キモシェアハウス漂流記スピンオフ〜レンタルぶさいく〜Part.3
前回彼女の母親とのご飯会を大失敗したレンタルぶさいくこと篠原さん。
そして彼女との時間を作る暇も無く馬車馬のようにぶさいくを貸し出しまくっていた。
篠原さんが忙しい中もたまに会えるときは会っていたのだが
「なぁ村田、この間明治神宮前から阿佐ヶ谷まで自転車で15分で行った」ってあり得ないことを言ってたのを聞いて(あぁ、大分疲れてるこの人)と思って心配していた。
その頃レンタルぶさいくはほぼ毎日ぐらい依頼があり、交通費のみというのを良いことにとんでもない依頼がよくきていた。
友達の誕生日にサプライズで、ISSAのモノマネをしながらU.S.Aを踊って欲しいや、シンプルに引越しの手伝いなど割に合わないことばかり。
ただ篠原さんはレンタルぶさいくで跳ねるために依頼を受けながら生活のためにウーバーイーツをして30くらいまで実家暮らしやったとは思えないエゲツない根性で生き抜いていた。
「村田、俺将来マンション作るから、住めよ。」と尋常じゃない夢を持っていたのがモチベーションに繋がっていたんだと思う。
ちょうどその頃だろうか、篠原さんが「この活動してたら彼女に迷惑をかけてしまうから別れようと思ってる」と言ったのは。
お笑いを辞めたばっかりで、ぶさいくの貸し出しという斬新すぎる仕事を始め、焦りもあっただろう。当日篠原さんの唯一の癒しが彼女だった分止めようと思ったが、荒い鼻息を吐き出しながらの発言だったので結局止めることはしなかった。
そしてついにその日が。
篠原さんの着信、出た瞬間、開口一番「別れたっ!うぉっ、うぉっ!」
壊れかけていることが一発でわかった。
その日の夜何も無かったので俺は篠原さんに会いに行った。
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