四季の百人一首ーーー冬 その6
一面に降り積もった雪、そこには 白菊が眠っていた。いや眠っていたとしたらミステリーだね。
うん、霜の写真。用意できなかったもの。雪で想像してみたのです。うん、最近の冷蔵庫は、ほぼ自動で霜取り出来るから………ねぇ。
実際はそう、一面に花開いていた白菊、そこに霜が降て見分けがつかないという話。って何の話かっていうと
心あてに 折らばや折らむ
初霜の置きまどはせる 白菊の花
凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)
詠み人は、平安時代前期の方で三十六歌仙の1人。官位をもった人。お貴族様ですね。それはともかく
心あてにーーーーあてずっぽうに
一面に初霜が降りてきて どこにあるのか解らない。あってずっぽうに折れるものなら折ってみようか。この白い菊の花を。というような意味でしょうか?
などという感じでしょうか。とても情緒豊かな方です。今と違って平安時代の霜はきっとすごかったのでしょう。
ちなみに12月から1月頃にかけて咲く菊を寒菊って呼ぶそうです。ほぼほぼ菊の花は、よく見かけるのだけれど初霜の頃っていうから10月から11月頃にかけて花開く秋菊なのかなぁ。
ちなみにちなみに
あまりにもよく見かける菊の花。墓前に供えたり仏花としても使われたり高貴な方の紋所にも使われたり。そんな日本の花を象徴するような菊だけれど
存外、外来種だってことは知られていなかったりする。以前菊について調べたことがあってびっくりしたものです。そういえば万葉集には、菊の花は、詠まれていなかったはず。
と、まぁこんなところで四季の百人一首 冬の項は 終わりを告げるのでした。……おっと例によって難しい文法の話などは、専門書に譲りまする。