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【推しぬい】アナログ絵OK!無料でミシン刺繍データを作成する方法【全画像付き】
こんにちは。
士官候補生と申します。
手刺繍での推しぬい製作がほとんどな昨今、「刺繍・裁縫が苦手」「道具を揃えるのにお金がかかる」「時間がない」など、参戦にあたって数々の障壁が存在することでしょう。
その中でも「作りたい顔のデザインはできても綺麗に刺繍ができない」というのはかなり大きな問題なのではないでしょうか。
そんな問題を一手に解決できるものと言えば、そう!ミシン刺繍です。
ミシン刺繍をするにあたって、工場に依頼せず自分で行う場合は
①刺繍データを作成する必要
②コンピューターミシンを用意する必要
の二つの障壁が存在します。
①の刺繍データ、刺繍プロというbrotherさんが出しているソフトを使えば快適に作成できるのですが、何しろ二桁万円するお高いソフト……
ちょっとハードルが高いですね……
ので、無料で!作ってやろうではないか!というルポになります。②のミシンに関しては、別の記事でレンタルルポを書いておりますので、そちらも是非併せてご参照ください。(2024/11/19追記)
まだ書いてません。書きました!!!!是非ご覧ください。
今回Inkscapeという無料のベクター画像作成ツールと、Ink/Stitchという刺繍データ作成用アドオンを使用してデータ作成を行いました。
イラレ等のベクターツール、その他の有料ソフトは一切使用しませんので、ご安心ください。
(念のため、動作確認用で刺繍プロ11のおためし版でも確認しております。こちらも無料でインストールできますが、Ink/stitch上でも確認はできます。)
冗談抜きで長いnoteなので、適宜目次を開きながら閲覧することをお勧めします。
2025年1月24日更新:項目4「EXテクニック」を削除いたしました。後日応用編にて再編いたしますので、少々お待ちください。
2025年1月27日追記:上記のものを含めた応用編を公開致しました。良ければ↓↓
1. 準備
1-1. 用意するもの
刺繍データ作成にあたって必須なもの
パソコン(ノートでもデスクトップでも可、マウスが無いとしんどい)
USBメモリ(ミシンに接続するとき必須です)
お顔をデザインした画像
レンタルミシンですが、現地で借りたためデスクトップだとその場でデータが弄れず不便でした。同様の方法を取る場合はノートPCをお勧めします。
お顔の画像ですが、私はフリーイラスト作成アプリibis Paintを使用し作成しました。アナログでの画像作成方法も記載してあります。
何でもいいのでぬいのお顔がデザインしてある画像を用意してください。
刺繍範囲が100mm×100mmであることを考慮して、正方形の画像か正方形のガイドが書いてある画像を作成しましょう。(InkScape上でサイズを調整するので画像ファイル自体のサイズは何でもいいです)
型紙は桜楽よろず(@subzun4623)様の20cmぬい型紙を使用しています。
ちなみに型紙のサイズ、デザインの細かさについてですが、parie等の初級モデルをレンタルする場合、ステッチが細すぎると綺麗に刺繍するのが難しいです。
(2024/11/19追記)ミシン刺繍の性能差は機種ごとにあるわけではありません!ですがステッチが細すぎると溶けるのは間違いないので、なるべく太い線を生成する、丁寧なデータを作成することが重要になってくるでしょう。
なるべく「大きい面」「太い線」のみのデザインを作成すると綺麗に縫えるのではないかと思います。
ibisからは
①A4の配布型紙を読み込む
②A4のキャンバスでデザインを作成、保存
③別途100mm×100mmのキャンバスで保存したファイルを読み込む、保存
の手順で正方形の(型紙ガイド付き)データを作成しました。
(原因不明ですが何故か寸法がミスってます、温かい目で見てください)
(2024/11/19追記)
他のイラスト作成ソフトで100mm×100mmの画像を作成してもInkscapeに取り込むとサイズが莫大サイズになってしまい、実際にミシンにセットすると上手くいかないことが多々あります。
原因不明ですが、下記で行っている写真→取り込み→インポートの方法を推奨します。
![](https://assets.st-note.com/img/1728106850-s1r0NzjwtSKaEW95m8IkeqGD.png?width=1200)
アナログでは
①型紙をプリント
②お顔デザインを書く
③お顔の周りに100mm×100mmのガイド線を引く
④カメラで垂直にパシャ。
の手順で用意できます。スキャナ等が使用できる方は使った方が楽かもしれません。
![](https://assets.st-note.com/img/1728199033-5w0FeGAWIkufRmpCnt9TZboN.jpg?width=1200)
キリッとツリ目の子を写しました。
