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関西人が「よござんすか」と言いたくなる理由【ひとことお題18】

ほぼ毎日「ひとことお題」、本日は『町』
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”まち”なんだよな、と常日頃から思っていた。
”ちょう”じゃなくて。

「町」の読み方の話である。

関西に20年近く住んでいた私は関西弁が第一言語なのだが、西の方では地名の「町」を”まち”と読むことが多い。

例えば「本町」は”ほんまち”だし、「河原町」は”かわらまち”である。
だから「門前仲町」も、実のところ”もんぜんなかまち”と読みたくて仕方ない。人に”もんぜんなかちょう”と言うのも、それを聞くのも、平気な素振りをしているがなんだか座りが悪くてもぞもぞとする心持ちである。

ただ厄介なのが、東の方でも”まち”と読む地名があることだ。
例えば「大手町」や「御徒町」など、”おおてちょう”、”おかちちょう”なんて読んでしまうと口と耳がムズムズしてくる。

そういうのがあると西の人間としては、いちいちこの地名は”まち”ですか”ちょう”ですかと、「よござんすか、半か丁か!」みたいな口ぶりで気にしなくてはいけないことになって、待ち合わせで最寄り駅を言うときにこっそり相手の口や耳がムズムズしていないかを確かめる必要が出てきて困る。

ちらっと調べてみると江戸時代に武士と町人が住む場所をわけて呼んでいた名残であるらしいことが分かったが、それだって時代の流れで区画整理とか色々統一するチャンスはあったと思うのだ。

だけどたぶん当時から、この『耳で覚えてしまった言葉』というのは、なかなかどうして変えがたいものなんだろうなと思う。

それでいうと中国語など「言葉そのもの」というより「音」に依(よ)っている言語なんかは、なおさらそこのこだわりが強く出るのじゃないか。たとえば親の発音がそのまま子供に伝わって日常的に使われていたなら、それが間違っていたとしても、あとから矯正するのはさぞ難しかろう。

ということは、言語習得にはまず「正しい音」を最初にしっかり覚えることが大切なんだろうな・・・という思ってもみない着地で、

おわり


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