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アロンアルファはせっかちの味方だ【ひとことお題12】

ほぼ毎日「ひとことお題」、本日は『接着剤』
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接着剤が乾くまで、のんびり待ってられるような人になりたかった。

なにせ私は、”瞬間”と名打っているアロンアルファでさえしっかりくっつくまで持ってはいられない、せっかちな性分である。絶対ちょいちょい手を離しては、くっついてるかな?と様子を見てしまう。

自分でネイルをしたときもそう。完全に乾くのなんかまず待っていられなくて、とりあえず表面上乾いたらもう大丈夫と判断してキツめのジーンズを引っ張り上げ、何度ネイルにシワを寄せたことだろう。

この性分で待てなくて損をしたと言えば、思い出すエピソードがある。
学生の頃、先輩に告白したが返事をその場でもらえず、保留されたことがあったのだ。そのとき私は大いに戸惑った。付き合えるか付き合えないか、好きなのか好きじゃないのか。せっかちな私には、その結論がすぐ出ないということが理解できなかったのだった。

その場では戸惑いのままに「はい、待ちます!」と良い子の返事をした私だったが、もちろん待てなかった。次の日には先輩の部屋に押しかけ、猛攻勢に出た。間違いなく若気の至りである。そして結果、見事にフラれた。

後になってわかったのだが、その時先輩には私のほかに、もう一人付き合いたいと考えている人がいたのだった。だから返事は保留され、最終的に先輩はその人を選んだ。

今でも思う。あのとき先輩の返事をちゃんと待てていたら、結果は変わったのだろうかと。でもその頃の私ときたら今よりもっとせっかちで、白なのか黒なのかはっきりするまでほかの何も手につかないような人間だったから、それはたぶん無理な話だった。

それに、返事を保留された時点で勝率はかなり低かったようにも思う。自分のなかにも、実はダメ元で告白した部分はかなりあった。それが証拠に、先輩にフラれたときもそこまで落ち込まなかったのだ。ああ、やっぱりねと思った。自分が待てなかった負い目と、勝率が低い予感があったからだ。

そう考えると、せっかちな性分で待てなくて損をしたというよりは、勝率の低い賭けになっていた告白にさっさと区切りをつけ、自分にとって居心地の悪い状態を迅速に解消したのだ、とも言えなくもない、かもしれない・・?

長所は短所で短所は長所というし、せっかちな部分も損と考えるより捉えようなのかも。途中で手を離しても、アロンアルファは優秀だからちゃんとくっつけてくれるしね。

おわり


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