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キモシェアハウス漂流記第三十一話

この間霜降り明星のせいやさんと蛙亭イワクラさんと我らがキモシェアハウスに番組でロケで来た。

コバエが舞う我が家でせいやさんとイワクラさんは絶叫しながら各部屋に入り、普段普通に生活している我々は(そんなヤバいんや…)と苦笑いをしていた。

特にトイレがヤバかったようでイワクラさんは聞いたことない声で叫んでいた。

テレビでどういう風に映るのかと思ってオンエアを確認すると、見たことない黄色いモザイクがかかっていた。

キモシェアハウスのトイレはテレビ的には大人のちんちんと同じ扱いだった。

あと、うちのトイレはトイレットペーパーの芯を捨てるのが面倒くさくて芯をトイレの中で積み上げているのだが「ありがとうございます」という感謝の文字が入ったレアな芯にお2人のサインを書いてもらった。

「こんなんにサイン書くの初めてやわ!」とせいやさんとイワクラさんは仰っていた。

そして、ロケも終わり、またキモシェアハウスに日常が戻る。

最近台所で増加しすぎたコバエが各部屋にも恐らくコロニーを作り出し、木田と共同で使っている部屋に以前の台所と同じくらいコバエが発生しだしている。

起きて布団を見ると、俺の背中で押し潰されたコバエの亡骸が5〜6匹居たときゾッとした。

木田に

「最近この部屋コバエヤバない?」と言うと「しゃあないやろ」と返って来た。

まぁしゃあないっちゃしゃあないが、俺はどうやったら部屋のコバエを減らせるかの建設的な話がしたかった。

木田は我関せずという感じでパンツ一丁でゲーミングチェアに座りながら小説を読んでいた。

こんな奴にその小説の良さの何が分かるんや。と思った。

読みながら屁もこいていた。

最近木田は便秘気味でたまにうんこより臭い屁をこく。

あと、寝っ屁もものすごい。

寝てる間にその臭いが鼻に入って来て自分のエヅきで起きたこともあった。

木田のその、うんこより臭い屁がコバエを集めてるんじゃないかとさえ思う。

そう言えばこの間、木田との10年来の友達関係が音を立てて崩れ去りかける大事件が起こった。

ある日の3時頃、俺が寝ていると友達との遊びから帰って来た木田が部屋の扉を開ける音で目が覚めた。

「あ、ごめん」

「おぉ、全然」

そのままなんか目が覚めて飯田さんもまだ起きてたから麻雀でもするかとなった。

麻雀をしながら、換気扇の下でしかタバコを吸えないので、リビングでも吸うように買ったアイコスを吸おうとしたときだった。

アイコスを吸う機械の中に折れたスティックが詰まっていた。

(…え、なんでや…)

俺は身に覚えが全く無かった。ということは俺以外のキモシェアハウスの誰かが犯人…

俺は犯人を探すのだった…

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