色彩検定UC級 #4-2
色相環で表した混同しやすい色
色覚異常の色相環では、似て見える色同士の距離を近づけて表しているため、縦に圧縮された楕円となる。
左右にある色の区別がつきにくくなるほど、色同士の距離が縮まるため、縦長の度合いが強まる。
色覚異常により区別しにくくなる色の組み合わせは、大まかにいえば、黄を上にした色相環で左右同じ高さに並ぶ、明度が同程度の色と言える。
他に区別しにくい色の組み合わせの例は”紫”と”青”などがあり、明るい色では、”紫みのピンク”と”水色”など、そして暗い色では”焦げ茶”と”深緑”などがある。
色度図上に示した混同しやすい色の軌跡(混同色線)
区別しにくい色の組み合わせは色度図を使うと、分かりやすく正確に表すことができる。
色度図とは、色相と彩度に相当する色度を座標とし、それによって色を正確に表示できる地図のようなもの。
中央のやや左下に無彩色の座標点があり、アイロンの底のような形の外周が色相環の役割を果たす。
色度図では、色覚のタイプ別に、区別しにくい色(混同色)を線で結んで示すことができ、この線を混同色線という。
図8は1型色覚、図9は2型色覚の混同色線をグレイの線で表している。
物体と光における色の区別しやすさの違い
ランプになると、色の見え方は変わる。
1型・3型色覚では、LEDランプの赤~黄~緑の範囲の色はほとんど同じ色に見える。
電気製品のオンオフの表示や充電状態の表示には、赤と緑や赤と黄のLEDが良く使われるが、色覚のタイプによってはこれらの色が区別できず、機器の状態を捉えることは出来ない。
3色のLEDを使うのであれば、赤・白・青の組み合わせが最も区別しやすくなる。
ただし、長波長の光への感度が低い1型色覚でも見えるように、赤はオレンジに近い色にすべき。
振り返り
いよいよ、色覚異常の知識を本格的に学ぶページに入った。
・色覚異常の色相環は、縦に圧縮された楕円のようになる。
・色相環の左右に表示されている色の区別がつきにくくなる。(明度は同程度)
・色度図-区別しにくい色の組み合わせのこと。色相と彩度に相当する色度を座標とし、それによって色を正確に表示できる地図のようなもの。
・混同色線-色度図では、色覚のタイプ別に、区別しにくい色(混同色)を線で結んで示すことができる。この線のこと。
・物体と光によって、色の見え方は変わってくる。
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