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ベトナムで大型バイクの運転免許証を取る

有効期限無しのA2ライセンスが取れると聞いて挑戦してみた。
バイクの免許はA1, A2, A3の3カテゴリーに分かれている。
A1は175cc以下(2025年から125cc以下に変わるらしい)、A2は以上、A3は3輪バイク用だが外国人は取れないらしい。

準備編

受験補助サービスへの申し込み

自力でも受験はできるがかなりハードルが高いので、今回は友達に紹介してもらったサービスを利用した。
HCM市にあるバイク屋(バイクレンタル、ツアーなど外国人向けにいろいろやっている店)に連絡したら、学科試験対応のオンライン・オフラインクラス、実地試験用の練習、健康診断、テスト当日のアテンド、不合格だった場合の再受験までフルサービスで14milドンだという。
すぐに料金を振り込んで、最初のオンラインレッスンの予約をした。
私の場合バイク屋は飛行機の距離にあるので、レッスンはオンラインでしかできない。

レッスン内容

レッスンはベトナム語のテキストとその英語翻訳版を使うのだが、遠隔地のためすぐにテキストが貰えない。とりあえず必要ないというので、テキスト無しで始めた。
一回1時間半〜2時間のレッスンを結局合計で18回行った。毎回独自のメソッドを2-5個、計23覚えていく。その復習のため、受験対策用のwebサイトを使って練習問題を解いていく。
実際のテストは450問ある問題の内、ランダムに25問が出題される。答えが2〜4択あり、それを選んで回答する。
23問以上の正解で合格だが、50問ある重要問題は1つも間違えられない。

メソッドは例えば答えに
Bi Nghien Cam
があったら、必ずそれを選ぶ。

Be tong, Xi tecのいずれかが答えの末尾にあったらそれ。

答えの文中に(1単語)があったら選ばない。(2単語以上)が一つだけの答えにあったら、それが正解。ただし
Xi tecがある答えがあればそちらが優先。

のように進む。とりあえずBi Nghien CamやBe ton, Xi tecの意味はわからなくてもいいのだ。
ただ日本人には「Bi Nghien Cam」は「厳禁」と意味を知ったほうが覚えやすい単語もあるので、google翻訳で調べて覚えやすい方法を自力で探した。

webサイトのURLを教えてもらって自分でも練習していくうちに、いつも間違える問題がある程度見えてくる。そうしたら、それは理屈抜きで覚えるか、メソッド以外の覚え方を探す。そうやって最初の10レッスンが終わった。

健康診断と実地練習

ここで健康診断とバイクの実地練習のため実際にバイク屋に出向くことになった。

健康診断は視力や色盲検査、問診での聴力検査などで、指定された病院に行き、バイク屋のスタッフに連れ回されて無事終了した。

バイクの練習は、バイク屋から1kmくらいの川沿いにある8の字が描かれた場所でsuzukiの250ccバイクで8の字の線をはみ出さずに回る練習だ。

これが結構難しい。
アクセルやクラッチワークではなく、クラッチは半クラッチのまま、アクセルはエンジンが止まらない程度で固定して、リアブレーキでスピード調整をしながら回れ、と言われる。
しかし日頃のクセでついクラッチに頼ってしまう。
ニーグリップや目線の位置などを独自に定めて何度も練習しているうちにだんだんコツが掴めてきた。

更にオンラインレッスン

一度自宅にもどり、もらってきたテキストを元に今度は交通標識系のレッスンに臨んだ。
こちらはある程度実際に即して進入禁止や追い越し、優先道路表示などを覚えていく。
それ守ったら危険じゃないの?といった日本と違う謎のルールもあり戸惑うが、とにかく覚える。
中にはやはりキーワードで答えを見つけるものもあり、それらを含めて450問の解説を終え、さらに数回オンラインで繋いだままwebサイトの問題を解いて間違った部分をその場で解説してもらうレッスンを終えた。

