「叩かれても仕方がない」の巧妙さ
相手の気持ちになるとはなにか「相手の気持ちになって考えよう」というのは、子どものしつけの常套句で、大人になるまでに何度も聞かされる。
たしかに他人の気持になって考えられることは、生活上とても重要なスキルだ。しかし、それは手放しに善と言えるような能力でもない。
まず「相手の気持ちになる」とき、実態としては「自分が相手の立場だったらきっとこう思うだろう」とシミュレートしているにすぎないという大前提がある。
これは自我を仮想の他人に移植しているようなもので、考えようによっては