社内のエンジニアを育てるために必要な要素とは?実践的な研修内容と重要なスキル
こんにちは!
企業の工場システムの受託開発や、AR・VR・MR・AI技術を使用したシステム開発を行っている、株式会社connect 代表の清野大輔(せいのだいすけ)と申します。
社内のエンジニアにスキルアップしてもらうには
エンジニアの育成は、会社の成長にとって非常に重要な要素です。しかし、ほんとうの意味で活躍できるエンジニアを育成するには一筋縄ではいきません。
プログラミングスクールに通っても、エンジニアとして食べていけるのは1/3程度
エンジニアになるためにスクールを利用する人も多いですが、実践できる人は1/3程度であり、多くの人が脱落してしまいます。
そもそもエンジニアに向いていない性格や、最初の壁となる「関数」を理解できない場合もあります。スクールに行くだけでは、学んだ知識を"実践に移す”部分が不足しがちです。
僕自身、独立した時にエンジニアスクールに通いましたが、その中だけでは学べることに限界がありました。講義の時間は限られていますし、主体的に質問しないと受講期間はすぐに過ぎてしまいます。
つまり、企業でエンジニアを育てる場合にも、ただスクールに通わせるだけでは不十分なのです。
今回の記事では、私が行った半年間の企業研修の経験から、社内でのエンジニア育成に成功するために必要な要素について紹介します。
研修の背景と内容
「社内のエンジニアを育ててほしい」
社内研修のご相談を頂いたのは、SESの会社の社長さんでした。
今後は受託開発も行いたいとのことで、契約先に派遣する社員のスキルアップを希望されていました。
研修開始時、2人のスキルはこのような状態でした。
依頼された2名の社員は、主に検証業務や簡単なプログラムの動作チェックなどを行っており、それほど高度なスキルを持っていませんでした。
そこで、「このコード、実際何に使うの?」というような素朴な疑問を解消しながら、知識を実践に落としこむ役割としてうまく私を使ってもらえば、ということで研修はスタートしました。
ほぼ未経験から、実装できるエンジニアを半年間で育成
私が行った研修では、WEBサイトの作成やECサイトの作成など、実際に実装できる力を半年間で身に着けることを目的としました。
2人には、WEBスクールに通って知識をつけてもらうことに加えて、半年間、週1回ずつの講義と個別指導を提供しました。
講義では、実践に必要な知識や、専門用語、内部SEO、サイトに動きをつける方法、Googleアナリティクス、MEOなどWEBに携わる上で必要な知識全般について教えました。
大事なのは、自分で調べる能力
最も重要なことは、エンジニアが自分で調べる能力を身に着けることです。調べることができるエンジニアは、ほとんどの課題を自己解決できます。そのため、自分で調べて答えを出す方法に集中して指導しました。
教え方のコツは、すべて「まずやらせてみること」。そして、「なぜできないと思う?」と問いかけ、自分で調べてみるよう促すことです。
質問を問いかけたり、実践的な課題を出すことで、理解度を深めていきました。そして、「わからないこと」を素直に認め、調べることが大切であるということも繰り返し伝えました。
利益を生む社員に必須の「提案スキル」
また、「ただのエンジニアではなく、気を遣えるエンジニアになってほしい」ということも伝えました。
例えば、内部SEOについて。クライアント側はコードを読めないため、言ってしまえば、なにも対策しなくても気付かれないかもしれません。
しかしそこで「内部SEO対策をしたほうがいいかと思いますがどうでしょうか?」と提案ができれば、お客様に喜ばれますし、会社にとっても付加価値になります。
「納期を守れる社員」になってもらうには
「自分が納期を守らなくてもなんとかなる」と考えているエンジニアも多いのが事実です。しかし、その責任をとるのは会社であり、クライアントに迷惑をかける行為。危機感を持ってもらう必要があります。
そこで、最終成果物としてポートフォリオを作ってもらい、自分で納期を設定してもらいました。すると、案の定、工数を読むのに慣れておらず、自分で設定した納期を守れない事態になりました。
あえて失敗を経験してもらったのです。そして、「今回納期を守れなかったけど、実践に置き換えたらどうなると思うか?」と問いかけ、真剣に工数計算をしてくれるよう促しました。
半年間の研修の結果
半年後、2人は無事に自ら実装できるスキルが身につきました。
また、依頼主からは、
会社側からは社員に対して言いにくいことを伝えてもらえた
納期を守れなかった経験など、実際にクライアントワークでは経験させられないことを体感してもらえた
上記のような点が良かったと好評でした。
半年間の研修を終えた社員たちからは、「いい経験をさせていただきましたた!」と感謝されました。
まとめ
エンジニア育成のカギは”実践させること”
上記の研修を通して私が重点的に伝えたのは、「わかった気でいないこと」「理解するまで聞くこと」「わからなかったら調べること」の3つです。
活躍できるエンジニアになるには、実践の機会が必須です。
社内のエンジニアのスキルアップにお悩みでしたら、一方的な講義ではなく、実践を通して学べる問いかけを意識してみるといいかと思います。
スクール開校に向けて準備中
このような考え方から、エンジニア育成のスクールを開校に向けて準備中です。
AR/VRなどXRの知識を身に着け、関連するWEB、AI、アプリ、メタバースの体験ができ、その他ITの基礎知識も身につけられる実践的な講座です。
再就職を目指す方や、就職に向けて知識をつけたい学生向けにも最適です。
現在準備中ですので、詳細が決まり次第お知らせします!
また、今後はキッズ向けエンジニアスクールも展開していく予定です。エンジニアに興味のある方、社内のエンジニア育成にお悩みの人事の方や社長さんは、お気軽にご相談ください。
株式会社connect 代表
清野大輔