おすすめされた文庫本を読むようにワヒロを始めた


お世話になっているフォロワーさんが勧めてくださったのでワールドエンド・ヒーローズを始めました。梅雨の合間にその本の一頁一頁をめくろうと思ったのは、そのフォロワーさんに恩返しをしたいのと、まぁ昨今の世相に関する憤りも少しあります。
まずメイン1〜3章まで。4章読んで号泣してるので4章以降はお待ち下さい。すべてあくまで個人の感想です。


1〜2章
・子供を戦わせる『大人』になってしまった
1章はこれに付きました。わたしはセカイ系でなくとも子供が戦う話で「大人は何をしてんの」と思うタイプの人間です。
子供は本来、大人が責任を持って守るべきものなのに、彼らを前線に向かわせるならその責任や適切な判断、それができないならせめて祈っていてほしい、と思っていました。
1〜2章で彼らに関わる大人はヒメさんと神ヶ原さん、そして指揮官である私です。
少年達を前線で戦わせてる大人になってしまった…。当事者だから今まで架空の人間に向けていた無責任である、という視線が私に跳ね返ってきた。
しかも、ストーリー内の選択肢がわりとシビアであり、私これからどうなっちゃうのー的な展開より、判断の連続でこの少年達の生死を預かっているんだな感がすごい。そのとき、わたしは今まで架空の人物に求めていた責任や適切な判断、祈りをしなくてはなりません。つらい。無能な大人でごめん。
しかも彼らは一度政治関係のゴタゴタで大人に裏切られているため(最悪だな…)仕事で自分の信頼を回復するしかないと言うのも…指揮官として働きを示すしかない。


戦隊ヒーローに憧れを抱くのに『仮面ライダー』の改造手術を受ける
ここほんとに何かの伏線かなと思うのですが、戦隊ヒーローというのは何か不思議な力に導かれて?選ばれて?変身するのですが、仮面ライダーは悪の組織に改造されて望まず力を得て、それを正義のために使います。ですが力を得るがその力の根源に苦しむ、というのもシリーズで頻出の重要な表現です。
力を得るための手術の是非ではなく、力の根源を問う展開になるのではないか…と不安を覚えましたが、これは物語に没頭したときにおこるストーリーの緊迫に対する心地よい不安です。だんだん引き込まれてきた。

物語を有しているか
これすごく個人的に鳩尾に来たのですが、トリックスターでもストーリーテラーでもある浅桐さんの発言は、その子に物語力があるかって問われてる感じがして。(個人的に浅桐さんは自分自身の個人の物語をどう思ってるか気になる)
慎くんは何もないから僕にはかっこ悪いこともなんでも出来る、というのが物語力がないけれどもだからこそいろんな子の物語に触れられるって構図が、丁寧に作られてるなーと思いました。
ここで少しでも物語がないことを卑下したら、そこで多分相手の子の物語の扉が閉じてしまうんですよね多分。
何かを失ったかわからない子と、多くのものを失ったから強い子と、何もないから何でも出来る子、の三人の三者三様を、2章で見てウッとなりました。

・北村倫理について
嫌いになる要素が一つもない。2章ずっとアア…ウウ…って言いながら読んでました。瓦礫の山の王が弱い者の軍のトップになる。好きになるしかない。好き。
vs北村倫理くんについて、上の項で肝は話しましたが、失って(まだ2章では内容はわからないけど)すべてに呪詛を吐いているけれども、まだ戦うことをやめない・物語を手放さないことに希望は捨ててないことがかすかに見える。
失ったことで物語を持つ、のはめっちゃ酷……辛いが彼は本当に魅力的で魅力を感じるたびに打ちひしがれてしまう。
あと戦力を分断させたりおびき出して各個撃破するのが戦術のセンスありすぎて異能力バトル大好きなので血が沸いた。
何もないがらくたの瓦礫にいた倫理くんが手を引かれてこれからどうなるんだろう
彼の軽妙な喋り口がとても好きです。


ここで3章読了

佐海良輔しんどいな……
2章読んだまでで優しい人が何かに囚われ続けるという状況がしんどいなと思っていた佐海くんですが、目に映ったすべてに手を差し伸べて、運命でそれが潰えたとしてもしっかりダメージを貰ってしまうことがわかりとてもしんどい
元々傷ついていた倫理くんを当たり前のように背負うことから、何もかもをそうして背負ってきたのだと思います
守りたいもの、しなきゃいけないこと、過去
みんなそうなんだけど一度リュック下ろしてちゃんといま背負うべきものなのか確認しよう。確認してもみんな詰め込めるだけ詰めるんだけど。リュックパンパンじゃないですか。

・彼らのせいでは決してないのに矢面に立つ少年達
だんだんと物事の裏側が明らかになる三章ですが、家も政治も地球のことも何一つ若い彼らのせいではないのに、重く足に絡んでくる……あと本来大人がすべき後輩への導き、体を張って守る、などを上級生が行っていて、それ自体とても尊く美しいのです、が、頼られたり守ったりする彼らも子供であるというのがまた重くのしかかってきて、紫暮さんのあたり泣きそうになってしまった。


すみません4章読んでボロボロ泣いてるので一旦今日はこれで終わりです……
なに……これ…つらい……ひさ、もり、くん……久森くんが幸せなイベストどれですか…?