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アメリカ大学院博士課程⑨ 最終回 〜博士課程進学は失敗だったのか〜
こんにちは。ハイパー高学歴ニートのD-Jayです!
私は、2022年8月から米国アイビーリーグ工学部のPhD(博士)過程に進学をしました。
その経験に関して、全9回にわたり、記事を書きたいと思います。
最終回の今回は、アメリカの大学院で博士課程を取得できず、途中卒業した事に関する後悔や得た学び、そして、海外大学院への進学を目指す後輩に向けたメッセージを書きたいと思います。
前回の記事はこちらからどうぞ
博士課程を辞め日本に帰ってきて後悔しているか
答えはノーです。
米国博士に進学したことへの後悔は、ほとんどありません。
「アメリカの大学生になってみたい。」
「アメリカで現地採用してもらえるような人材になりたい。」
このような夢や目標は達成できました。
結局修士号で終わってしまいましたが、博士で入学したから給料や奨学金を貰えたので、博士課程で入学して良かったと思っています。
唯一の後悔としては、アイビーリーグ理系博士号という世界最強の学位が欲しかったなというくらいです。
しかし、これは実用性のない遊戯王の神のカードや、戦闘で使わない伝説のポケモンが欲しいみたいなコレクター魂からです。
このようなしょうもない理由で、博士を継続していたらと想像するとゾッとします。
精神的に耐えられていなかったかもしれません。
もし博士を取得できても、その先の就職や結婚など今よりも厳しいものになっていたかもしれません。
この経験から得た学び
人に頼る大切さを知った
博士号を辞める事に関して、周りの友人達に相談していませんでした。
友人達のことが好きだから、心配をかけたくない。
そう思っていました。
しかし、のちに「もっと相談して欲しかった」と多くの友人に言われました。
もし、もっと前から彼らに相談していたら、違った選択や未来があったかもしれません。
少なくとも相談することで、私自身が楽になっていたでしょう。
自分が辛い時や大変な時に助けを求めることは難しい。
そう感じました。
だからこそ、もっと人に頼るべきだなと思いました。
そして、頼れる友人や家族を持てるように努力するべきだと思いました。
逃げるは恥だが役にたつ
時には失敗を認めて逃げることも大事だとわかりました。
これまでの私の人生を振り返ると受験や、部活の大会(テニス)など大きな失敗をしてきませんでした。
受験や個人スポーツでは、自分自身でコントロールできる要素が多いと思います。
単純な話、賢ければ受験に受かる。
テニスが上手ければ、試合に勝てる。
学生時代は、自分自身の成長や努力がそのまま結果として帰ってくる経験しかしてこなかったと思います。
今回の博士課程で初めて、自分ではコントロールできない要素に自分の生活や結果が左右される状態を経験しました。
自分がどれだけ頑張って研究や勉強をしても、指導教官という自分がコントロールできない他者によって、自分の研究の良し悪しや方向性が左右される。
どんなに自分が努力をしても、自分がコントロールできない部分は変えられない。
そうなった時、無理にその場に留まらずに逃げることも大事だと思いました。
博士号を諦めたことは、私の人生で初めての大きな失敗だと思います。
今後は、自分ではコントロールできない要素も、自分の成功(会社での仕事)や生活(結婚)に関わってくると思います。
これからも自分でコントロール出来る要素に対する努力は最大限します。
しかし、それでも苦しい時は、自分ではどうしようもない要素をコントロールしようとせずに、逃げようと思います。
もし進学前に戻れるならどうするか
やっぱり米国博士課程に挑戦したい。
もし3年前の、米国博士課程に進学するかどうか迷っている自分に会えたら、「絶対挑戦しろ」と言います。
あの時挑戦していなかったら、死ぬまでずっと後悔すると思います。
さらに、同じ失敗を繰り返さないように、キャンパスビジットなどに参加して、研究室内外の学生と話すようにアドバイスするでしょう。
研究室内の学生は、私の指導教官のように研究室に関するネガティブなことを話すなと釘を刺されている可能性もあります。
ですので、異なる研究室に属す、同じ学科の学生とも話す必要があります。
とはいえ、私は進学した1校からしか合格を貰えていませんでした。
もし当時の私が他の学生と話して、悪い噂を聞いていたら、進学をしたのでしょうか?
