「カリスマ」2022年5月29日の日記
・こないだの日記でもちらっと触れたけど「超人的シェアハウスストーリー『カリスマ』」がなんかすごい。
・『ヒプノシスマイク』を手掛けたEVIL LINE RECORDSと『おそ松さん』の脚本を担当した松原秀がタッグを組んで打ち出す完全新規IPとなれば「こりゃ全力で当てに来てるな」となる。
・それでなんで出てくるのがコレなんだよ。
・なんで?
・7人のイケメンのシェアハウス生活をボイスドラマと楽曲で見せるコンテンツ、という大枠は理解できるんだけど、あまりにもふざけすぎている。いや「ふざける」という要素はヒットにおいて重要だ。ヒプマイもおそ松もキンプリもふざけまくっているし、それがヒットの一因だったことは確かだ。『カリスマ』のふざけ方も、そういうバズを意識したネタ要素であることはちゃんと理解できる。
・それにしたって、じゃない?
・ちょっと恐怖を覚えるふざけかただ。これまでウケてきたコンテンツの場合「ラップ」「アイドル」といった要素や「有名漫画の大胆なリブート」という話題性などを軸にしている。
・『カリスマ』の連中は別に歌手でもアイドルでもないらしく、「カリスマ」というワードだけで全てをぶち抜いてどうにかしようとしていて、そこに恐らく膨大な予算と手間をかけているのが恐ろしい。いったいどこに勝機を見出したんだよ。
・MVは細部まで妥協なく作り込まれているし、メインコンテンツとなるボイスドラマも、演出に合わせてキャラクターのアイコンが動いたり字幕や画像が出てきたりと手が込んでおり、普通にちょっとしたアニメを作るのと同じくらいの工数がかかっているはずだ。
・ボイスドラマは全部見ることができて字幕に対応しているし、各カリスマが登場する回をまとめた再生リストなどもある。他に見ないレベルでコンテンツのマネジメントが行き届いている。いまのところYoutubeを追っているだけで全ての要素を押さえることができるから布教もしやすい。
・それでなんでこれを出せてしまうんだ。怖いよ。
・実際こういうギャグがウケてきた前例があるというのは大いにわかるが、それでも後ろ盾のない新規IPで「これ」に全BETできるのはやはり勇気がすごいというか、蛮勇と言うべきではないだろうか。どんな企画書で偉い人を騙したのか本当に見てみたい。「おそ松さんヒット! ヒプマイヒット! だったらこれもバズる!」みたいな感じのことが書いてあったんだろうか。漫画雑誌の巻末にこういう変な漫画が載っててジワジワ人気が出てきてメディアミックスしたならわかるんだけど、いきなり大掛かりにここから始めるのがすごすぎる。
・逆に言うと狂っているのは企画コンセプトだけで、あとは徹底して戦略的に制作されている。人に言いたくなる刺激だけで構成されたMVもそうだが、ボイスドラマはギャグを中心にしつつもキャラクターの過去や関係性を匂わせてくるし、ふざけててもきちんと「シリアスしろ(しろはのりしろのしろ)」を用意していてツボをおさえている。キャラクターもムカつくくらい覚えやすい。消費者が信用されてるなあという感想と消費者ナメてんのかという感情が同時にわいてくる。
・始動して半年ちょっとでチャンネル登録者6.5万人くらい。まだこの賭けの結果が出る段階ではないけど、これから大流行したらわりとイヤだからむしろ大流行してほしい。草薙理解が好き。
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