01「なぜ我輩が滅ぼすのか」ただしい人類滅亡計画―反出生主義を考える―
プロローグ 魔王の出生 ある日、立ちこめた暗雲が30日も空を覆った。
31日目、雲が十字に裂け、瘴気をまとった人型のモノがゆっくりと降りてきた。異常な現象を前にして、人々は慌てふためいた。
しかし、誰よりも驚いていたのは"それ"自身であった。
「"ここ"は、"これ"は、何だ……?」
鋭い爪が光る手を眺めながら、"それ"は呟いた。
「お目にかかれて光栄でございます。ゼイン様」
どこからともなく声がした。
ゼインと呼ばれたそれが目を動かすと、見知らぬ者が傅い