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キモシェアハウス漂流記第二十話

キモシェアハウスに住み出してもう少しで5ヶ月が経ち、なんとこの漂流記も二十話目になった。

あれだけキモシェアハウスに染まらないと豪語していた俺だが、今ではどっぷり浸かり込み、どの出来事がnoteに書くべきことなのか判別出来なくなっていっている。

この間自分のキモシェアハウス漂流記を見直したら青いなぁと思ってしまった。

多分今完全にキモシェに染まった状態の俺がnoteを書くとしたら五話くらい書けるのが関の山だ。

缶の飲み口にコバエが居ても追い払わずそのまま飲むようになり、平気で自分の枕を踏んでベランダに洗濯物を干すようになった。

俺は小さい頃からじいちゃんに「枕は絶対に踏むなよ」ということを口うるさく言われてきて、どれだけバランスを崩して枕を踏んでしまう状況だとしても足をぐねらせてまでそれを回避していた。それぐらい体に染みついた習慣がこの家では抜けていく。

泥水で心が洗われていくのだ。

古川さんがリビングに来るたびゴムの伸びきったパンツがずり落ち、半ケツとちん毛が丸出しになっていても、もういちいちツッコむことは無くなった。

前は「おい!出てるって!!」とか言っていたが、今は「今日は何作るんですか〜?」と献立を聞いている。

この間古川さんは俺が献立を聞くと「今日は悪魔鍋です」と

平気で聞いたこと無い怖い名前の料理名を言ってきた。それに対して俺は「なるほど」と返した。最近気づいたが古川さんにツッコむのはこの家ではもうサブいことなのかもしれないと気づき始めたからだ。

木田も土岐も何が起こっても当たり前のように受け入れているあたり、どうやら俺の古川さんに対するスタンスは長らく間違えていたのだろう。

そう言えば古川さんがこの間ラジオの企画でちん毛を半分金髪に染めた。

それを聞いた俺は古川さんに「ちん毛見せてください」と言ったら、パンツをずり下ろしてくれて見せてくれたのだが、本当に半分金髪になっていた。

「これ、もし女の子といい感じとかになったらどうするんですか?」と何の気無しに聞いたら

「かっこいいってなるんですかね?」と、フルスイングでボール4個分下を空振りした回答が返ってきた。

俺は「いや、ならんよ、気持ち悪がられるでしょ」と言うと古川さんは首を傾げた。

そのままへし折ってやろうと思ったが、本当に何も知らない可哀想な人間の首を折れる程非情にはなれなかった。

あと、最近古川さんはめちゃくちゃ体重を測る。そこでムカつくことがあった。

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