【ブルーハーツ】台風という名曲【真島昌利】
はいこんにちは。
大きめのライブイベントにブッキングされることが決まった作詞家、藤橋です。
打ち合わせの上、自分の名義で出演することになりました。ギターボーカルやります。恐縮です。
2025年1月、場所は渋谷あたりだそうです。フライヤーできたら公開します。
恒例の自己紹介はこちら。
さて、台風ですね。
これを書いている8/16正午現在、世田谷区では雨風が強くなってきています。
これ以降の外出は危険と思われますので、できる限り屋内で安全に過ごしましょう。
台風と言えば、
ぼくがいつも思い出すのはブルーハーツの「台風」という曲です。
作詞作曲が真島昌利(マーシー)さん。
THE BLUE HEARTS、↑THE HIGH-LOWS↓、ザ・クロマニヨンズのギタリストとして日本のパンクロックシーンをリードし、
ソロワークや作詞家としては独特の渇いた声で社会問題を皮肉ることが多い、バンダナとレスポールがトレードマークのスーパーミュージシャンです。
ブルーハーツのSTICK OUTというアルバムに収録されている曲です。
リリースが1993年。
ぼくはまだ中学生だったか高校生だったか、それなりに多感な時期でした。
当時も幼心に何かを感じたのだと思いますが、
今、大人になって思うこの歌詞の凄さをつらつらと書いてみます。
(本筋とは関係ありませんが、曲もめっちゃラモーンズ感あって好きです)
以下、歌詞の一部抜粋。
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台風が来る 景色が変わる 台風が来る 記録破りだ
気象衛星「ひまわり」でさえ 観測すらもできないやつだ
古い大木も倒され 根こそぎ飛ばされてしまう
台風が来る ものすごいやつ 台風が来る 記録破りだ
泥棒よりも速い逃げ足 強盗よりも強引なやつ
情報やデマが飛び交う 声のでかい奴が笑う
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平たく読むと、ただ台風に関して「すげーんだぞ」と言っているだけですが
ポイントは
・気象衛星「ひまわり」でさえ 観測すらもできないやつだ
・声のでかい奴が笑う
だと思います。
例えば、TV等のマスメディアは、
「戦後最大の」「〇年に一度の」のような修飾語を多用します。
ところが、実際に大した規模感や被害もなく災害が通り過ぎたなんていう経験をお持ちの方もたくさんいるかと思います。
全てのメディアがそう、と言っているわけではありませんが、
中には視聴者や読者の不安を煽るだけ煽ってあとは知らんぷり
みたいな例もあるのが実情です。
もう一つ発想を飛躍させると、
不安を煽って高額な商品を購入させるような商法も、両手の指では数えきれないほど存在します。
国際問題にしても、
「本当にそんなこと起こり得るのか?」みたいなマユツバものの有事が取り沙汰されることがあります。
その嘘か本当か分からない情報を
気象衛星「ひまわり」でさえ 観測すらもできないやつだ
と皮肉り、
結果、デマを流すことで一番儲かる人=声のでかい奴が笑うんだと言っているのだとぼくは解釈しています。
と、まぁ
これは大きめに解釈した場合の解説ですが。
もっと小さく解釈すると、
ゴシップ好きの強めのオバチャン(=台風)が井戸端会議でギャーギャー騒ぐだけ騒いで、
しばらく経った頃にはすっかり忘れてケラケラ笑ってる
みたいな古き良きエモさも感じたりします。
「強盗よりも強引なやつ」なんてほんとイメージ通り。
さて、
真島昌利さんの本当の凄さはここからです。
一般的に
何かを皮肉る詞を書きたい場合、
分かりやすくしすぎると安っぽくなる
という注意点があります。
かと言って、誰も分からないように書いてしまうと
ただの平たい詞で終わってしまう。
京都の人が来客の帰宅を促す際に腕時計を褒める
みたいな、
限りなくギリギリの美しいバランスが大切なのです。
更に、当然ですが
分かりやすいか否かはリスナーによって全く違います。
ターゲットを明確にして、その人にとってどんな塩梅で伝わるかを
意識しなければなりません。
と、なった時に。
ブルーハーツのファン層にちょうど良いニュアンスで伝わるだろうなぁ、と
思わず腕組みさせられてしまう歌詞を多く創るのが真島昌利さんなのです。
パンクの名を冠しつつも、バランスを取る頭の良さも備える
真島昌利さんのそんなところが本当に凄く、今でも好きです。
人生もバランスです。頑張りましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ではでは。