キモシェアハウス漂流記第六話
自分の家を引き払って、違う家に引っ越そうとした矢先、前のバイト先が無くなり瀕死寸前の俺は月2万円のキモシェアハウスの押し入れに流れついた。
キモシェアハウスの"出て行かせない"魔力は凄まじく、劣悪な環境ながらも一度入ると全く出たくなくなる、と言うよりは動く気が起きなくなる。
そして俺はその魔力によりキモシェアハウスに住んでから1ヶ月なんのバイトも見つけることなく過ごしてしまった。
今日冷静に外を歩きながら考えてたら今月は持つにしても来月のことを考えたら今すぐにでもバイトせなヤバいやんってことに気づき、道のど真ん中で「やっばぁ…」と言ってしまった。
家賃は2万になっても保険や年金の存在を忘れていたのもバイトをまだ探さなかった理由にある。
普通保険や年金のことは忘れてはいけない。書いてて思い出したが、携帯代の存在も忘れていた。
前回俺はキモシェアハウスの2代目ALLの座を奪うと言っていたが、あれは多分潜在意識の中で現実逃避をしていただけだったことに気づいた。
俺は今はまだALLを目指さない。とりあえずバイトを探す。
やらなければいけないことの優先順位がズレまくっていた。
もしかしたら七話目から有料記事になっていたらバイトが見つかっていないということなので察して欲しいし、買って欲しい、投げ銭だって夜中のお菓子を減らしてダイエットしたい人がいたらそれを買う金を俺に投げればいい。
投げ銭ダイエット、ダイエットが出来るnote、世界初の痩せる記事を俺は書く。
さて銭ゲバの枕はこの辺にして、この間ゴミ箱のゴミが溢れていて押し込んだらすごい臭いが鼻を包んだ。
一瞬臭い猿が鼻に抱きついてきたんかと思った。
そして手を見るとねっとりした何かが。どうやら納豆のパックを触ってしまっていたようだ。
誰もまだ起きて無い時間だったから起こしてはいけないとなんのリアクションもせずに洗面所に行き、なんか衝動的に自分はどこまで人の外にいけるのか気になってしまった。
この手についたねっとりしたものを口の中に入れることが出来たら俺はすごくキモくなれるんじゃないかという考えが。
俺はキモシェアハウスに住んで劣等感を感じていた、自分があまりキモくないんじゃないか。それが嫌で俺は古川さんのAV制作などをすることで自分もキモシェアハウスの住人として皆に認められるんじゃないかと。
ただただ面白かったからした。というのもあるが、少しそういう劣等感からの行動でもあった。
最初の漂流記ではキモシェアハウスに取り込まれないように、みたいなことを言っていたが、あれは表向きの発言だ。
それに俺はレンタルぶさいく、ぐんぴぃ、ならたがいた頃の初代キモシェアハウスが大好きでよく遊びに行っていた。
今バキ童チャンネルでその初代キモシェアハウスが見れるので見てほしい。
そのときのメンバーといったらぐんぴぃとレンタルぶさいくのシコったティッシュのぶつけ合いや、レンタルぶさいくがうんこの付いたパンツを洗面所で洗ってそこから1時間の罵り合いや、とにかく輝いていた。
俺がキモシェアハウスに入るにあたってあの頃のキモいキモシェアハウスを取り戻したい。だから俺が体を張って今のキモシェアハウスのキモを底上げしようとしていた。
そして古川さんのAVや、土岐の部屋のドアに尻を挟んで出れないや、木田に裸で座ったりした。だけど、それは人前だからこそやっていた、フェイクキモでしかない。
本当にキモいやつというのは裏でもキモい。
だから俺はこの手についたゴミ箱納豆のねっとりを皆が寝てる間に口の中に入れないといけない。
しかし、何回か腹を括って入れようとしても脳がその出来事を受け入れない。
せめてと言う気持ちで俺は唇に塗った。
鏡にうつる俺はジョーカーみたいだった。