どうも。ゴーレムというスタートアップをやってるD@こと、野村です。noteを始めることにしました。
noteを書く理由 提供するプロダクトがGHG関係というのもあって、建物のLCA、特にいわゆるwhole life carbonにについて、教えてほしいという相談をとてもよく受けます。同じような内容を下手すると100回くらいしてきたかもしれない。
僕が、物事の構造を整理しないと気が済まない性質なのと、科学論文や海外情報に苦手でないので、手前味噌だけど多少の価値を感じてもらっているのだと思う。 「実は需要があるのでは!」ということで、どこまで続くか自信はないのだけど、noteにまとめて発信することにしました。
次の3+1つについて、成果があればいいなと思っています。
建設、建物分野の環境に係る、興味がある方の理解の助けになれば
その結果として、業界のwhole lifeの議論が「妥当」な方向に進めば
記事化を通じて、僕や僕の会社の方の情報の整理になれば
(会社に興味をもって、仲間になってくれる人が見つかれば、御の字)
また、お約束ですが「noteに投降された情報はすべて発言者達個人に属し、その所属する組織の公式見解を示すものではありません」
whole life carbonとは 建築物のライフサイクル全体、炭素排出することを指す用語です。これには、材料調達から、建築物の建設、運用、維持、そして最終的な解体またはリサイクルまでの炭素排出が対象となります。 ※炭素以外の温暖化効果ガスを含むGHGとして評価すべきですが、whole life carbonという単語に合わせて、炭素排出という表現も使用します。
これらを定義した規格として、サステナブルな建築全体の評価フレームワークであるEN15643 と、その一部である環境評価の具体的な方法を詳細に定めたEN15978 、さらに製品単位での環境性能の評価を定めたEN15804 があります。EN15642は2021に改定、EN15804は2019に追記されているので、2011に作られたEN15978よりも、両社のほうがやや最新の状況を反映している可能性があります。
もう既にややこしいですが。。。 これらENで定められているフレームに沿わせると、下記の整理になります。
How Life Cycle Assessment will help us ‘Build Back Better’ July 2, 2020 (Greengage) A1-A3: 製品フェーズ -原材料の採掘、原料の輸送、そして製造する工程A4: 輸送フェーズ - 材料を建設現場まで輸送する工程A5: 建設フェーズ - 建物を建設するための工程。「(前物件の)解体」「施工」「建設物の廃棄」が含まれるが、「施工」のみで計算されることも多く、建設現場での機械の運転、材料の組み立て、そして建設労働者の移動などが含まれます。B1-B8: 使用フェーズ - このフェーズは、建物が使用されている間に発生するもので、ややこしいので細かく説明します:・B1: エネルギー以外で運用時に関するもので、MEPの冷媒や断熱発泡剤から生じる排出が含まれます。・B2: 計画されたメンテナンスに関する、エネルギーや交換部品による排出が含まれます。B2(メンテ)とB3(修理)の違い、またその際のB6(エネルギー消費)とB7(水使用)は明確に区別できないことが多いです。・B3: 予定外の破損に伴う修理による排出です。・B4: 交換で、古くなったMEPの部品交換や外装の張替えなどが対象です。B2との違いは、こちらはより長期で計画された計画である点です。例えば、カーペットは毎年3%ずつ補修していくのでB2、外装は30年ごとに全交換するのでB4、といった感じです。・B5: 改修に係るもので、B4との違いは、B5が建物の用途や性能も変わるような大規模改修を対象としている点です。・B6: エネルギーの消費。暖房、温水、冷却、換気、照明、調理、設備、エレベーターなど、建物内で使用されるすべての運用エネルギーを含みます。・B7: 給水および廃水処理に関連するすべての 排出量 (メンテナンス、修理、交換および改修との重複は除く)です。 (・B8: 利用者の活動に伴うもので、紙の使用や建物への移動、電気自動車の充電ステーション、などですが、国内でこれまで検討している例は少ないです。)C1-C4: 廃棄フェーズ - 建物の寿命が終わったときの解体と廃棄に関連する炭素排出です。具体的には: ・C1: 解体工事による炭素排出。・C2: 解体された材料の輸送による排出。・C3: 廃棄物処理のプロセスによる排出。・C4: 最終廃棄(例:埋立)に伴う排出。D: 建物のライフサイクル外のフェーズ - 建物の廃棄物がリサイクルされ、新しい製品の生産に再利用されたり、廃棄物がエネルギー回収(焼却など)に使われたりする際の炭素排出を考慮する
D@が作成