分かる人には怖くない話

そういった場所には軽い気持ちで行くべきではないと、後悔した思い出話を一つ


高校で少し遠い学校へ行き、大学で都市部へ出た俺は、あまり連絡を取ってなかった中学の同級生から連絡をもらい、久しぶりに集まることになった。


夜だったから、みんなテンションも上がってたと思うし自分もなんだかんだ、行くまでは興奮していた。それでそういう場所にも行ってみようという気にもなったんだと思う。


場所は意外とありきたりな感じで、皆はただ久しぶりに集まって思い出を喋ってるだけ。みたいな状況になっていたんだけど、その場所の空気というか、自分だけなぜか息が苦しくなり喋ることも出来なくなった。

「これはおかしい」と内心焦っている自分に対して、異変に気付いたのか、初めのうちには同級生でもリーダーみたいなヤツが話しかけてくれるが、


「あぁ」とか「んー」とかしか返せないから、気味悪がられたのか結局離れていった。


そこから先は全然記憶にない、ただひたすら運ばれてくる料理を食べていたと思う。


その場には中学の同級生のほぼ全員が揃ってたけど、俺だけがこんな状態になっているのが、ただただ恐怖で一刻も早く帰りたかった。


そんな1月の第2土曜日、俺はその時二十歳だった。


あの日のことは自分にとって嫌な記憶過ぎて、今でははっきりと思い出せない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?