゃあるまいし。未開封の粒マスタード、賞味期限が2006年。棚板もこぼした液体でベタベタ。
冷凍庫も茹でた枝豆とか菜っ葉とか熟しすぎた柿など、おそらく去年の物がぎっちり入っていて目眩がした。孫のために買ってきたと思われるアイスも、この暑さで持ち帰る間に溶けてしまい再凍結したと思われる。せめてアイスの実じゃなくてパピコにしてほしい。
とにかく食品が死蔵されるのを防ぐために、空のフードコンテナを奥に突っ込んできた。

魔窟は他にもあった。シンク下の食器置き場。
以前も書いたけど、実家の戸棚は木工職人の親戚が作り付けをこしらえてくれたもの。居間だけじゃなくて台所もだった。例のごとく大容量だが深すぎて使いづらい。引き出し式ではない。シンク下なんて湿気でメラミンが剥がれちゃって悲惨なことになっていた。Gの痕跡があちこちにある。やつらを見ただけで悲鳴をあげる人はここんちには住めない。穴が開いているところは粘着テープをベタベタ貼って応急処置。排水パイプが通っている隙間も塞ぐ。
もう何年も使っていない古い食器を捨てようとすると母に拒否されるので、とりあえずGにたかられないようゴミ袋にまとめて、奥に突っ込む。タイミングを見計らっていずれ捨てる。

物を捨てない母なので、別の戸棚に空きパックが大量にとってあった。きれいめの弁当パックとか金山寺味噌のパックとか。だからー!もう使わないでしょって。私が高校生の時に使っていた弁当箱もまだ残っていた。
なんでこのショットグラス、JALって書いてあるんだ?

うがー!捨てる!みんな捨てる!

酒屋でもらった昭和のノベルティのグラスとか、もう使わないし。あとは湯呑みとか猪口がたくさん出てくる。昔、祖母の葬儀は自宅でやったから、そういうときに使ったんだろうな。そういうのって紙箱に入れてご丁寧に紐でくくってあって、開けてみないと何が入っているのかわからない。
戸棚は棚板を減らし、奥まで見えるようにした。

なんだこれ

平成の日付が書いてある大豆と、ささげ。自家製の切り干し大根に芋がら。こういう乾物もたくさん残っていた。
広口びんに入ったままの変色した梅酒(実入り)も捨てる。3つもあった。もったいないなあ。かろうじて飲めそうなやつはペットボトルに入れてもらってきた。
あ、賞味期限から2年が経過したレトルト食品(カレーとかスープとか)は、全然問題無かったです。おいしくいただきました。

紙類もたくさん。新聞を取っているのでチラシもたくさん。DM含め郵便物もたくさん。毎月、誰が置いていくのか不明な宗教の小冊子も。旅行会社のカタログ。剥がしたカレンダー。菓子の空き箱。はああああ。

そしてここへ来て元凶がわかってきた。
あれだ、粗品。農協や郵便局でもらうやつ。箸とかタオルとかお盆とかラップとかホイルとかふきんとかの日用品、年季の入ったそんなのがいっぱい。栓抜きだって一本あればいいのにいくつもある。つか、今どき栓抜き使わないだろ。
粗品じゃなくても頂き物がいっぱい。

溜め込んだ古い領収証を捨てていたら、また聖徳太子伊藤博文岩倉具視がしまってあった。母に聞いたら「記念にとっておこうかと思って」。いやいやいやいやとっておいてもどうにもならんって。
住民税の納付のついでに農協で聞いてみたら、可愛らしいテラーさんが両替でも預け入れでもOKだというので現行紙幣に両替してもらった。臨時収入ゲット。それで食材とか洗剤とか、米を買った。チューリップマークのドラッグストアに新米があったわ。

今まで2、3日滞在しただけでは処理しきれなかったものが、やっといくらか片付いた。まだまだやり残しはあるんだけど。床下収納という魔窟もある。やっぱりゴミは自分で集積所まで出しに行って見届けないとだめね。今後、母がちゃんと分別できるのか心配なところだ。

◆◆◆

話を聞いていたら、今年の梅をまだ干していないと言う。えっ。もう9月だよ。
なんでも今年は庭に干す場所がなくて、まだなんだって。弟に言ったら干物用の吊り下げネットを貸してくれたので、ちょっと干してみた。ネットの隙間から手を突っ込むので並べにくいし重いし、実用的では無かった。今年、実の収穫が遅かったのか漬かりすぎなのか梅の皮が破れちゃう。こりゃ、だめだ。とりあえず三分の一ほどは干し上がった。あとは弟に任せる。
梅干しも庭先で売ったりしてたけど、今は個人の加工品は販売できなくなった。

畑にある梅の木から実を収穫して塩と紫蘇だけで一斗樽に漬ける

とまあ、そんなこんなを連日最高気温35度の一週間でこなしてきた。うちの中では汗が噴き出るからタオルを首に巻いて。室内温度30度超えでも母は自分からはエアコンをつけない。夜も窓を開けてエアコンの無い2階で寝てるっていうし。今年、部屋のエアコンをつけていなかったお年寄り、結構亡くなったよ。
やっぱり今後対応を考えないといけないことが、いろいろある。

救いなのは少しの畑仕事があり、採れた少しばかりの野菜を庭先に並べて近所の人に売ったりして、交流があること。近所の公園でのグラウンドゴルフに参加していること。隣に弟一家がいるので最悪の事態は免れそうなこと。
また様子を見にいくよ。

帰宅して難儀しているのが、台所の流しの水栓レバーが実家と自宅で違うところ。実家は押し下げると水が出る(古いタイプ)。自宅は押し上げると水が出る。
ああ、あっちで慣れたと思ったらまた混乱。
自宅の片づけもしなくちゃ。

いいなと思ったら応援しよう!