香害はペットの皮膚や呼吸器にも悪い?
みなさんは「香害(こうがい)」という言葉はご存知でしょうか?
ご存知の方は「ああ、あれね」と思われるでしょう。
香害は、数年前に比べるとずいぶんと知られるようになってきました。
初めて聞かれた方は、「香害って何?」と思われるかもしれませんね。
香害とは、読んで時のごとく ”香りが起こす害” です。
香りという言葉そのものは、良いイメージを持つ方が多いと思うのですが、
その良いイメージである香りが害を引き起こしているとしたら…。
では一体、どのような香りが私たちに害をもたらしているのでしょうか?
香害とは、私たちのとても身近にある香り、洗濯の時に使う柔軟剤や洗剤の香りなんです。
洗濯洗剤なんて昭和の時代は大差ない香りのものが多かったように思います。だいたいどこのお家で使っているものも石鹸っぽい香りばかりでした。
時代は流れてゆき、世の中のものはとても便利になり、洗濯洗剤も昔のものとは性能や香りが大きく変わりました。洗濯物を柔らかくふんわりと仕上げる柔軟剤を愛用されるご家庭もとても増えてきました。
そもそも、柔軟剤なんて昔は使うことがなかったですよね。
洗濯したてのタオルなんてパッシパシだったものです。笑
経済産業省の調査によると、ここ20年の間において、洗剤や柔軟剤の売り上げは右肩上がりだそうです。
図をご覧いただいて分かるとおり、洗剤・浴用・洗顔石けん、柔軟剤の売り上げはどれも上昇しています。
柔軟剤に限って言えば、2015年に登場し、爆上がりといってもいいほど。
その洗剤や柔軟剤がもたらしているのが香害というものです。
それでは、香害による被害は具体的にどういったものがあるのでしょうか?
シャボン玉石けん社のインターネットによる調査によると、「人工的な香りをかいで、頭痛・めまい・吐き気などの体調不良を起こしたことがある」と答えた人は実に5割。半数の人が経験しているとは、なかなかの割合です。
洗剤などの香りが、なぜ体調不良の原因になってしまうのでしょうか?
それは、香りの中に含まれる化学物質が、頭痛やめまい、吐き気、思考力の低下などの引き金になっているからだそうです。
そして、日本消費者連盟など7団体で結成された「香害をなくす連絡会」が行ったアンケート調査では、体調不良を引き起こす原因となる香害が柔軟剤によるものが最も多いことが明らかになっています。
では、なぜ香りの中の化学物質が体調不良を起こしてしまうのでしょうか?
ある商品の香りが気に入っているユーザーがいるとします。
その香りが気に入って使っているユーザーからすると、お気に入りの香りが「持続する」ということが重要です。
つまり、「ひとたび洗濯をすると、その衣服を着用している間は、いつまでたってもお気に入りの香りがする=満足度が高い=リピーターになる」という構図がメーカーさんにとっても大切です。
その「香りを持続させる」ためには、プラスチックでできたマイクロカプセルといったものを使用します。
柔軟剤などに使用されるマイクロカプセルは、洗濯時に衣服に付着し、熱や摩擦などでカプセルの膜が破裂し、その際に香料が放出される仕組みになっています。
カプセルが破裂するたび、化学物質を含む香料だけでなく、人や環境への影響が懸念されている小さなカプセルの破片が飛散し、自分やまわりの人が吸い込んでいます。
また、目に見えず回収も不可能なため、そのまま土壌や河川、海に放たれてしまいます。想像しただけでもやばい代物です。
さあ、もうみなさん害については理解されましたね。
ペット屋が香害の危険性を説くのは、ペットへの害の可能性を伝えるため。
今日のブログで香害の危険性をなぜ書いたのか。
果たして、このように人体や環境にとって悪影響のものが、ペットにも安全だと言い切れるでしょうか?
例えば、愛犬の洋服を柔軟剤を使って洗っている場合。
例えば、飼い主さんの洋服を柔軟剤を使って洗い、その服を着て愛犬を抱っこする場合。
例えば、愛犬に使うタオルやブランケットなどを柔軟剤を使って洗っている場合。
例えば、ご家庭のソファやラグ、カーテンなど、あらゆるものの洗濯に柔軟剤を使って洗っている場合。
少し挙げただけでも、愛犬がマイクロカプセルを吸い込む機会が、恐ろしいことに毎日あることが分かっていただけると思います。
皮膚病を患うワンちゃん、近年ではとても多いです。
アレルギーやアトピーと診断されるコが激増していますが、なかなか治らない場合は、洗濯洗剤や柔軟剤に目を向けるのも必要だと思います。
犬だけでなく、猫はどうでしょうか。
猫はグルーミングと言って、被毛を舐めてお手入れしますね。
猫の被毛の表面にマイクロカプセルから放出された香料がついていたら?
そういったことが、もしかしたらペットの原因不明の体調不良につながっていたとしたらどうでしょうか?
今の時代は何かと便利なことが多くて、便利さの追求においては困ることは少なくなってきたように思います。
ですが、その便利さの中で「安全」が失われていくとしたら、私たちはその便利さを捨てる勇気を持たなければいけないのではないかと思います。
安全が失われてしまう原因の一つに「情報を知らないということ」が挙げられます。そもそも知らなければ、避けようがないものです。
自分たちが安全でいるために、ペットが安全でいるために、そして消費者として、この無知をなくしていきませんか?