販売の世界 正しそうに見える勘違い
2019年5月からごちそうソース「イチ」の製造・販売をはじめました。
作ったからには、売らなくちゃ、届けなくちゃ、知ってもらわなくちゃ。
と、日々頑張ってきましたが、その考えのままでは、頑張るだけの根性論。
今、歩をゆるめ、「販売」というものを、見つめ直しています。
まだまだ私の販売経験値はミジンコです。
それに、今の販売の世界は、バブルの頃とも確実に違うし、数年前ともかなり変わってきていると思います。
そんな中で、素人の私でも体感してきた「正しそうに見える販売の世界の勘違い」を書き出してみました。
※サブリミナル的に、ごちそうソースの写真を挟んでおきます。これで、あなたも買いたくな〜る〜。
勘違いその1 「商品と場所があれば売れる」
売りたいものがある!
販売できるものをつくった!
じゃぁ、
マルシェに出よう!
オンラインショップをつくろう!
2019年5月、私たちもごちそうソース「イチ」を製品として販売できるチャンスを得ました。それまでは、保健所の許可のない自宅キッチンで作ったものだったので、友人にプレゼントするくらいしかできず、販売するのは夢のまた夢と思っていました。信頼できる方が、保健所の許可をとったキッチンをオープンし、その記念にマルシェまで開催するとのことで、そこから一気に「販売」への第一歩を歩みはじめました。
マルシェ、オンラインショップは、販売するのにハードルは低いです。
オンラインショップも0円で作れてしまう時代です。
なので、とっととやったほうがいいです。
ですが、
マルシェに出れば売れるわけでも、
オンラインショップを作れば売れるわけでもありません。
やってみて売れないと、
マルシェのディスプレイを工夫したり、
オンラインショップの写真に凝ってみたり、
と、そこに時間とお金をつぎ込むことがあります。
でも、数万円かけたところで、大した変化は起こりません。
(たぶん)
勘違いその2「宣伝すれば売れる」
今は、個人で広告が打てます。
SNS広告の広告もよく見かけますし、
雑誌掲載のオファーも個人に届きます。
ですが、マーケティングを考え、戦略的に広告を打てるのであればいいのですが、数百円・数千円で広告を打ったところで、たまたま入ったパチンコ屋さんに投じるのと結果は同じです。
広告という手段ではなくても、SNSやブログでの宣伝は効果はあると思います。
個人ほどSNSなどでファンを作っていくことは、有効だと思います。
で・す・が〜
知らない人に届けるということが、どれほどハードルが高いことかを知っておいたほうがいいです。とんがった発信を続けているなら別ですが、似たような商品がたくさんあるのであれば、ニッチになるか、莫大な発信量かクオリティーが必要になってくると思います。
「宣伝すれば売れる」は、勘違いというか、テクニックありきで考えたいですね。
勘違いその3「知らない人でも買ってくれる」
ここで気づいて欲しいことが一つ。
SNSや広告をつかうことで、なぜ自分は、顔の見えない人に届けようとするのか。
ご自分の心に手を当ててみて欲しいのです。
「バレるのが恥ずかしい」
「ママ友に宣伝したら『売りつけらる』と噂を立てられそう」
「既読スルーが辛い」
生活圏の人に対してほど、宣伝ができないんです。
生活圏の人に「私はこんな商品を販売しています、ここで売っています」が言えないのであれば、やらないほうがいいです。
商品のお客様属性が特殊でない限りです。
言えないのであれば、いっそのこと趣味にしちゃったほうがいいです。
私は、生活圏の人に告知をし始めたとき、いかに自分に信頼がないかを思い知りました。社交辞令の笑顔や失笑、既読スルーを目の当たりにするたびに、ポクポクチーンと何度も死にました(笑)
優しいお返事を待っていたんだな、私。
相手の気持ちなんて想像すらしていなかった。
どんな風に言われたい?返事するかな?断るにしても、なんて言葉をかけるかな?そんなことを考えていたら、そりゃ既読スルーするよね。
そこで、私が選んだ道は
