20社以上お祈りされた僕がSaaSメガベンチャーで学んだ「PREP法」のススメ
突然ですが、僕は20社以上のITベンチャーの面接におちたことがあります。
そのときに面接先の企業の方から共通してもらったフィードバックはなんだと思いますか?
それが、「端的なコミュニケーションができていない」ということだったんです。
このときの反省を活かして、実際にSaaSメガベンチャーで働くなかで、特に「端的なコミュニケーションとはなんぞや?」を意識して改善を繰り返してきました。
その中でも最も印象的な、「PREP法を2度学んだ」というお話を書いてみます。
これからIT系の企業へ転職を考えている、特にSaaS系の企業への転職を考えているという人には、参考にしてもらえるnoteになれば…なるはず…なるといいなと思ってます。
それでは、どうぞ。
仕事の8割が接点の少ない人とのコミュニケーションである
SaaS企業では、「端的なコミュニケーション」が絶対条件である理由
SaaS企業の最大の特徴は、「The Model型」の組織構造です。マーケティング、エンジニアリング、セールスなど、それぞれのプロフェッショナルが集まり、組織が細分化されています。営業部門でも、各自が専門的な業務に集中し、高速で仮説と検証を繰り返します。これにより、営業は毎日新しいお客様と接する機会が増えます。
そして、専門化して検証した結果や仮説を、他のチームや部署と壁打ちすることで、各自の仮説と検証を集約していきます。
そう、社内でも社外でも、前提条件を共有できていない人と抽象度の高い議論を短時間で行って、成果に繋げなければならないのです。
だから端的なコミュニケーションが必要なんだ
短時間で建設的な議論を行うためには、議論のポイントを端的に伝えることが重要です。短時間でズレが生じると、説明だけで時間が過ぎたり、議論が発散してしまうことがあります。これにより、求められるスピード感に対応できなくなります。
学び1:目的を明確にして端的に伝える
SaaSメガベンチャーで最初に学んだ重要なスキルは、「PREPのP、同じ目標を認識し、目的がズレずに要点を伝える」ことでした。これは、仕事を円滑に進める上で欠かせません。
端的なコミュニケーションとだけ言われ、何を直せばいいの?と悩み続けてましたが、今なら少し言葉にできます。
端的なコミュニケーションでいちばん大切なのは目的や目標といった大前提を共有できていることです。
言葉にすると簡単ですが、凄く奥の深いポイントだと考えています。
失敗から学んだ、「PREPとは?」
複数の人とAという人に向けたサポートメニューを考えていた際の話です。
何度もミーティングを重ね、実際にコンテンツを作成して共有した結果、話が噛み合わないことがありました。
結論は「AさんがBをできるようになる」という方向で一致していましたが、プロセスの認識にズレが生じました。
Aさんの自主性を促すグループと、こちらから選択肢を提示するグループに分かれていたのです。
一見同じ認識でも、認識の相違が発生することがあります。
議論の開始時に目的を詳細に確認していればよかったのですが、前提の整理が甘かった失敗事例です。
スピード感が速く分業化がはっきりしているSaaSでは、最初の少しのズレが大きなひずみとなります。
コミュニケーション相手と前提の認識を揃えることが、端的なコミュニケーションの始まりであり、最も重要なポイントです。
ポイント2:相手や状況にあわせて伝えるべき詳細の優先度や要不要が変わる
二つ目の「PREP法」についての学びは、単にPREPの形を取るだけでは、端的なコミュニケーションには不足しているという点です。
端的なコミュニケーションが求められる理由は、情報が早く正確に伝わることを求められるためです。
PREP法の形に整理して伝えることで、情報が伝わりやすくなります。
しかし、抽象度の高い内容や情報量が多い場合は、「情報が早く正確に伝わる」ためにさらに工夫が必要です。
結論や意見はすぐに伝わっても、背景や理由が相手の納得できる形に整理されていないと、「ここって◯◯という意味ですか?」「◯◯ってことはできなかったんですか?」と確認の時間が必要になります。
同じ情報でも、相手や状況に合わせて伝えるべき優先順位や情報の要不要が変わります。
失敗談:整理しきれていない相談
イレギュラーな事象が重なり、自分だけでは対応が難しい案件で、他部署に協力を依頼したときの話です。
自部署と他部署でカバーしている業務を高度に整理しなければならない案件でした。
他部署の担当者に「案件の事前相談と事後の提案の壁打ちを協力してほしい」とお願いしました。
その際に、
・最終的に着地させたい状態=P
・そのために協力してもらいたいこと=R
・顧客の現状と課題=E
・だから事前相談と事後の壁打ちをお願いしたい=P
とPREP法に沿って依頼を行いました。
しかし、「◯◯は難しいんですけど、ここってどう考えてますか?」「これって、どこまで介入すべき案件ですかね?」と余計な確認の手間を取らせてしまいました。
この背景には、事前に自部署のマネージャーに相談していたことがあります。
自部署のマネージャーに相談する際には、ここまでは自部署でカバーできるが、ここが難しいので他部署の担当に協力を依頼したいと話していました。
マネージャーに相談する内容としては、整理した情報は正解でした。
しかし、他部署の担当にとっては、案件の協力依頼を受ける際に自分で解決できない内容が含まれており、「ここは自分で解決できる問題ではないけど大丈夫かな」と余計な心配をさせてしまっていたのです。
このときの学びを整理すると、以下のようになります。
P(前提の共有と結論の整理)ができていても、RとEで余計なノイズが入っていると、端的なコミュニケーションは崩れてしまう。
情報の整理はある人にとって正解でも、他の人にはノイズになることがある。
端的なコミュニケーションを実現するためには、情報をPREPで整理するだけでなく、伝える相手と目的に合わせて取捨選択する必要がある。
まとめ
SaaSに限らず、転職エージェントの方から面接対策として必ず言われるのが「結論から話す」など、端的なコミュニケーションを行うことだと思います。
とはいえ、キャリアアップを希望するみなさんなら、端的なコミュニケーションを意識することは当たり前ですよね。
転職活動時の自分に伝えたいのは、転職しようとしている企業ではこのようなコミュニケーションが求められるということです。
「端的なコミュニケーションをしなさい」ではなく、「◯◯のような端的なコミュニケーションが必要だから、それができることを伝えるんだよ。」
これがわかっていたら、もっと楽だったと思います。
実際に働いていみると実感できることですが、体感しないと難しいものです。
しかし、だからこそ転職をして環境を変える意味もあるのだと思います。
このnoteでは、転職を通じて働く環境を変え、成長をしたい!という方に少しでも自分の経験が役に立てばと思い、投稿をしていきます。
これからも、実際にSaaSメガベンチャーで働いたことでわかった学びや経験をまとめていくので、ぜひお付き合いください!
それでは!
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