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ラヴクラフトの世界 海外アンソロジーを読む

8月20日は、米国の恐怖小説家であり、クトゥルー神話の生みの親として知られるH.P.ラヴクラフトの誕生日なので、最近読んだ関連小説の事を書いてみます。

青心社から出ているラヴクラフトの世界と言う、海外アンソロジーです。
15編の小説と、編者の前書き 役者の後書き+αと言う構成。
2006年の刊行なので、かなり古い本ですね。

昨年末に本屋で見かけて買ったのですが 、ボリュームがあったのと、最初の作品が、ちょっと個人的に合わなくて、しばらく放置していました。
休みで、時間が取れたので一気読み。

各作品は、ラヴクラフト作品に登場するニューイングランド地方の、架空及び実在の土地を舞台にしています。

アーカム、インスマス、キングスポート、ダニッチ等、ラヴクラフト作品読者には、お馴染みの地名。
元となった小説の後日譚めいた作品等もあります。

文章的には、現代風にこなれていて、読みやすいです。

 ただ、作品数が多いので、その分バラツキも多く、好みは分かれるかも。

個人的には、元となった作品が明確に分かるモノ。
ダニッチの怪や、戸口に現れた物 レッドフックの恐怖他。
この辺りは、結構楽しめました。

一方で、自分の知識の外にある作品は、あまりピンと来ない感じ。

それと、最後の大滝啓裕氏のページは、個人的には少し不親切に感じました。

 この手のアンソロジーだと、一般的には、作者や作品の解説が入ると思いますが、訳者曰く、作品を楽しむ妨げになるとの事で、解説は2編だけ。
 残りのページは、ラヴクラフトの映像化作品の解説資料。

 解説のある2作は、直接ラヴクラフトに絡まない所がありますが、中途半端な感じ。
(特に1作は、大瀧氏がこちらを元にした長編を邦訳しているため、宣伝ぽく思えるのもあるかな・・(^_^;))

 本書読者はコア層だろうから、興味持ったら自分であれこれ調べて想像して楽しみなさい・・と言う意図も分かりますが、個人的には解説や作者来歴などあった方が面白いかな。
 興味を持った作者の関連作を調べる際に参考になりますし。

 全般には、結構楽しめました。
 たまに読むと、やはりラヴクラフト関連は面白いです。

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