個人情報を取り締まる社会とさらけ出す個人
個人情報の漏洩リスクに敏感になっていく社会
公正取引委員会は、GoogleやAmazonなどの巨大IT企業が不当に個人情報を集めた場合、独占禁止法を適用する方針を固めた。
彼らのようなプラットフォーマーは、集めた個人情報を活かすべく、広告や新規事業を興そうとしている。
一方で、消費者の同意なく膨大な個人情報を集めているなどとして各国で批判が高まってきているのが現実だ。ようやく日本も、個人情報の取り扱いに関する取り締まりを強化しようする流れが起きている。
僕の周りにも、こういった個人情報が漏洩するリスクから、こういった先進的な取り組みをするサービスの利用を拒む人がいたりする。
個人情報をさらけ出す人
そんな中、多くの人が一生懸命隠そうとする個人情報を積極的にさらけ出している人がいる。
それがPizza Loveというラッパーだ。
彼が今年の2月にリリースしたアイマユウタを見てほしい。
もうサムネイルの時点で個人情報を漏洩させている。
このサムネを見たらクリックせずにはいられなかった。
これは「誰かに漏洩されてしまった」、というような受け身の情報漏洩ではない。
これは「自ら漏洩させた」、という攻めの漏洩だ。
実際に楽曲を聞いて見ると、彼はリリックの中で携帯番号の他にも本名、車のナンバーを漏洩させている。
(個人情報は関係ないが、途中サザエさんのリリックを何の脈略もなしに急に歌いだすあたり、彼独特のセンスが光る。)
またGalfy(オールドスクールな不良のファッションブランド)を着こなし、都会を颯爽と駆け抜ける姿には一気に引き付けられた。
別に悪いことはしていない
でもよくよく考えてみると、漏洩させているのは自分の個人情報な訳であり、やっちゃいけないことではない。
誰かに迷惑をかけているというなら話は別だけど(親御さんの気持ちは若干複雑かもしれないが)犯罪は犯していないのだからいいだろう。
なんというか、自分の固定概念を破壊されたような気持ちになった。
そもそも釣りで再生数を稼ぐような人に見えるかもしれないけれど、彼はサムネイルの時点で携帯番号をさらけ出すという痛みを伴っている。
バカッターとは全く別
連日、若いバイトの人間がバカッターを投稿し、企業に多大な迷惑をかけるニュースが報道されている。
彼らはへんな仮面をかぶって個人を特定されないようにした上で、企業のネームバリューを利用し、安易にバズらせようとする
彼はそんなバカッターを投稿する人たちとは全く別だ。
彼は誰も傷つけることなく、自らの個人情報をさらけ出すことのみで誰かを「プッ」と笑わせてくれる。
もしも、今仕事やプライベートで嫌なことがあって落ち込んでいる人がいたとして、彼の作品をみて「プッ」と笑わせることができたなら、それは価値だ。
(2019/3/8 8:30時点で既に200,262 回再生、6141の高評価、170の低評価。数字にも結果が表れている。公開してから1か月も経たずにこの数字は素直にすごい)
動画コメントからも彼の人間性が垣間見れる。
とんでもなく破天荒な荒々しい性格なのかと思ったら、
実際に電話してみたらほんとに出た
そして電話番号晒して大丈夫ですか?って質問したら「実際怖い」っていってた
かわいい
彼の素直で偽りのない正直な人間性が透けて見えてくるようだ。
頼もしい若者たち
変わりゆく時代、上述の通り個人情報の取り扱いに大人たちがピリピリしている中、彼のように若者特有のセンスとクリエイティブで、恐れることなく自由にチャレンジして時代を乗りこなしていく若い人たちは見ていて頼もしいと思う。そして自戒させられる。僕ももっと新しいものを生み出すために挑戦しないといけないと。
いい歳して若い人たちに刺激を受け、勉強させられる、というのは少し恥ずかしいことかもしれないけれど、自らの至らなさを認め、学べることは学んでいきたいと改めて思ったり。
今日も仕事を頑張ろう。
※少し話はそれるがこんなコメントを発見した。
金返さなさすぎて怖い人にやらされてる気もしてきた
そうじゃないことを心から願う。
あとこのコメントは本当に逸脱だ。センスあるクリエイターにはセンスある視聴者が集まるのかもしれない。。