キモシェアハウス漂流記第五話
キモシェアハウスに住み始めて早くも1ヶ月が経った。
人間は21日間何かを続けると習慣になるそうで、俺も例に漏れずキモシェアハウスでの暮らしが日常になりつつある。
この間こんなことがあった。中野芸能小劇場のライブ煉瓦にて、ママタルトの肥満ちゃんがミスタードーナツをいっぱい買ってきてくれた。
肥満ちゃんは俺に
「良かったら食べてください」と、振る舞ってくれた。
ありがとうございますと言い、俺はポンデリングを食べた。
その日何も食べてなかった俺は、もう一つドーナツを食べたくなり肥満ちゃんに「もう1つ貰っても良いですか?」と言うと、「どうぞ!」と快く言ってくれた。
そして2つ目のドーナツをいただき、後々、気づいたのだが、俺は何も言わず3つ目のドーナツを食べていた。
その後肥満ちゃんの相方でもある、ひわらさんがケンタッキーを買って来てくれた。
俺は最初の1つに対しては「ひわらさん、ありがとうございます!いただきます!」と言ったのだが、2つ目はお礼を言うのを忘れて勝手に食べてしまっていた。
今までの俺はそんな子では無かった。
しかし、キモシェアハウスに住むことによって他人の物と自分の物の境目が分からなくなっていたのだ。
その瞬間俺は完全にキモシェアハウスの住人になれてしまったことを悟った。
ここからはジャーナリズム精神で書いていた記事がどんどん日記のようなものになっていくかもしれない。
何が異常で何が正常か、もう完全に見失ってしまったからだ。
なんとかこのnoteで稼いで一人暮らしに近づきたいと言う気持ちもうっすら残っているが、この4人で一生を添い遂げても良いかもと言った考えが自分の脳のど真ん中で仁王立ちしてる回数が確実に多くなっている。
俺はある夜キモシェアの皆にこう言った。
「誰かが爆売れしたら4人で住める一軒家を買うことにしよう!!」と。
もうこれを7割本気で言っている。
今キモシェアのメンバーはこうだ。
フランツ土岐 ハゲロン毛
サスペンダーズ古川 不潔
そして全てのキモを兼ね備えたALLと呼ばれるガクヅケ木田
今ガクヅケ木田は北海道の牛女の佐野さんの叔父さんがやっている旅館に1ヶ月住み込みバイトをしている。
恐らくその1ヶ月で木田は外の世界の常識を日常にしてキモさを薄めて帰ってくると思う。
俺が1ヶ月でモンスターになりつつあるように。
そして俺にある野望がちらつく。
「ALLの座が欲しい」
木田よ、見てるか。俺は毎秒キモくなっている。
お前はどうや?段々自分が浄化されていく感覚が芽生えてきたやろ。
お前はキモくない。
俺が1番キモい。
俺がお前の椅子を奪う。
二代目ALL 村田大樹