2023年1月締め請求書のお手紙
私たちデザインモリコネクションは、陶磁器デザイナー・森正洋さんのデザインした製品の卸売を主な活動としていて、毎月、お取り扱いいただくショップのみなさまへ請求書をお送りしています。
ふと思い立って、2021年9月分から、請求書を発送する際、お手紙を同封するようにしました。その時々に思ったことなどを書いています。イラストレーターのデータに直接書いているので、何を書いたか分かりやすく保管しておく意味もあり、noteに置いておきます。
請求書をデジタル化した方がいいんだろうけど、その場合、こういうお手紙をどういう形でつけたら良いのか、悩ましいところ。
いつもありがとうございます。
デザインモリコネクション小田寛一郎です。
2023年1月末締めの請求書をお送りいたします。
covid19の流行前はよく行っていて、3年ほど行っていなかった落語会に、久しぶりに行ってきました。落語は、父親が買ってきた「昭和の名人」みたいな冊子とCDのセットをきっかけに聞き始めて、14年くらいになるでしょうか。
行ったのは、1月25日の「NBC新春寄席 柳家喬太郎・柳家三三・春風亭一之輔 三人会」長崎市民会館で、演目は下記の通り。
春風亭いっ休 弥次郎
柳家やなぎ 子知る
柳家三三 元犬
仲入り(休憩)
春風亭一之輔 初天神
柳家喬太郎 井戸の茶碗
柳家喬太郎さん、柳家三三さん、春風亭一之輔さん、それぞれとても好きな落語家。「新春寄席」は3人会として毎年やっているもので、そういえば2015年、福岡の会に行ったことがあります。その時は、柳家小三治・桂歌丸・柳家三三の3人でしたが、歌丸さんが体調不良で欠席でした。調べたら、2016年は柳家小三治・林家正蔵・柳家三三、2017から柳家小三治・柳家喬太郎・柳家三三の3人になり、2021年に小三治さんが亡くなったので、2022年は柳家喬太郎・柳家三三の2人、今年2023年から柳家喬太郎・柳家三三・春風亭一之輔になったようです。
春風亭いっ休さんは、春風亭一之輔さんの三番弟子だそうです。柳家やなぎさんは、喬太郎さんの弟弟子に当たり、柳家さん喬さんの弟子です。口調が兄弟子の喬太郎さんにそっくりだと思ったのですが、喬太郎さんもさん喬さんに似ているといえば似ている。今日の会で唯一の新作落語で、登場人物が二人だけ、しかも片方の登場人物の自分語りだけ、という面白い形でした。新作落語ではけっこうあるのかもしれませんが、古典落語ではあまりない形だと思います。一人酒盛くらいしか思いつきません。
柳家三三さんの元犬という落語は、白犬が蔵前八幡の神さまにお祈りして人間になりいろんなドタバタを引き起こすというお話。三三さんの演じる白犬が可愛い。オチが、ご隠居さんのところにいる女中さんも元・犬で、お母さんに会えた!というもので、元犬のオチとしてはじめて聞くもの。隣の隣に座っていた落語好きらしきおじさんも、初めて聞くなあと言っていました。
春風亭一之輔さんの初天神、生で見たのは2015年の佐世保かっちぇて落語会以来。金坊と八五郎親子が天満宮のお祭りにでかける話。YOUTUBEの配信で、この初天神を下敷きにした一之輔さんの新作「団子屋政談」を聞いてびっくりしたけれど、今回は初天神。前に見た時は、団子屋さんのところでオチだったけれど、今回は凧揚げのところまで。いつも一之輔さんを見て思うのは、マクラも含めて、その時のお客さんに馴染む・受け入れられるのがうまいというか、意図して技術的になのか、特に考えずそうなってしまうのか分かりませんが、今回もすぐにお客さんに受け入れられていた気がします。
柳家喬太郎さんの井戸の茶碗、生で見るのは初めて。音源で聞いた記憶があり、CDにはなっていないようなので、たぶんYOUTUBEにあるのを見たのだと思われます。ひざが悪くなり日常生活には支障ないが正座がきついとのことで、前に釈台(講談や上方落語でも使われる台)を置いて演じていました。くず屋(今で言うリサイクル業)の清兵衛 と、浪人(主君のいない武士、いわゆる無職)の千代田卜斎と、細川家に仕える武士の高木佐久左衛門が、千代田卜斎がくず屋の清兵衛に売った仏像を巡ってドタバタする話。ウィキペディアによればこの話は、全員が善人とのこと。喬太郎さんの井戸の茶碗は、千代田卜斎と高木佐久左衛門は武士らしく実直だったり頑固なのですが、くず屋の清兵衛が、仏像から出てきたお金を懐に入れてしまうよう、悪い顔をしながら高木佐久左衛門に提案したり、正直なだけでない魅力的な人物でした。
落語を生で観ると、当然ですが「目の前に落語家がいて、話している」という臨場感があり、楽しいですね。以前は、落語会に落語を聞きに行っていながら寝てしまうこともあったのですが、今回は久しぶりということもあり、眠らずに観ることができました。また機会を見つけて行きたいですし、自分で落語会を主催してみるのも良いかもなと思っています。