刺繍をする時に必須なもの
布(クリスタルボアを使用)
接着芯(薄地、普通地をお勧め)
ミシン用刺繍糸
水溶性刺繍用シート
接着芯は、通常手刺繍の時に使用していない人も多いかと思いますがミシン刺繍の時は必須になります。
水溶性の接着芯などもありますが、私は普通の接着芯を使用しています。
今回は「刺繍ソフトの紹介」なので最小限の案内ですが、ぬいを作るなら立ち上げ用の綿、お好みでトイスケルトンや磁石なども用意しておくと良いでしょう。
1-2. インストール
Inkscapeをパソコンにインストールしましょう。
Inkscapeは無料のベクター画像作成ツールです。多種多様なアドオンが存在しており、今回使用するInk/stitchもその一つです。
ちなみにInkscapeくん、開くのがちょっと遅いです。
開くときは気長に待ってあげましょう。
インストールが完了したらInk/Stitchも入れておきましょう。
Ink/stitchはオープンソースのミシン刺繍データ作成用アドオンです。
ダウンロードしたらファイル解凍が必要なので、忘れずに。
本当にこのレベルのものが無料で公開されていることがありがたいですね。
使用するときは開発者を称える祝詞を唱えましょう。
मूल बाइबिल श्लोक परमेश्वर के स्तुति करते हुए
1-3. 環境設定
インストールが無事完了したら早速データを作成してみましょう。
以下の項目を必ず行ってください。
用意した画像を開く
キャンバスサイズを100mm×100mmへ変更
ファイル名を必ず半角英数字で保存する
新規ファイルを作成します。
![](https://assets.st-note.com/img/1728196772-HgrSsTbG3N564cmtpYXOhkWU.jpg?width=1200)
[開く]から作成した画像ファイルを開きます。
![](https://assets.st-note.com/img/1728116850-NKweF8jAPV20skf7OZzuxCyE.png?width=1200)
▷キャンバスサイズの変更
![](https://assets.st-note.com/img/1728112175-gJzn6UmXhuVtK58NCscBSw9o.png?width=1200)
[ファイル]→[ドキュメントのプロパティ]からプロパティを呼び出し
![](https://assets.st-note.com/img/1728196834-C9ykhY4DW85Vdq7uaNHXvFjo.jpg?width=1200)
フォーマットを「カスタム」「mm」に変更
幅、高さに100と入力
これをすると、用意した画像が100mm×100mmぴったりの画像ではない場合キャンバスが左上に小さく表示されます。
選択ツールで用意した画像をキャンバスのサイズに合わせて変形してください。
(2024/11/19追記)
ctrlを押したまま変形をすると「形状比率を保持したまま」変形することができます。是非に。
![](https://assets.st-note.com/img/1728116179-L9FdCBJ3cDl07YbpAEasfOi8.png?width=1200)
アナログだとこんな感じ。
![](https://assets.st-note.com/img/1728199401-fPnbr3lX1paLv2BFVRxcWzCQ.png?width=1200)
先ほど手書きした線とキャンバスの線が重なるように画像を移動させています。
![](https://assets.st-note.com/img/1728199451-H7hkwZgijEvTFetmfybArOpN.png?width=1200)
これの上からパスを描画すれば問題なくミシン刺繍データが作れます。
また目などは左右反転を使用するので大体の位置が分かれば適当で大丈夫です。
ファイル名を変更します。
![](https://assets.st-note.com/img/1728113020-jMehmlzv0KnYGXp3usWIoCry.png)
[ファイル]→[名前を付けて保存]から、お好きな名前を必ず半角英数字で入力してください。
半角英数字じゃないとミシンで読み込めなくなります。
別にpesファイルだけ半角英数字にすればいいのですが、自分は事故りやすいのでここから変えます。
1-4. 用意しておくと便利なこと
別に必須ではないけどおすすめな設定です。ちょっと快適になる。
刺繍糸パレットの追加
言語設定を日本語に変更
▷刺繍糸パレットの設定
![](https://assets.st-note.com/img/1728116596-kYhL8T6yrD1ifZuMRw2jB7C3.png?width=1200)
[エクステンション]→[Ink/stitch]→[糸の色の管理]→[Apply palette]から糸を呼び出します。
お手持ちのミシン刺繍糸に合わせてパレットを呼び出してみましょう。
