2024 U30ドリームトーナメント 津風呂湖編


俚諺に曰く、網持たずの淵覗き

これに尽きる試合だったと思う。
元々苦手なタイプのフィールド、綿密なプラと準備、そこにいくつものラッキーが重なってやっと人並みに釣れるかどうか。 
分かってはいたが仕事が忙しくなるタイミングと重なってしまい、まともに準備の時間すら取れず、自分のマネジメント力の低さを痛感した。
言い訳にすらならない、前回の津風呂湖戦と同じく戦う前から負けていた試合だった。


プラ


仕事終わりにひたすら準備して、フラフラになりながら木曜日を迎え帰宅し仮眠。
そのまま津風呂湖へ向かう。

浜松までは気合で走ったが力尽き仮眠

豪雨の高速道路を走り、なんとか到着。
ボートをセッティングしプラ開始。

運営の仕事もあるので時間は半日程度。
本当は全域を見て回りたかったが、とても無理。
なので前回の津風呂湖戦でメインエリアとした一龍周辺から見返り橋のワンド辺りまでで自分に釣れる魚を探すことに。

シャローには小バスが群れ、ちょっとしたカバーには子ギルやフライがいる状況。
それを狙ったキロ〜くらいのバスを目視で確認。

沖ではライブシューターがフッキングミスをしたり、掛けてはすぐにバラしたりしてるのを見て、食い気はあるけど本気では食ってないなと判断。
ネコリグのカバー打ちでもバイトはあったがフッキングしてすぐにバレる。

この時点で考えたのは、
ワームをゆっくり見せると見切られる。
本気で食わせるにはスピードでスイッチを入れるか水面を使う。
それをトリプルフックで絡め取る。

当初の予定ではバンクのフリーリグをメインとして考えていたが自分の釣りではバイトを得ることが出来なかった。

ただ試合終わりに色々と聞いてみるとロングワームの類やフルサイズでボリューミーなワーム等で多くの選手が好反応を得ていた。
自分の引き出しにもある釣り方ではあったがそこまで頭が回らなかった。
また5インチ程度の普通サイズのワームでも横の速い動きで反応があったようだった。

そのパターンに気がつくことが出来ずに、
ベイトフィネスでワームをゆっくり落とす事がメインの自分が、
スピニングでプラグを横に速く巻くという本当に真逆のスタイルで試合を組み立てるという事態になってしまった。

これくらいのサイズならポツポツ釣れそうな感じ

トップやミノーなどルアーが見える釣りでは良さそうなサイズの本気チェイスを確認。
食われる前にルアーをピックアップ。
タイニーブリッツDRでは一本画像のバスを釣って、次のキャストでもう一本良さげなサイズをバラしたのでこの3つで戦う事に。



初日


フライト番号は80番代。
ほぼ最終フライトに絶望しながら一龍方面へ。
ザッガーでバンクを流していくと昨日より明らかに反応が悪い。
プレッシャーなのか天気なのかは分からないが小バスは反応するものの良いサイズがなかなか出てこない。
1時間ほど流したときに40UPのバイトを得たが咄嗟に反応できず痛恨のバラシ。
睡眠不足で集中力を欠いていた。

その後は沈み物や岬の先端などをチェックするがノンキーパーのみ。

見返り橋周辺では沖のライブシューティングで次々とビッグバスをキャッチする選手を見かけた。

沖のラッシュが止まったタイミング
ギリギリ見える水深でライブシューターから逃げてきた50up〜のスクールを確認。

距離を取りレゼルブjrをアプローチ。
一匹55cmくらいはありそうな真っ暗な個体がルアーの真下に。 
頼むっ…喰ってくれ…と祈るように巻き続けると口を開けずに顎で突くような弱々しいバイト。
勿論掛からずその後ビッグバスのチャンスは無し。

睡魔と頭痛と吐き気。
この時点で体力は限界だったと思う。


そんな時に急に薄暗くなり、冷たい風が吹いてきた。

最後の気力を振り絞り、急いで風が当たる岬へ。
丁度前日にタイニーブリッツDRで反応があった場所。
スピニングに細PEナイロンリーダー。
ファイトでドラグを出してキャッチするためのセッティング。

