イルカに学ぶ
エコーロケーション
イルカは直接の会話やホイッスルという遠吠えのような方法だけでなく、鳴き声を反響させ、視覚の代わりに知覚するエコーロケーションという能力を持っているそうです。
反響定位(エコーロケーション)とは、動物が自分が発した音が何かにぶつかって返ってきたもの(反響)を受信し、その方向と遅れによって、ぶつかってきたものの位置を知ることである。各方向からの反響を受信すれば、周囲のものと自分の距離および位置関係を知ることができる
これって私たち人間もそうですよね。【自分が語った言葉は他者に反響し、自分を知る】のです。これは私たちとイルカの類似性です。
響きの悪いコミュニケーション
ただし私たち人間のコミュニケーションが大きく変わり始めました。コ〇ナ禍でです。リアル(直接会うこと)が減り、バーチャル(ネット)が増えました。一見便利なzoomやLINE、Eメールなどは、アイコンタクトや空気感、表情やしぐさの察知がしにくく、Facebook やnoteなどは、発信することが目的で根本的に反響性が低い。そのためこれらのツールから、本来は反響していない事柄を読み取ってしまうことがあるようです(例えば「あの人は私のことが嫌いじゃないか」「私は愚痴っぽいと思われているかな」「私、何か悪いことしたかな」など)。そうすると自分で自分をいっそう追い詰めてしまうのではないでしょうか。
エコーロケーションを逆手にとる
先にも言いましたが、自分が語った言葉は他者に反響し、自分を知るのです。だからどこかに反響のいい壁があれば、私たちは自分の豊かさを知ることができる。
反響のいい壁
スピリチュアルケアの方法論は、実はこのエコーロケーションに似ています。私が反響のいい壁となって、深く自分を見つめていくプロセスを支えるのです(対話は他に口外されることもなく、安心安全な中で行われます)。そしてこのプロセスを通し、その人がご自分の中にある”困難にもかかわらず歩む力”を再発見することを目指します。
今、仕事や生活の問題、病や障がい、そして大切な人を亡くされる経験(病、自死、流産など全てにおいて)… ありとあらゆる困難を背負う人にスピリチュアルケアがサポートの一つとして届くことを願っています。