Tableau を使ってデータアートを作ってみる2
はじめに
以前、オープンデータ祭りの「インフォグラフィックスコース」テーマ出品作品の制作過程を記事にしました。同イベントの2023年夏バージョンである「#データで彩る生活」にも作品を出品&展示されましたので、今回の出品作品について書いてみます。
こちらは前回の記事です
コンセプト決め
今回はテーマが決まっていて「大切な物」。改めて「大切な物」を考えてみると「健康」と「時間」(どちらも徐々になくなっていっているもの)
どちらにしようか考えていたのですが、以前Tableauのnow()関数で時間を取得できるので、変数にすることで半永久的に変化していく変数にできると思い何かに利用しようと考えていた。昨年から世界的にキナ臭い社会情勢を踏まえて流れる時間→栄枯盛衰を表現したいと思い、今回はテーマを「時間」に決定。
イメージ作り
どんな作品を作るか考え始めましたが、アートフェア東京2023で見つけた、若い女性作家の「知麻」さんの作品をインスピレーションに取り入れてみようかと。この作家さんは書道を元に墨で文字とか記号を書き重ねていった作品を作られていて文字を多彩使う手法を取り入れてみようかと
もう一つ参考にしたのが「ダムタイプ|2022: remap」日本人の芸術家ユニットが第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館に出展した作品(インスタレーション)をアーティゾン美術館で再現。これを観にいったときに痺れまくって、こんな作品作ってみたい!と思っていたので、こちらも着想に取り入れました。
マップ表現でやりたいと漠然と考えていたけど、どうするかと思っていたら、以前作成した「Tableauで作ってみる正距方位図法(中心からの距離と方位が正しく記され、地球全体が真円で表される投影法)」これをリメイクして世界の首都名称をマッピングしてみよう。現地時間に合わせてフォントサイズが徐々に変わっていくと面白いかも。これで大体の方向性が決定
データ集め
「Tableauで作ってみる正距方位図法」のデータがあったのでそれをベースにしつつ、「世界の首都の標準時間」が欲しかったのだけど具合のいいものが見つからない。かといって200以上調べるのも手間だったので利用したのがChatGPT。都市名のリストを渡して「サマータイムを考慮しない標準時一覧を作成してください」と指示したのだけど、ところどころ間違っている。。。ポーランドはUTC+1なのにUTC+2になっていたり、「サマータイムを考慮しない」と言ったのにところどころサマータイムになっていたり。大体作ってくれたので細かいところは手で修正しながらデータも完成
Visualization作成
作成イメージは固まっていたので、計算がおかしいとかはありましたが、基本的にサクサク進められたのですが、色をどうするかを最後に悩みました。プラン1:砂色ベースに墨色の文字でクラシカルテイスト
プラン2:黒ベースに蛍光グリーンでサイバーパンクテイスト
両方作ってみて、プラン2にする予定。だったのですが、今回展示するカフェのイメージを見て「サイバーパンクよりクラシカルの方が会場にマッチするのでは」と思いプラン1の採用が決定。
まとめ
楽しく制作作業をさせてもらい、企画運営の皆様に感謝です。
作品を完成させた後で気が付いたのですが、フォントで「Old English Text MT」を利用したのですが、私が使っているパソコンでは正しく表示されるけど、他のパソコンだと思っていたスタイルで表示されない。とかイメージをエクスポートすると崩れてしまう等の問題を発見。
Tableau Publicでフォントに拘ると、落とし穴に嵌ると再認識。日本語は潰れることがあるので画像を使うこともありましたが、欧文でも特殊なフォントは再現されない場合があるみたいでした。