フルキャストしてルアーがボトムにコンタクトした瞬間に待望のバイト。

しかし急いでリールを巻くも何かおかしい。
明らかに小さい。
上がってきたのはノンキーパー。
気を取り直しもう一度投げる、今度は中層でバイト、しかしこれもノンキーパー。
その後もう一本ノンキーパーを追加。

ノンキーパーの三連発。

魚が…入れ替わってる…

絶望しつつ、角度、スピードを変えながら信じて投げ続ける。

そしてそろそろ移動しようかと思ったタイミング。
ボートの真下、ルアーの軌道が変わる瞬間、止まるハンドル、引ったくるような強烈なバイト。

止まらないドラグ。
コイツを狙ってた。

膝を曲げ本気でファイト。







しかし数秒後、違和感に気がつく。
…この引きはバスじゃない。


久しぶりに釣ったニゴイ

この瞬間完璧に心が折れた。
運営の為に帰着。

初日ゼロ申告。


二日目


前日までの疲れから布団に横になった瞬間には朝になっていた。
相変わらず体は重い。

死んだ顔でフライトカードを引くと12番。

振動子を上げ時計と地図にしか使ってない魚探

かなり良い番号を引けたので昨日バラしたミノーの魚を獲りに行くことに。

正直勝ちに絡むことはおろか、新利根川に繋がる順位すら無理、2日間ノーフィッシュにならないために、ウェイイン出来るかどうか。
そんな意地の為だけの試合。


朝一に一龍の近くのクリークに入る。
しばらく流すとキロUPのバスを発見。
ストーキングして何度かアプローチ、アクションや角度を変えてツボを探る。

エリアトラウトで学んだ技術、ここぞという場所で逃がすとバスが一線を越えた。

他のフィールドに比べてよく引く津風呂湖のバス。
何度も下に突っ込まれ、ジャンプされやっとボート際まで寄せる。
ネットに手を伸ばそうとするも空を切る手。 
ネットがない事に気がつく。
仕方なくトリプルフックと細ラインに怯えながらハンドランディング。

少し痩せ気味だがやっと釣った一本

前日いつの間にかネットを無くしていたらしい…

とりあえずライブウェルにバスを入れ落ち着いたのを確認。

やっとウェイイン出来る…
安堵と疲労感でデッキに座り込んでしまった。


その後は前日ビッグバスとニアミスした場所を中心に回るもノンキーパーばかり。
前日までとは違い日が出て暑くなり、頭痛に悩まされながら続けるも連日のプレッシャーからか反応は無かった。


なんとかもう一本くらいは…と流し続けるとノンキーパー達より少し下のレンジから元気にキーパーが食い上げてきた。


こちらもハンドランディング。
ライブウェルに入れて落ち着いたのを確認して時間をチェック、運営の帰着ギリギリ。


2本。
なんとか意地で釣った魚。
もう少しプラに時間を割けていたら。
もう少し柔軟に色々と試せていたら。
もう少し睡眠時間を確保出来てたら。
ただ自分より遠くから来ている選手もいたし、きっともっと忙しい仕事をしてる選手もいただろう。
後悔は色々あるが、そういった事をマネジメントするのも試合であり、それができない時点で負けている。

網持たずの淵覗き

網も持たず、ハンドランディングした時に覗き込んだ津風呂湖には、きっと沢山のバスが泳いでいた。

1631g 55位 91人中


タックルデータ

(プラ含めて釣ったものだけ)



・タイニーブリッツDR
ヘッジホッグエボルジオンF4st-69RSDTi/メガバス(復刻版ではない方)
11ツインパワー C2000HGS/シマノ
リアルデシテックス0.3号/XBRAID
ナイロン6lb/前日釣具屋で買ったノーブランド
タイニーブリッツDR.ブリッツEXDR/O.S.P

・ザッガー
旧ポイズンアドレナ261SUL-S/シマノ
12ヴァンキッシュ C2000HGS/シマノ
リアルデシテックス0.3号/XBRAID
フロロリミテッド4lb/シーガー
ZAGGER 50 /HMKL

・レゼルブjr
旧エクスプライド265UL+/シマノ
16ヴァンキッシュ C2000HGS/シマノ
リアルデシテックス0.3号/XBRAID
フロロリミテッド4lb/シーガー
レゼルブjr/DSTYLE



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