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ヴァーチャルギャラリーを作ってみた

はじめに

2022年後半から気になっていたメタバース。他の新技術と同様、時代の流れで持ち上げられ失望され、春と冬の時代を繰り返しながらも徐々に進化している(?)とはいえ、何に使える?ゲームしかないのでは?バーチャル展示会に参加してみたけどいまいちだった。掴みどころがはっきりせず、期待感を持ちにくいため活況と言えない印象があるのも事実

とはいえ、見方を変えると手を出す人がまだ少ない領域なので今から始めれば、将来的に経験が付加価値になるかも。

メタバース始めの一歩

ということで情報を集めてみましたが、プラットフォームが複数ありどこかに参加することが必要。プラットフォームで何かを始めるなら土地を買うか借りるかしてそこにバーチャルなスペースを作って。。手続きが多く少々ハードルが高い。まとまった資金も必要らしく、ノウハウが何もなく始めるのは危険な香りしかしない。
マネタイズをとりあえずおいておいて、簡単に始められるサービスがないかと探していた時にFacebookの友達が、学校の課題でメタバース年賀状を作成したと聞きリンク先を調べるとhubs.mozillaがキーワード。

さらに調べるとNTTがhubs.mozillaを日本語化させた無料のプラットフォームを公開しているらしい。無料テンプレートもあるけど頑張ればオリジナルのメタバース空間もできそう。ここまで分かったので話が急展開。

基本はHubsと同じ使い勝手。編集はSpoke(ブラウザ上で3Dモデリングができるサービス)を使って作成していくらしい。まだ日本語の情報は少ないですが動画を探せば基本的なテクニックは学べる。


メタバース空間を作ってみた

Spokeはブラウザ上で開発するため動きが重いとか、フリーズすると困ると思いましたが、ほぼ問題なし。軽快にサクサクとモデリングができます。モデリングと言っても用意された壁とか床のパーツを組み合わせてテクスチャとかサイズ、位置を設定していくので積み木のようなイメージです
間取り作成ツールのSweet Home 3Dを以前、利用したことがあったので3D空間を作るのは比較的すんなりと始められましたが、パーツを室内移動させたり視点位置の変更がSpoke独特だったため少々慣れが必要でした
平面のディスプレイ越しに立体構造を作成するため一方向からは組み合わさって見えても、視点を変えると位置がずれる現象が多々発生。平面の作成しかしたことが無い人は感覚を掴むまでイライラするかもしれません

実際の編集画面はこんな感じで、空間に床とか壁とか家具とかのパーツを配置します。赤・青。緑の矢印を使って移動させ大きさを設定してひたすら組み立てていく地道な作業です

何もない空間から作るため何でもできますがですが、完成イメージが事前にないと何をすればいいのか迷ってしまうと思います。基本操作を練習→Spokeから一度離れてイメージを固める→実装してみる流れがよいでしょう。
Doorではテンプレートがいくつか公開されていてカスタマイズも可能です。個性を出したい強い要望が無ければ、まずはテンプレートのカスタマイズから始めるのが確実かもしれません。

テンプレート

少々苦労はありましたが、ヴァーチャルギャラリー第1期工事が終わって完成。屋外のテラス部分はまだ手がついていないところがあるし、温室部分も少々雑な作りなのでここは追加工事をしていきたいです。

作成過程で意識したのはユーザ導線をどのように設計するか。
入ってきた人が迷わず、全体を一周動けるにはどうすればいいのか?

他の方が作成したメタバース(VR)をいくつか見たのですが、行き止まりとか、回遊できない構造で逆走する導線も多数。利用者がストレスを感じずに回るためにはどうすればよいか?考え出すと想像以上の難題でした。

最後に

実際に作業をするとメタバースにおける今後の課題感が見えてきました。情報収集のため参加したウェビナーでも似たような課題感を共通して感じている印象です。
大きくは下記の内容になるかと

  1. ハード、通信の制約があり高い解像度のデータを処理できない
    精巧に作られた3Dモデルもあるので、それらを使えば解像度は高くなるけど、その分データ量が増えるためにモバイルでは使えないといった問題が発生する

  2. 専用機器の普及が低い
    VR用のゴーグルはMeta Quest 2 、PICO 4などが発売されてはいるけどゲーム以外の使い道がほぼなく、それほど普及していない感じ。今後技術進歩、大量生産で風向きがどう変わるかは期待大

  3. 優秀なコンテンツ/クリエイターがまだ少ない
    これが一番の課題かもしれません。何に使うのかが決まっていないので軽量かつ解像度が低いコンテンツを創るか、精巧なコンテンツを目指すのか。ゲームだけだと他でそこそこヒットするモノの焼き直しでオリジナル性が低い内容になってしまいそうだし

  4. ビジネスでの成功事例がほぼない
    展示会の開催、ショールームといったものはあるけど、誰も使っていない。有名企業の作成したショールームもあるけど箱モノだけ作ってそのまま放置されている感が。

  5. 操作に慣れが必要で、新しいことを覚えたくない人には無理
    WEBブラウザで10歳以下、20代~50代の幅広い世代の方に触ってもらいました。一概には言えないけど低年齢層ほど習熟スピードが早い!若い世代に早い段階から慣れてもらって、10年後の世界で活用されるのを期待するべきか?

メタバースを取り入れて1年以内にたくさんのユーザを取り込んでビジネス成功させる!を目指すのはまだまだ問題だらけ。ですが今できることを利用して今後の成長に期待をするなら、まさに今が始め時。
やりたいことのアイディアは沢山あるので今後実現させていきます。

最後までお読みいただきありがとうございます


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