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ママのおべんとう

 娘の通う幼稚園は、半日保育の水曜以外は毎日お弁当を持参する。カリカリ梅を載せたごはんに卵焼き(もしくは茹でたまご)は必ず。娘の好物は「お肉巻き」で、中身はキャベツだったり、レタスだったり、ナスだったり、いろいろなのだけど、とにかく何かをお肉で巻いて蒸し煮にしたもの。それから、ブロッコリー。これはおやつに出しても大喜び。どちらかというと野菜は嫌がるのに、なぜかブロッコリーは味付けなしでパクパク食べる。

 幼稚園からの帰り道、「ママのおべんとう、おいしかったぁ!」と必ず言ってくれる。そして、家に帰り着くと、得意げな顔で空っぽのお弁当箱を見せる。「ママの」おべんとうか、わざわざ「ママ」ってつけるのがうまいな、って思う。ママってついていようがいまいが、私がつくったお弁当に間違いはないのだけれど、強調してくれるその感じ。そんなに深い意味を持って言ってないだろうけど。

 今日は息子もお弁当を持って行った。遠足弁当。学校からは食べやすいものを、との連絡あり。雑穀ごはんを軽く握って詰め、豚もも肉を唐揚げにして、あとは卵焼きとブロッコリー。さつまいもスティックと型抜きにんじん。お弁当箱のサイズが変わると詰めるのが大変。なにしろ詰め方にセンスがない。もう少し上手に詰めたらもっと美味しそうに見えるんだろうなと思いながら進歩がない私。

 お弁当づくりはこれでも四年目。まだ作ってもらった回数のほうが多いだろうな。幼稚園の週2回のお弁当、遠足、高校生のお弁当、社会人になってたまに実家から出勤したときに持たせてもらったお弁当。「ママのおべんとう大好き!」なんて一回も言ったことがない。そもそもママと呼んだこともない、関係ないけど。お弁当を開くとき、なんだかホッとするのは、外にいながら母や家を感じられるからだろうか。「ママのおべんとう」にがっかりされる日が来ないように、精進したいもの・・・

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