キモシェアハウス漂流記第三話
キモシェアハウスに住んでもう3週間以上が経つ。
5日目くらいだろうか、俺は喉から体調をぶっ壊した。
俺は「不衛生を極めたこのキモシェアハウスのせいだ」と思った。元々居た住人達は不衛生に体が慣れて強いんだろうなと思ったが、ガクヅケの木田君も喉の調子が悪そうだった。
木田君は俺にこう言った。
「この喉のやつはこの時期にキモシェで流行る。そんで冬にもデカいの来るから気をつけて。」と、当たり前のように言った。
キモシェに身を置いても体は強くならないということが分かった。
そして最近わかったこと、俺は大概寝るのが遅くて大体木田君が寝てから押し入れに入る。
ほんなら毎回ホンマに嫌がらせなんかなってくらいのデッカい寝っ屁をする。俺は最初まさか寝ながら出した屁と思わず「なんやオラァ!」とブチ切れたのだが反応が一切無く
「え…寝てるん?…木田?…」と弱々しい声を響かせ眠りについた。
寝ながらにして人を不快にするそんな芯からのキモさに痺れてしまった。
俺がどれだけお利口さんだったか、キモシェに住みながらそんな理性の殻を破れていない自分に違和感を感じた。
だが俺はジャーナリズム精神を持ちながらキモシェの現状を届ける義務がある。
しかし、ここ最近の俺は全ての衝動を衝動のままに動くようになってきていた。
これをやったらどうなるんやろ?ってなったらもう止まらない。
すっぽんぽんで木田君の膝に座ったらどんだけ嫌がるんやろ…と気になったら今まではまぁそんなことしても疲れるだけやし辞めとこう。
となっていたが、木田君が顔を真っ赤にして僕をどつくまで座ろうとしたり。
LINEにいきなりちんちんの画像送ったらどうなるんやろ…と気になったら送ったり。
古川さんのAVのサンプルを作ったり。
社会から遠ざかっていっている感じがする。ダメだと思いつつ心地いいのが厄介だ。
この間靴を履くのを忘れたまま階段を降りようとしたとき「あかん、完全に飲み込まれている…」と怖くなった。
こうやってnoteを書くことで自分の野生化を止めている。
今俺はどこまで進んでいるのだろうか。自分がキモシェアハウスに飲み込まれきったら何が変か分からなくなって、SNSに載せるようなことなのかも分からんくなって、キモシェの現状を知りたいという人達を悲しませる。
その使命感は忘れないようにしたいと思う。
クレヨンしんちゃんの大人帝国のヒロシが懐かしさでおかしくなりそうだって言っていたシーンが今の俺の状態だ。
たまに普通の家とかに泊まったりして感覚をフラットにしたりしたい。
仲良い人達よ、たまに泊めてくれ。
俺は今日誰の水か分からん水を口をつけて飲んだ。
戻れなくなる前に。