Adventurer3のガラスプラットフォームでトラブル

右側が低くなる

Adventurer3用にはオプション(FlashFoge製ではなく販売代理店のオリジナル品)に、ガラスプラットフォームがあります(ただし、2022年10月時点では販売されていません)。

入手して重宝していたのですが、最近になって(目視で確認できるくらい)右側が低くなっているのに気づきました。このガラスプラットフォームは、調整ネジで水平出しができるのですが、その調整範囲を超えていました。

原因

プラットフォームを取り外してみて、原因はすぐわかりました。このプラットフォームの右側は、ローラーで床に接しています。そのローラーを固定する上部部品(たぶん3DP造形品)が変形したためでした。

このプラットフォームは、2枚の金属製の板+ガラスビルドという構造になっており、かなりの重量があります。たぶんプラットフォームヒーターからの熱と重量から変形してしまったと思われます。

画像1
軸が当たる部分を中心に変形している

調査

加熱状態で当該部品の温度がどうなっているのか知りたかったので、サーモグラフィーで調べてみました。下記はプラットフォームが100度になってから15分後の状態です。

気になった点

当該部品自体の表面温度は60度くらいで、思ったより温度は高くありませんでしたが、下記の点が気になりました。

  • キャップボルトの頭がヒーターに近く、加熱されている。
    側面は放熱で温度が低いが、中心部分の温度がどのくらいかは不明

  • ワッシャも加熱されている。

  • ローラー上部が開放されているので、ローラー自体も加熱されている。

対応策

キャップボルトの代わりに低ヘッドネジを使い、開いた隙間にカバー(屋根)をつくることを考えました。

造形できないとどうにもならないので、とりあえず、APPLE TREEさんに変形した部品の交換品を送ってもらうよう依頼しました。数日で届いたのでありがたかったです。”部品は別な素材がいい”と書いたせいか、(たぶん)PC素材になっていました。

カバー(屋根)を造形して付けた

再調査

サーモグラフィーは表面温度しか測れないので、温度センサーをカバーの下につっこみ、カバー下の温度も計測しました。

プラットフォーム100度で15分後
温度センサー変化

調査結果

  • ローラー上部部品の表面温度は、63度で旧部品素材とあまりかわりませんでした。

  • カバー下は70度くらいで、その周辺の温度から、ローラー上部部品、ローラー自体も同温ではないかと推測します。

  • カバーの効果は少なく、ヒーターからの熱が、下面プラットフォームに伝わり、それがローラー取り付け部品にも伝播している感じがしました。

まとめ

ローラーへヒーターからの熱が直接あたらない分、多少の効果は期待できます。しかし根本的な解決は、やはり部品を耐熱素材に変更するしかないと思います。

旧部品素材も、熱に弱い素材ではなかったと思います。交換部品の素材はPCのようですが、PCの軟化温度は120度程度です。理論的には、プラットフォームヒーターの最高温度が100度なので問題ないはずですが、実際はどうなのか?すこし様子をみないとなんともいえません。

予備品

PC以外に耐熱素材フィラメントがないか調べてみました。

値段に目をつぶれば、金属造形サービスを利用する手もあると思います(参考動画)。

ケチな私としては、PC素材で予備品を作っておくことにしました。まったく同じではなく、ローラーの上部を塞いだ形状のものです。

ローラー上部部品(クローズタイプ)

stlファイルを欲しい方があれば、公開も検討したいと思います。



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