はむこは

最小の努力で絵がうまくなりてえ

画力が中途半端だ。

これは私が全力で描いた鬼の絵だ。ヘタクソというほどでもないが、上手いというわけでもない、中途半端な画力なのがわかると思う。鬼だとわかりにくいか?

人間の絵はこんな感じ。デフォルメに頼っている。手がドラえもん状態なのを「こういう絵柄ですから」という感じでごまかしているフシがある。


もっと絵がうまくなりたい、と長らくモヤモヤ思っていた。

原因のひとつにツイッターがある。タイムラインにRTされて流れてくるツイートの多くがマンガやイラストなのだ。文字にくらべると絵はパッと見ただけで意味がわかるから有利だ。

絵が上手い人はいいなー、手首折れろと思っているばかりでは何も進まないので、とりあえず絵の練習をしようと思った。iPad proとアップルペンシルは持っている。クリスタ(お絵かきソフト)も入っている。

よーし、絵を描くぞ! うまくなるぞ! なるべく最小の努力で! 道楽で!

絵を描く

次は何を描くかだが、デフォルメに頼っていては成長しない気がする。リアル等身の絵を描きたい。だが、ご存知のように人間はとても複雑な形状をしている。「人体 描き方」で検索するとわけのわからない解剖図が表示されるだけなので、「人間、"円柱"であってくれ」という思いが強まるばかりだ。

しかし、クリスタには偉大なことに人体の3Dモデルを表示する機能があった。iPad版でも問題なくグリグリ動く。これをレイヤーの下敷きにしてなぞるだけで、そこそこうまい絵が描けるという寸法だ。

どうせ描くなら可愛いものを描きたい。自分はイラストだとセーラー服のフォルムが好きなので、高校生のオリキャラを作ることにした。

1枚目

というわけで描いたのがこれだ。イラストだけ投稿するのが気恥ずかしかったので1コママンガみたいにした。誰でも知ってることに自力で気づく優等生というキャラだ。この1枚を完成させるのにかかった時間はだいたい30分程度。

投稿してから見返してみると

・立体感がない
・左手を隠して手を抜いている

という反省点があった。

2枚目

で、その翌日に続きを描いた。

前の反省を活かし、あえて描くのが死ぬほど面倒くさい手が重要になるネタを描いた。めんどくさかった。こんな絵で1時間くらいかかった。あと、服におそるおそるシワを描き込もうとしたり、影をつけて立体感を出そうとした形跡が見られる。しかし、

・上半身だけ描いてごまかしている
・角度が単調
・肩幅が広い
・なんか硬い

という反省があった。

3枚目

その次の日くらいに続きを描いた。

全身を描いて、下から見上げるような構図にしてみた。あと小物も追加してよりめんどくさくしてみた。嫌だった。あと髪の毛が硬そうな感じがしたのでざっくり描いたあとに細いペンで輪郭に描き足したらちょっとサラサラ感出た。あと「乳を恥ずかしがらない」と決めたので乳の下に影を描くことに成功した。もし小学生なら確実にエロ呼ばわりされる。反省点は

・なんかスカートちゃちい
・ベタ塗り下部分に立体感がない

とかそういうところかなと思った。あと、マンガっぽい顔立ちにリアル体型を合わせると実際以上に太ったりガッシリして見えちゃうかもしれない。萌えイラストのキャラが異常にナイスバデーなのはちゃんと理由があるんだなと思った。

名前考えるのを忘れてたので、「智理(さとり)」にした。

4枚目

3日後に描いた続き。

腕とかが手前に伸びてるときの描き方わけわかんねえな、と思ったので、実際に描いてみた。描いてるときの違和感がすごくて、グニョグニョの手になってしまったような気がする。

