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【投資/インジケーター】移動平均線(MA)
今回から、チャートのテクニカル分析に使われるインジケーターをまとめていきます。
初回はトレンド系のインジケーターである「移動平均線」の概要と使い方についてです。
移動平均線(MA)とは
移動平均線(MA)は一定期間の価格(終値)の平均値を折れ線グラフで表したものです。
日経225の日足チャートに移動平均線を下図に示します。
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緑の線が「5日の移動平均線」
赤の線が「25日の移動平均線」
青の線が「75日の移動平均線」です。
5日の移動平均線なら、過去5日分の終値の平均値
25日の移動平均線なら、過去25日分の終値の平均値
75日の移動平均線なら、過去75日分の終値の平均値 を示します。
もちろん、分足、時間足、日足、週足、月足のそれぞれで移動平均線を書くことができます。
平均する期間が短ければ、短期のトレンド
平均する期間が長ければ、長期のトレンドを表した移動平均線となります。
移動平均線は支持線や抵抗線となることがよくあります。
日経225を見てみると、赤色の25日の移動平均線が2022年1月~3月当たりで下降トレンドとなっていますが、2月の中旬に2回、3月初旬に1回、上昇の抵抗線として働いています。しかし、3月中旬に25日抵抗線を突き抜けてトレンドが変換しています。
抵抗線として働いていた線を突き抜けた時はトレンド変換しやすいです。
移動平均線の活用方法
移動平均線を使ったチャート分析方法を紹介します。
ゴールデンクロス
短期移動平均線が、長期移動平均線を下から上に交差する現象のことです。
一般的に、上昇トレンドのシグナルと言われています。
日経225の日足チャートは下記の赤丸部分がゴールデンクロスになります。
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5日の移動平均線と25日の移動平均線のゴールデンクロスと
5日の移動平均線と75日の移動平均線のゴールデンクロスが1つずつあります。
5日の移動平均線と25日の移動平均線からしばらく上昇トレンドが続いていることが分かります。
5日の移動平均線と75日の移動平均線の後は、直ぐに下降トレンドとなっています。ゴールデンクロスでも下降にトレンド変換することもあります。
デッドクロス
短期移動平均線が、長期移動平均線を上から下に交差する現象のことです。
一般的に、下降トレンドのシグナルと言われています。
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チャートの前半に5日と25日の移動平均線のデッドクロスと5日と75日の移動平均線のデッドクロスが1つずつ、チャートの後半にも5日と25日の移動平均線のデッドクロスと5日と75日の移動平均線のデッドクロスが1つずつあります。
前半のデッドクロスは、その後下降トレンドとなっています。
後半の5日と25日の移動平均線のデッドクロスの後は、直ぐに上昇トレンドになっています。ゴールデンクロスと同様デットクロスも絶対ではありません。
グランビルの法則
グランビルの法則は、アメリカのアナリスト「ジョゼフ・E・グランビル」が考案した理論です。
価格と移動平均線の関係により買いと売りのサインが4つずつあります。
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買いのサイン
移動平均線が上向きになりつつ、価格が移動平均線を下から上に抜けた
移動平均線が上昇中に価格が移動平均線を上回った後、価格が移動平均線を下に抜けた
移動平均線が上向きの時に、価格が移動平均線の手前まで下落するが移動平均線の手前で価格が上昇
価格が移動平均線の下に大きく乖離
売りのサイン
移動平均線が下向きになりつつ、価格が移動平均線を上から下に抜けた
移動平均線が下降中に価格が移動平均線を下回った後、価格が移動平均線を上抜けた
移動平均線が下向きの時に、価格が移動平均線の手前まで上昇するが移動平均線の手前で価格が下落
価格が移動平均線の上に大きく乖離
買い、売り共に下記のパターンと覚えておくとわかりやすいでしょう
「1」と「2」はトレンドフォローのパターン
「3」は移動平均線が抵抗線となるパターン
「4」は逆張りのパターン
グランビルの法則は「日足」で「200日移動平均線」が一般的に使われています。
チャートによっては「足」や「移動平均線」は別の設定をした方が想定通りの動きをすることがあるかももしれません。
日経225の株価と200日移動平均線のチャートを下図に示します。
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買いサインと売りサインをいくつか表示しました。
グランビルの法則を活用することで、買いと売りのタイミングを見つけることができるのではないでしょうか。
もちろん、想定通りの動きをしないこともあることを考慮してトレードする必要があります。
まとめ
今回は移動平均線の概要と使い方を解説してきました。
移動平均線はチャート分析のインジケーターの中でも一番使われるものとなります。
移動平均線を使いこなすことで、チャートの大まかなトレンドを理解することが出来るようになります。
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