テスト編

実地練習その2

テスト当日の2日前にHCM市に行き、バイク屋近くのホテルで一泊。
翌日は朝からバイク実地の練習だ。
慣れてきて体が覚え始めたのか、前回よりは楽に走行できるがまだ100%ではない。
8の字コースに連れて行ってくれた兄ちゃんが、実際のコースは幅がもう少し広いから大丈夫だ、という。
外国人3人で交代で練習するが、暑いので集中が続かない。
適当に切り上げてホテルに戻り、チェックアウトして昼食。その後カフェでゆっくりして暑さが収まる3時過ぎからもう一度練習した。

試験当日

翌日は7時集合なので、テスト会場近くのホテルに移動。朝5時に起きて朝食後歩いてテスト会場に向かった。
集まってきた受験者7-8人とバイク屋のスタッフ2人と合流して、まずは8の字コースに移動し、書類に必要事項を記入する。

その後Honda Label 250ccのテスト車で実際のコースで練習できるのだ。バイクは5台あり、結構ボロくてウインカーがもげていたりするが受験に必要な機能は揃っている。実際にはどの車両にあたるかわからないが、どれも大差なさそうだ。

アイドリングはかなり高くなっているのでアクセルはそのままで、半クラッチだけで進めそうだ。クラッチはすぐに切れるように調整されている。このへんは練習で使ったsuzukiも同じようになっていた。
順番が来て3回連続でコースを周る。8の字のあとに幅が狭い通路の直進とジグザグ、ガタガタの直進があるがこれらはまったく問題なくこなせる。

練習後、建物の2階に行き、PCモニターが並ぶ部屋で学科の練習をする。実際のテストと同じ画面でランダムに出題される25問を2-3回解いて、いよいよ本テストだ。
この練習テストで常に5-6問間違えた奴が一人脱落。諦めて帰ったそうだ。試験は月に1度なので、かれは来月また挑戦するのだろう。
ちなみに学科合格なら結果は持ち越されるので、実地不合格の場合は次回は実地だけ受験すればいいらしい。

待合室でロッカーに荷物を入れて名前が呼ばれるのを待つ。
名前が呼ばれたら係員にパスポートを渡す。係員は書類とパスポートを照合して裏へ持っていく。
呼ばれた順に受験者も裏に行き、もう一度名前が呼ばれたら書類とパスポートを受け取ってPCが並ぶ部屋に入る。
空いている席に座って、書類に書かれている受験番号を打ち込みスタートボタンをクリックして試験開始だ。19分の制限時間が画面の隅でカウントダウンされていく。練習でも同じようなカウントダウンがあったが、だいたい5-6分で終わるので時間は気にならない。

練習よりゆっくりと回答して、念の為に再度見直していく。終わったら合図すると係員が来てボタンクリック。その場で結果が出る。1問間違っていたが重要問題ではなかったので合格だ。
係員のところに行って書類にサインして、学科試験は終了だ。
荷物を回収後、先程の8の字コースに戻る。

みんなが集まったところで、順番にバイクの番号が指定され、そのバイクで8の字から始まるコースに出る。
1番のバイクが割り当てられた。エンジンからオイルが漏れていて、それが燃えて軽く白煙が上がっている車両だが、だれも気にしないようだ。オイルですべらないように注意しなければ、と思う。
試験官がチェックしている姿も見えず、もう一度練習かな?と軽い気持ちでバイクに乗る。

コースを回って戻ってきたら、バイク屋スタッフが「No mistake」と声を掛けてくれたので本テストと判明した。

どうやら合格したようだ。

一緒に受験したイギリス人のおっちゃんは、学科は全問正解だったが、実地はだめだったと落ち込んでいる。
ところがバイク屋スタッフは「係員に合格だと言われた」と言う。信じないおっちゃんを連れてスタッフが確認に行ったら、本当に合格だったようだ。
脱輪したし足ついたし....と、それでもおっちゃんは信じられない様子だ。実地試験、結構甘いのかもしれない。

一緒に受験したフランス人は、この免許を本国でフランスのバイク免許に書き換えるという。日本でもできるのだろうか?

書類にサインして全工程が終了。みんなで記念撮影後、バイク屋スタッフからそれぞれ簡単なインタビューを受ける。webサイトに使うそうだ。

流れ解散となって、徒歩でホテルに戻った。

免許証は数週後に発行されるとのことで、本当は取りに行くのだが、バイク屋スタッフに代行を頼んだ。
取得後郵送してもらうことになった。

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