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アメリカ大学院博士課程① なぜアメリカの大学院に行こうと思ったか
こんにちは。ハイパー高学歴ニートのD-Jayです!
私は、2022年8月から米国アイビーリーグ工学部のPhD(博士)過程に進学をしました。
その経験に関して、全9回にわたり、記事を書きたいと思います。
1回目の今回は、なぜ私がアメリカの大学院で博士号を取得したいと思ったのかについて、お話ししたいと思います。
米国PhDを決意したタイミング
私は、旧帝大の工学部を卒業して、同大学の修士課程に所属していました。
修士1年の春頃に、当時所属していた大学の修士課程を修了した後、アメリカの大学院で博士号を取得したいと決意しました。
その理由として、主に以下の4つがあります。
専門家になりたい
金銭的負担をかけたくない
アメリカで働きたい
できれば、専攻とは関係ない業界で働きたい
以下、これらの理由について詳細に話したいと思います。
理由①専門家になりたい
私は、大学では土木工学を専攻していました。
4年時に研究室に配属され、そこで出会った研究員さんに教えてもらった本にこのような一文がありました。
「これからの時代、専門性を持つことが重要になる」
私は、この文章を読んだ時、ドキッとしました。
「大学で土木工学を学んできたが、卒業した時に土木エンジニアとして、働けるほど専門性はあるのか。」
「そもそも土木エンジニアとして、今後専門性を磨いていきたいのか。」
このような問いに答えることができなかったからです。
当時の私は、自分が土木工学の専門家と言えるほど、知識の自信がなかったですし、そもそも土木の仕事や内容に興味がありませんでした。
大学の土木工学科に入ったのも、合格最低点が工学部で一番低かったからです。
今思えば、大学院卒業時に大した専門性を持たないことを危惧する必要は、全くないと思います。
なぜなら、日本の大学・就活のシステムは、それを前提としたものだからです。
日本の大学生のほとんどは、大学時代に勉強しないので、大した専門性を持たずに、社会人になっていきます。
企業もそれを想定しているので、数ヶ月にわたる新人研修で、必要最低限の専門性を叩き込み、業務の中でそれを磨くことを想定しています。
しかし、当時の私には、専門性がないことが大変恥ずかしいことに思えたのです。
幸い、配属された研究室は、都市のデータを分析するような研究室で、データ分析の手法について学べました。
これまで、コンクリートや橋を作る実験をしてきた私でしたが、コードを書いて、データを分析するという新たなことに出会いました。
また、この作業がとても楽しかったです。
そこで将来は、データ分析をするデータサイエンティストなるべく、専門性を磨いていこうと思いました。
データ分析の専門性を磨くには修士の2年間では不十分だと感じ、学生を延長して学べる機会を探しました。
修士の次は、博士課程に進学するしか学生を延長する方法がないことを知ります。
そこで、専門性を高めるために、博士課程の進学(国内)を検討し始めました。
この「社会人になる前に、データ分析の専門性を高めたい。そのために、博士課程に進もう。」というのが理由の1つ目です。
理由②金銭的負担をかけたくない
理由1で、博士課程に進学しようと思った理由を話しました。
なぜ、国内ではなく海外の大学院に進学しようと思ったのかを、この理由2で話したいと思います。
それは、ズバリ海外の大学院博士課程なら、給料が貰えるからです。
日本の博士課程では、これまでと同様に大学院に授業料を納める必要があります。
しかし、欧米諸国のほとんどの国では、博士課程の学生は授業を免除され、尚且つ給料が支払われるという話を聞きました。
私は、学部時代、成績優秀者として授業料を何度も受けましたが、下宿の費用などは親に負担してもらっていました。
25、26歳になっても親に学費や一人暮らしの費用を出してもらうことを、大変申し訳なく思いました。
そこで、国内の大学院に進学するくらいなら、就職浪人して、働くと決め、海外の大学院への出願を決意しました。
理由③アメリカで働きたい
将来的に、アメリカで働いてみたいと思っていたのが、数ある欧米諸国の中で、アメリカの大学院に出願した理由になります。
当時の私は、アメリカで働くことをとても格好良いものだと思っていました。
アメリカで博士号を取得できると、ビザの取得がかなり容易になり、アメリカの現地企業で、採用される。
そのような情報を聞きました。
また、指導教官などから、オーストラリアや他の国で博士号を取得しても、なかなかアメリカの企業や大学から採用してもらうのは、難しいと言われました。
個人的な経験と知識ですが、日本で博士号を取得して、アメリカのトップの大学で、教授をしている人を私は知りません。
日本でも有名なイエール大学の助教の成田悠輔さんも、MITで博士号を取得しています。
将来的に、アメリカの企業や大学で働くなら、アメリカに行くべき。そう思い、アメリカの大学院への出願を決めました。
理由④専攻とは関係ない業界で働きたい(データサイエンティストになりたい)
私は、日本で大学生・大学院生をしていた際、インフラ系の企業(建設コンサル・ガス・電力会社)でインターンシップを行なっていたことがあります。
その時、絶対に土木分野の仕事に、つきたくないと思いました。
何か嫌なことがあったとかではなく、単純に興味がなかったのです。
例えば、建設コンサルでのインターンシップの際、橋の保全に使う部材を検討し、設計図を書く仕事をしました。
橋を建設するならまだしも、保全・補修の設計図を、毎日遅くまで行うような仕事をしたいと思えませんでした。
また、現場調査も嫌いでした。
汗だくなりながら、山や川に何時間もかけていくのが、大変きつかったです。
人々の生活を支える素晴らしい仕事だと心から思いますが、私個人が毎日8時間以上、その業務に従事するのは避けたいと思いました。
理由①でも話しましたが、私はデータ分析に興味があったので、将来的には、土木・建設とは関係ない業界の、データサイエンティストとして就職したいと思っていました。
日本の大学を卒業して、そのままデータサイエンティスにはなれないと思っていました。
なぜなら、データサイエンティストといえば、Python・統計・機械学習といったイメージですが、私はこれらの知識がありませんでした。
研究は、Stataと呼ばれる企業ではほとんど使われない言語。統計というよりは、経済や社会科学分野の分析に特化した、計量経済学を学習していました。
機械学習は、勉強したことがなかったので、さっぱりでした。
そこで、アメリカの大学院にて、土木分野でAIを使った研究をして、卒業後にデータサイエンティスになれるだけの、専門性を身につけようと考えていました。
また、日本の博士をほとんどが、アカデミアに残り研究者となっていきますが、欧米では、博士号を持った人がインダストリーで活躍していると聞きました。
私は、アカデミアで研究者になる気は全くなかったので、アメリカに行った方が、民間企業で働ける可能性が高くなるのではと考えました。
終わりに
以上が私が、アメリカの博士課程に進学しようと思った理由になります。
実際に渡米してみると、理由①〜③は、実現できたと思います。
理由④に関しては、アメリカの大学院へ進学してもしなくても、厳しいと感じました。
しかし、私は目標通り、IT企業からデータサイエンティストとして内定を得ました。
私がどのようにして、目標であったデータサイエンティストになれたか、また今後話したいと思います。
最後まで、お読みいただきましてありがとうございました。
さて、以上の様な理由から、アメリカの大学院へ出願することを決意した私ですが、もちろん大学院に入学するための審査があります。
次回は、出願に関してお話ししたいと思います。
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