brotherのカントリー、シャッペスパンのキングスターなど色々なものがあります。用意した糸を登録しましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1728117009-swFH7mbK8GONol0kAYcShfip.png?width=1200)
ぶっちゃけ表示される色が変わるだけなので、トンチキな色にしても問題ないと思います。
▷言語の設定
![](https://assets.st-note.com/img/1728115351-YrDaHRTymFXEGbwtl26eJioA.png?width=1200)
[編集]→[環境設定]からインターフェイスを日本語に変更します。
![](https://assets.st-note.com/img/1728115351-yWRaxkN0czgXEArdLDJjUHB2.png)
言語の変更には再起動が必要です。
作成状況をちゃんと保存したうえで再起動してください。
2. InkScape基本操作
基本的なベクターツールの操作について。
分かる人は飛ばしていいです。
2-1. ベジェ曲線の作成・変形
左側のツールバーからペンツールを選択し、ベジェ曲線を描いてみましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1728196880-sxXRW95IK74VZGn6aqECNdPL.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1728117909-blHm0EZnAQfM2NuoqPwzecVa.png?width=1200)
書けました。
このままでは透明で何も見えないので、左下の項目か、右側のツールバーからストロークのセッティングをしましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1728196970-B2cUQJkriq0OM5mLvyt1xhlC.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1728196985-pNZohkufQT98RwHzAVrbXyF2.jpg?width=1200)
矢印の■をクリックするとカラーバーが出現します。
(逆に×をクリックすると消え失せます。2-2で後述しますが、線の色を消したい/フィルを消したい場合は透明度変更ではなくこちらを選択しましょう)
![](https://assets.st-note.com/img/1728118822-47A9nvYrWfX6itbOEc0Zpyzo.png?width=1200)
刺繍糸パレットを設定している方はshift+クリックでストロークのカラーがセットできます。便利。
(間違えてクリックだけするとフィルのカラーがセットされます。×で削除できます。)
直線はノードツールで変形できます。
![](https://assets.st-note.com/img/1728197019-sMAeGIDStBPz1mT5V3fQ2O6y.jpg?width=1200)
ノード(写真で青く表示されているもの)が増えれば増えるほど煩雑になるので、あまり複雑でない図形はワンストロークで書いてしまいましょう。
単一線ではないものも描画してみましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1728119415-PlxSfz2qkXTi5aDo3bW8CGUj.png?width=1200)
さっきの状態から作成すると同じ色で出力されるので、色を変更しておきましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1728119701-FflOcU7zLZY4uoaQ09k2V3nq.png?width=1200)
描画した各パスには必ず半角英数字で名前を振っておくと良いです。後で何が何だか分からなくなります。
![](https://assets.st-note.com/img/1728120096-VQOrg3aC2dEyfblXZm4I9YHD.png?width=1200)
[フィル/ストローク]の左隣、[レイヤーとオブジェクト]をクリック。
パスの名前を半角英数字で変更しておきましょう。
2-2. ストローク⇔フィルの操作
後述するステッチの違いによってストロークかフィルかを選択する必要があります。
白目はフィルで描画してみましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1728120883-ijhXRpsk3TLuaF8cY5AfZPwx.png?width=1200)
他のものと重なる部分は少しオーバー気味に描画しましょう。ミシン刺繍なのである程度被さった方が綺麗になります。
