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キモシェアハウス漂流記第十三話

木田が利尻の壮絶な1か月から激痩せして帰ってきてから、わずか3日で元に戻っていた。

帰ってきた当日
3日後。もうふっくらしている

そして木田はまたキモシェアハウスから飛び出し、今奈良の実家に戻っている。

なので利尻に行っていたとき以来のサスペンダーズ古川さん、フランツ土岐、俺の3人でキモシェアハウスを回しているのだが、最近木田とずっと片付ける片付けない戦争を起こして木田にフォーカスを当てすぎたせいで、古川さんと土岐のキモに触れれていなかったが

昨日さっそく古川さんがキモかった。

僕がちょっと5千円札をくずしたくて、コンビニで買い物しに行こうか迷っていたとき、古川さんがリビングにやってきた。

古川さんは基本自分の部屋を愛しすぎて、全く部屋から出ないので珍しくて「どうしたんですか?」と声をかけると

「いやっ、あのっ、晩飯を。卵焼きをっ…」

と、ヤクザに「何こっち見てんねんコラ」と言われたときぐらい緊張しながら卵焼きを食べることを伝えてきた。

そして惣菜の卵焼きを冷蔵庫から取り出し、皿にも入れずに台所で立ちながらきったない手で掴みながら食べていた。

俺は(さすがスキの無いキモさや…)と感心して、古川さんを眺めていた。

そして5千円札のことを思い出し、古川さんに「古川さん千円5枚あれば5千円札と両替してくれませんか?」と聞くと

「あっ、はいっ、良いですよっ」と快く承諾してくれて部屋に戻って行って千円札5枚と5千円札を両替してくれた。

俺はお礼を言って携帯を触っていて、古川さんからちょっと目を離していた。

もう卵焼き食べたかな?と思って古川さんの方を見ると俺が渡した5千円札を

男のストリッパーのチップ
みたいにしていた。

俺が反射で「おいっ!」と言うと古川さんはビックリして咳が止まらなくなって、なんで罪悪感感じなアカンねんとか思いながら咳が止まるのを待った。

咳が止まった古川さんが「どっ、どうしました?」と聞いてきたんで「いや5千円!なんでストリッパーのチップみたいにしてんねん!」と言ったら「ははっ」と笑い、多分この後どうせ俺が写真を撮ることを見越して、先程の写真のポーズを取った。

どこのセンサーだけビンビンやねんとか思いながら写真を撮ると、古川さんは部屋に颯爽と戻っていった。ホンマにストリッパーみたいやった。やることやったみたいな顔してた。

卵焼き食うて、俺の大声でビックリしてめちゃくちゃ咳しただけでなんであんな「今日も家族のご飯代稼いだ」みたいな顔出来んねん。

そして土岐は土岐でわさビーフを食べたあとポテチのしあわせバターを食べながら「昨日もシコりましたよ」と言ってきた。

さらに土岐はそのあとビスケットも食べて「金やばいっすわぁ」と言ったあと「明日昼YouTube撮ります」と言ってきて、どれを処理していいか分からんくなって絶句してる俺をリビングに置いてパサパサの砂みたいなロン毛をなびかせて自分の部屋に寝に入った。

キモすぎて痺れた。

#キモシェアハウス

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ド桜 村田大樹
金で窒息させてくれ。