間違いなく進学をしていました。
「私は人よりも精神的に強いから、私なら大丈夫」と信じて進学していたでしょう。
海外大学院博士課程への進学を目指す後輩達へ
以下の3つのことをお伝えします。
博士課程を辞める人が意外と多いことを知っておくべし
退学や途中卒業をするハメになった時の計画を考えておくべし
(特に米国への進学を希望している方へ)米国博士課程を舐めらたあかん
博士課程を辞める人が意外と多いことを知っておくべし
博士課程を途中で辞める人は意外と多いです。
船井財団の奨学金をもらうようなエリート達でも、退学や途中卒業している人もいます。
また、ご本人がYoutubeに動画を投稿しているので問題ないと思いますが、こちらの方の動画は、海外博士課程を進学を希望している全ての方が見るべき動画だと思います。
海外の大学院に挑戦する人なら誰にでも経験し得ることだと思います。
日本人だけでなく、国籍や専門を問わずに世界中の多くの大学院で、博士号を諦めている学生はたくさんいます。
成功者の声は広まりますが、失敗者の声を聞くことは難しいです。
進学する前に、事実をしっかり受け止め、覚悟を持って進学することをお勧めします。
退学や途中卒業をするハメになった時の計画を考えておくべし
研究室内外の学生に相談したり、研究インターンを行うことで、指導教官とのミスマッチを避けることが出来ます。
しかし、それでも指導教官と上手くいかない可能性も大いにあると思います(私の指導教官はインターン生やビジティングの生徒には、めちゃくちゃ甘かった)。
また、別の理由で博士号を諦めなければならなくなるかも知れません。
そのような時の際に、バックアッププランを考えておきましょう。
海外の別の大学院博士課程に進学し直す
日本の博士課程に進学し直す
同じ大学の別の研究室に移る
海外もしくは日本で就職する
もし、就職するならどこの企業。進学するならこの先生の研究室。
といったように解像度高めで計画が立てられるとかなり良いと思います。
なぜなら、実際に博士を辞めようと思った時、将来のことを考える気力や時間がないかもしれないから。
進学をする前から、辞めた時のことを考えるのは、少し辛いですが、自分の将来のために事前に考えておくべきだと思います。
(特に米国やトップ校進学を希望している方へ)博士課程を舐めらたあかん
米国や英国、海外のトップ校の博士号取得の難易度をなめたらダメです。
私は、旧帝大の大学院にいた際に、博士課程の学生を見てきました。
彼らも大変優秀でしたが、米国やトップ校の博士課程の学生はレベルが違います。
頭の良さやコミュニケーション能力、プレゼン力、努力量、全てが異次元のレベルです。
米国の大学院にいた当時、同じ大学院に東大で学士と修士号を取得した日本のトップエリートが数人いました。
そのような日本のトップエリートでも、アイビーリーグのレベルについて行くのに大変苦労していました。
自分が世界最高峰の学位の取得に向けて、世界最高峰の学生と切磋琢磨しなければならない事をしっかり自覚するべきです。
何となく、博士号が欲しいと思っている人は、日本の大学院に進学しましょう。
何となく、アメリカの大学院に行ってみたいなとか、アイビーリーグ卒になりたいなという人は、日本の会社に就職した後、会社のお金でMBAを取りに行きましょう。
そちらの方が、比較にならないくらい簡単です。
終わりに
米国博士課程途中卒業という人生で初めての大失敗。
その経験に関して全9回に渡り、正直に振り返りました。
記事を書く中で、自分の考えや思いが整理されて良かったです。
願わくば、海外大学院進学に興味がある方に私のNoteを読んでもらい、彼らの選択の一助になれば大変嬉しいです。
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