ストロークのみの状態からフィルのみの状態に変えるには、右側のツールバーからフィルのタブの■をクリックすると呼び出せます。
![](https://assets.st-note.com/img/1728197069-OujKrwUoPEQ7WSb9RD08J43l.jpg?width=1200)
同じ色にしているとわかりませんが、フィルを入れるときはストロークは不要です。
隣の[ストロークの塗り]タブから必ず削除してください。
![](https://assets.st-note.com/img/1728121284-rnV6S9OtvYEKDszuA17jJgUy.png?width=1200)
フィルの透明度を下げるとストロークの有無が直感的に確認出来る上に下絵も見える状態で作業できるので便利です。
ステッチの描画には影響しないので、自分の好きな透明度に設定しましょう。
刺繍データ作成に必要なInkScapeの基本操作は以上になります。(ベクターツールを一切使ったことが無かったためこの段階でマジで苦戦しました。同じように苦戦する誰かの助けになれば幸いです。)
3. Ink/stitchの各種ステッチ操作
3-1. アウトライン/ランニングステッチ
線のみの刺繍です。
細い一本線や、後で印に使いたいところをこれに変換します。
2-1で作成した瞼のパスをアウトラインステッチに変換していきます。
やることは簡単です。
![](https://assets.st-note.com/img/1728123301-w4XYAfQHxJjF9yr6L0MWudGT.png?width=1200)
瞼のパスを選択した状態で
[エクステンション]→[Ink/stitch]→[パラメーター]をクリック
![](https://assets.st-note.com/img/1728123487-zMx3nq9WB0bPlRwciYms1OtS.png?width=1200)
するとこのようにInk/stitchが呼び出せます。すごい!
アウトラインステッチの場合は
①[ランニングステッチの長さ]を1mmに変更
②中央下部の[適応して終了]をクリック
![](https://assets.st-note.com/img/1728123831-n239Wrx17D5qhpOjIoTPmJK0.png?width=1200)
変更箇所は分かりやすいように鉛筆マークが付くようになっています。
ステッチの長さを変更すると右側のラインがなめらかになります。
Ink/stitchを閉じることができれば、データの入力は完了です!
3-2. 線から作るサテンステッチ
艶々とした線の刺繍です。
3-1の線よりも太い、一定の幅の線に向いています。
※注意!!!!
parie等の初級モデルをレンタルする場合、サテンステッチが細すぎると綺麗に刺繍するのが難しいです。
ある程度の太さで作成するか、どうしても細い線で表現したい場合は囲み線だけアウトラインステッチを使い、後ほど手刺繍でサテンをする手法を取りましょう。
(今回は切れた眉毛部分と口のパスを手刺繍用に設定しました。)
※10/19追記
ミシンのプロに確認したところ、パリエ・ピクノ等初級モデルとソレイユ・イノヴィス等上級モデルで変わるのは「刺繍範囲」のみのため、刺繍の細かさには変化がありません!!!
細かい刺繍データを作成することができれば細かいミシン刺繍も夢ではないでしょう!
瞳の縁を線から生成していきましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1728125466-mZ3Bzja7b0o9dvIDSlKG12tn.png?width=1200)
このままだと細い線のままステッチされてしまうので、太い線にしていきます。
隣のタブ[ストロークのスタイル]→[幅]を任意の太さに増やしましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1728197260-U4c1VP9dZfgBSw5DQkMYNphm.jpg?width=1200)
ストロークを1.838mmにしてみました。(これは該当箇所の下絵に合わせた太さにしてください)
この状態からInk/stitchを呼び出します。
![](https://assets.st-note.com/img/1728125805-ojGvn25RFfaYxThEeV8My3rH.png?width=1200)
[エクステンション]→[Ink/stitch]→[Tools: Satin]→[ラインをサテンに変換]をクリックします
![](https://assets.st-note.com/img/1728125880-ITp0okXlEQObJ7n8Wt3aG4fV.png?width=1200)
太いサテンステッチが生成されました!
選択が外れているのでもう一度瞳の縁のパスを選択し、[エクステンション]→[Ink/stitch]→[パラメーター]から確認してみましょう!
