人間の詩
音楽と詩
私は音楽は聴くが専門で、なんら楽器など奏でられません。いやむしろ衝撃的な音痴です。でもやっぱり音楽は好きで、クラシックからポップスまで幅広く聴きます。ただポップスにして言えば、特にその詩(うた)が響くかどうかが好きのポイントです。
死と詩
私は長年、看護師という職業で働いてきました。その中で、死と向き合う人たちが、ご自分の人生の中から湧き上がる言葉を口にしてきたことを覚えています。
キリストも仏陀もモハメドも、神さまは皆死んでいるだよね。だから俺が死なないわけないじゃん。
自分が死ぬって考えられないんです。死ぬって本当ですか?
病気が長くなってもう疲れた。もう死んでもいいと思う。生きるってこんなに辛いのか・・・。
街でいろいろな人を見て、なんで私なんだろう、なんで私ばかり・・・そう思っちゃいますよね。
もしあなたが作曲家なら、この詩にどんなメロディーをつけてくれますか?
人間の詩(うた)
私たちは、喜び・悲しみ・苦しみを噛みしめたとき言葉を紡ぐのかもしれません。普段は意識しないで、できないでいるような言葉が湧き出てくるのです。私にはそれが【人間の詩(うた)】に聴こえるんですよね。
対話が奏でる ”多声音楽(ポリフォニー)”
【人間の詩(うた)】は一人ではそのままで終わることが多いけれど、同じ感性で多声的に響かせるとセッションとなることがあります(ゴスペルなんかまさにそう!)。それはもう音楽なんですね。言葉と言葉、つまり《対話》はポリフォニーとして【人間の詩(うた)】を音楽にしていく…。
私は今も、悲しみと向き合う人たちと《対話》をしながら、【人間の詩(うた)】を聴き続けています。巷には素敵な音楽が溢れていますが、皆さんも身近な人の…、ご自分の詩《うた)を時に聴いてみてほしいと思っています。なぜならその分、人の悲しみに気づくことができるようになるから…。
任意団体ORIZURUでは、毎月 Eメールを使った対話型サポート【KODAMA】を行っています。