【Jリーグ】札幌という街のコンサドーレ【外から見る残留争い】【札幌vsC大阪】
まず、大前提として自分はコンサドーレ札幌のサポーターではない。アイコンをよく見るとわかるようにFC東京のサポーターである。(じゃあなんで1発目の投稿が札幌の試合なんだよ!!とかは言わないでいただきたい)
でも、札幌にゆかりある人間として、やはり残留はしてほしい。というわけで今はちょっとライト層のファンぐらいの気分でいる。毎試合結果は追いかけてるし、なんならDAZNで後半途中から見ることも多い。こんな立ち位置で残留争いに関与することもそう多くはないだろう。
コンサドーレが置かれている状況
端的に、非常に厳しい状況である。
「である。」なんてかっこつけた言い方をしているが、まあそんなことは順位表を見れば一目瞭然で、34節終了時点での残留圏との勝ち点差は7ポイント。個人的に信仰している「捲れるのは残り試合数≧勝ち点」理論に基づくと、残り4試合で7ポイント差は普通にだいぶ厳しい。
だからと言って、「しょうがないから来年はJ2で頑張ろう!!」となるはずもなく、「頑張って勝つか、死ぬ気で勝つか」みたいな戦いを続けている。
第35節 札幌vsC大阪
絶対に負けられない(というか勝たなきゃいけない)札幌と、いまいちパッとせず今年はもう消化試合と化したセレッソ。結果は1-1のドローに終わった。
札幌はもちろん非常に気持ちが出ているサッカーをしていて、とても魅力的だった。マンツーマンがメインの守備も、気持ちの強さもあるのかはまっているようだったし、セレッソの3バックの脇(WBの裏)を狙いたい姿勢も上手くいっていたように感じた。
後半、セレッソが4-2-3-1にしてサイドをケアし始めてからはセレッソのやりたいことができていたようにも感じる。浅野を始めとする札幌のカウンターに対しては西尾がさすがの対人能力を見せてくれていた。
と、試合について話してみたが、最近のサッカーははっきり言ってちょっと難しすぎてよくわからない。配置とか、プレーモデルとか、そりゃ見てる試合数が違うから一般の人よりはわかるし意見もあるけど、それ(特に長い時間軸で見ていない他クラブのサッカー)について論じたいともあまり思わない。
書き留めておきたいのは、札幌という街のコンサドーレについてである。
札幌という街のコンサドーレ
残留に向けての大事なホームゲーム。
札幌ドーム(大和ハウスプレミストドーム)には26,544人の観客が集まった。おそらく、石屋製菓などの招待企画でやってきた人も多くいるだろう。
個人的に、タダ券にあまりいい印象はなかった。自分にとってのタダ券は国立開催の際の3階席であり、観光客的な意味を含む言葉であった。それは「熱」とはかけ離れた存在だった。
しかし、この日札幌ドームにあったのは紛れもなく「熱」であった。ウルトラスが試合前・ハーフタイムと鼓舞し続け、入場時にはメイン・バックも立ち上がってタオルマフラーを掲げ、回す。チャンスには300度からの手拍子が鳴り響く。ゴール裏でなくても、ほとんどの人がタオルマフラーなどを当たり前のように持っている光景。ゴール・勝利を願い多くの人が感情を共有し、行動に移す景色。それらすべてが、コンサドーレが札幌で積み重ねてきたものを表していた。
勝ち点3が求められる試合での勝ち点1。残り3試合で6ポイント差。
数字で考えると状況はより深刻になっている。
タイムアップの笛がなった後、静まり帰ったスタジアムは覚悟を決めているように感じた。
でも、札幌には勝敗だけでない文化が確実に根を下ろし始めている。
JKがアンデルソン・ロペスを知っている街
サッカーにはほぼ関心のない友達がこんな話をしてくれた。
「この前テレビつけたら、昔コンサにいた人が点決めてたよ」
その人とは、アンデルソン・ロペスだった。
アンデルソン・ロペスがいた当時、彼女は高校生だったはずである。
きっと横浜のJKはアンデルソン・ロペスを知らないし、東京のJKはディエゴ・オリヴェイラを知らないだろう。
札幌は、JKがアンデルソン・ロペスを知っている街なのだ。
きっと、札幌は死なない
セイコーマートのレシートにはこう印字されていた。
"NEVER SURRENDER"
来年の舞台はJ1でないかもしれない。客観的にみればJ2の可能性のほうが高いだろう。
ひとつだけ確実なことは、札幌にはコンサドーレがあり、勝利を願う人がいる。
だから、きっと、札幌は死なない。