こういう部分。こんなの絶対おかしいって~! って思って消したくなる。でも仕上げてみたらそんなに変でもない。変なの。

あと、髪の毛がいつまでも黒ベタ一辺倒なのもなーという思いがあって、ハイライトを入れてみた。目にも。HUNTER×HUNTERの絵柄とかに影響を受けて黒い部分を全部まっくろにしちゃうやつってうまくいくとオシャレだけど、自分がやると伸びしろが潰れる気がする。

服のシワとか、スカートのヒダとかもしっかりしよ…と思って、できる限りちゃんと描こうとした。描けたはいいものの

・髪の毛のハイライトが変に感じる

というのが気になって仕方がない。

アップにするとこんな感じで、描きながら、おい、なんだよこの白いカスは。こんなもん無いほうがマシだ、カス! という罵倒が聞こえてくる。プロの絵と比べてもなんかぜんぜん違う。どうしたらいいんだ……。

5枚目

2週間後、いったんハイライトを捨て去った。

もともとはセーラー服で描くつもりだったのだがこの脚だとスカートのめくれかたがワイセツになってしまってクラスでのあだ名が「手塚エロ虫」になるぞと思って部屋着に変えた。反省点は

・足がでかく見える
・テレビのリモコンちっせ~
・左手の配置、何?

とか。一応風呂上がりのつもりなんだけど、ホカホカ感が出てないな。3Dモデルは正確なんだけど、そのまんま絵に起こすと変になったりする。いわゆるマンガパースというのか。美しく見えるウソを考えるの難しそう。あと、服のシワとか影とかの法則性がいまだにぜんぜんわからない。ピクシブを見ながら部分的にパクりまくっている。

6枚目

約一週間後。これを描いてる時点での最新。まず髪のハイライトが復活した。いままでは髪の毛をプラモのパーツみたいにとらえてたんだけど、今回は頭頂部を中心に毛が一本一本伸びてきてて、そのいくつかが束になってるみたいなイメージで描いた。ハイライトはその束が浮かび上がるような場所に入れている。ピクシブの人たちがそうやって描いてたから真似したのだ。

目に白いハイライトを入れるのとは別に、グレーがかった色も入れてみたら、マンガっぽさが増した気がした。でも、最初に描いた絵の智理と顔全然違っちゃってる。

あと、今回は描きながら線のメリハリのことを考えていた。なんか、絵が上手い人って一本の線の太さが箇所によって変わるじゃないですか。あれの太かったり細かったりする部分の法則性がぜんぜんわからなくて。

・柔らかい部分
・カメラに近い部分
・布とかが折り込まれてる部分

あたりが太くなるのかなー。

スカートのヒダの描き方もわからない。ヒダの線をちゃんと描くとシャッターみたいになっちゃう。もう主線を引かず、グレーで影だけ落としたほうがそれっぽくなったりするんだろうか。

まとめ 絵は時間をかけたほうが良い

現状はこんな感じ。絵、謎が多い。

自分で絵を描くと「絵が上手い人って、絵が上手いな」と思うようになれる。あと、絵が微妙な人と上手い人の一番の違いは、なんだかんだいってかかっている時間なんじゃないかと思う。

自分は堪え性がないので、1時間も同じ絵に向き合ってられなくて、「はいここで完成!」ってやりたくなっちゃうんだけど、プロの作画風景の動画とかを見ていると「もうここで完成でしょ~」ってところからさらに今までと同じくらいの時間をかけてゴチャゴチャゴチャゴチャ描き直しと微修正タイムが始まる。絵を描くとは絵を描き直すことなのだ。

それでも最小の努力でどうにかしたい場合は

・3Dモデルをなぞる
・影の付け方、シワの入れ方などに、言葉で説明できるルールを設ける
・毎回違うことをやる
・反省する

あたりをするといいのかな。イヤにならない範囲でクエストに挑戦する気分でやっていくといいと思います。


あと、ファンアートってめちゃくちゃ嬉しいですね。知人が描いてくれました。ただしこの絵はスカートが短すぎるので作者のあだ名が「手塚エロ虫」になります。


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品田遊(ダ・ヴィンチ・恐山)
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