「自分と自分の商品に自信を持って、笑顔で前を向く!」
でした。
勘違いその4「続ければ売れる」
これは、私がまだ実践しきれていないことなので、正解はわかりませんが、
続けないと結果が出ないのは絶対だと思っています。
ただ、周りを見ると、続けることに疲弊している人がたくさんいるんです。
そういう方は、マルシェに出ても周りの出展者さんと売上の話ばかりをしたり、主催者の愚痴を言ったり(ごめん、私もいいました汗)、「ここダメだね」とか言ってる。
依存しちゃってるんですよ、そこに。
私が思うのは、「続けること」と「やめること」をとっとと決める!ということ。
そして、決める軸を明確にしておくこと。
私のことでいうと、出ないマルシェを決めています。売れっ子じゃないくせに奢った言い方ですみません。お客様から頂いたお金が、マルシェやイベントの出店フィーになります。それを使っても出たいか?という軸で決めています。この軸は人それぞれでいいと思いますが、「出れば売れるから」は依存。むしろ「この人のイベントなら出たい!」と、思える人のところで続けることが大事なんじゃないかと感じています。
勘違いその5「買いそうな人を見極める」
これは、マルシェに限らず、販売の現場でよく耳にする言葉です。
いわゆる「お金を落としそうな人を見極める」という意味で言われますが、
私もそうしてきたことがありました。
服装や持ち物、雰囲気から、家族構成やシチュエーションを想像して、声をかけるか決める。試食を出すか決める。
確かに、見極めてやったほうが、合理的だし、体力も消耗しない。
だけど、やってみてわかったんです。そこじゃないって。
「買いそうな人」というのは、
「お金を落としそうな人」ではなく、
「これを必要としている、もしくは、必要とする可能性のある人」を見つけることなんです。
「お金を落としそうな人」を探そうとすると、ものすごく傲慢な気持ちになります。
この人は、試食目当てっぽいから声はかけまい、とか、
お財布寂しそうだな、とか。
正直そんな風に見てしまっていたこともありました。
でも、そんな姿勢、言葉はなくても、伝わっちゃうよね。
もちろん、迷惑な行為(例えば・・・他の方への不要なちょっかいや長話、試食に対する不必要なほどの悪いコメント)は営業妨害なので、そっとスルーします。
ですが、それ以外は、買う買わないに関わらず、お客様であることは間違い無いのです。その違いは、今お客様なのか、未来のお客様なのか、その違いだけなのかもしれません。
私は、「売れる」ではなく「売る」
2019年5月から、製造と販売を続けてきました。販売本数は700本。
対面で販売した経験は20回にもなりません。
たったそれだけなので、説得力がないことは十分承知です。
でも、私は、ごちそうソース「イチ」を丁寧に届けていきたい。
まだ買ったことはなくても、興味を持ってくださっている方がいると思っているし、それに裏切らないよう続けていきたいと思っています。
その上で・・・
「売れる」ではなく「売る」ことを大切にしていたいんです。
「売れる商品」「売れる場所」「売れるテクニック」
そのどれもがお金で売られています。
でも、そこじゃない。
私たちから買いたいと思っていただけるように届けること、
それが「売る」という行為だと思っています。
そして、それはどこにも売っていないんですよね。
こんな本を読みました。
アパレルの販売のプロが書いた、販売の本です。
買うって、「誰から」「どんな人から」買うか、を実は大切にしているんです。
安いから、お得だから、ではなく、1番の買うきっかけは、「あなた」なのだということを、この本で教えてもらいました。
じゃぁ、売れるにはどうしたらいいのか。
商品にたいしても、
お客様にたいしても、
取引してくださる方にたいしても、
誠実であること。
テクニックとストーリーは、そこからついてくるのだと思っています。
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