![](https://assets.st-note.com/img/1728126051-X3pl6zHB8IcLmDjnhKU1krCt.png?width=1200)
先ほどアウトラインステッチをした時とはまた違うタブが表示されています。これがサテンステッチのパラメータ、サテンカラムです。
このサテンカラムたちは3-3でも出現します。
![](https://assets.st-note.com/img/1728126780-82eAOkpPYXl5giNWrfL96y3z.png?width=1200)
①ある程度太い線なら[輪郭アンダーレイ]を、細い線なら隣のタブの[センタウォークアンダーレイ]にチェックを入れます。
②ステッチの長さを1mmに変更します。滑らかになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1728126544-1m2kOzi4sRu9hrnfxMSHpTtJ.png?width=1200)
③[ジグザグ間隔(ピークツーピーク)]を0.3mmに変更します。
④[適応して終了]を押下し、Ink/stitchを終了します。
線からサテンに変換する工程は以上になります!
一定幅でサテンステッチをしたい場合は、面からサテンを作るのではなく線から作った方が圧倒的に楽なのでお勧めです。
3-3. 面から作るサテンステッチ
艶々とした面の刺繍です。
タタミ縫いよりも狭い範囲に向いています。
4つのステッチの中で一番エラーを吐きやすい箇所なので、相当詳しく記述しています。
面から作る場合でも、後述するタタミ縫いではなくサテンステッチにしたい場合はストロークのパスから作成します。
パス内にフィルが存在するとタタミ縫いになってしまうのでサテンにしたい場合はフィルなしにしておくことを忘れないでください。(詳しくは後述)
眉毛のパスをサテンに変換していきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1728134380-BZL5GsUXD9PxMej4uEywJQiV.png?width=1200)
パスを全選択してノードツールからパスを切断します。
![](https://assets.st-note.com/img/1728197306-DXMna56B4xYlzGNZftr2vE7c.jpg?width=1200)
↓
![](https://assets.st-note.com/img/1728134674-wZlOxyd7bLr410emFQUjW8u9.png?width=1200)
上の画像であった謎の線がいくつか消えました。
サテンステッチに変換するときは必ず端のパスを削除する必要があります。
今回は右側の終端がどっちになるか分からなかったため二つ切断しました。
この状態で[エクステンション]→[Ink/stitch]→[パラメーター]でInk/stitchを呼び出します。
![](https://assets.st-note.com/img/1728135441-J1PTgXbAEzyecuH3YsN2oLfi.png?width=1200)
サテンステッチになっていない?その状態が正しいです!!!
アウトラインステッチの状態を解除すればサテンになります。
[パスに沿ってステッチを走らせる]を解除します
![](https://assets.st-note.com/img/1728135937-WIlTLKBHYq39om21FbdC5vxV.png?width=1200)
サテンになりました。魔法のチェックボックスです。ただしこれを信用しすぎると痛い目にあいます(4-1に記載)(2敗)
あとは3-2と同じ過程です。
![](https://assets.st-note.com/img/1728136274-o5fTMX9abeqBQLh7UmNtDjuy.png?width=1200)
①ある程度太い線なら[輪郭アンダーレイ]を、細い線なら隣のタブの[センタウォークアンダーレイ]にチェックを入れます。
②ステッチの長さを1mmに変更します。滑らかになります。
③[サテンカラム]から[ジグザグ間隔(ピークツーピーク)]を0.3mmに変更します。
④[適応して終了]を押下し、Ink/stitchを終了します。
以下(私のやったことある)エラー集です。
サテンが呼び出せない
[パラメーター]を開いてパスに沿って~のチェックボックスを外すと真っ白になって何も出てこないことがあります。(5敗)
偶に真っ白ではなくエラーメッセージを吐くこともあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1728137228-eK7qdBuIaptc603b2EQVUjFL.png?width=1200)
パスを確認してみるとノードが切断されていませんでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1728137130-Wr3cmluQL5DzG6IMPAe24Bfn.png?width=1200)
ちゃんと両端を切断した状態でInk/stitchを呼び出すと
![](https://assets.st-note.com/img/1728135937-WIlTLKBHYq39om21FbdC5vxV.png?width=1200)
綺麗にサテンが出現します。
ノードの切断は一見するとわかりにくいので、エラー吐いた瞬間絶望的な気持ちになりますが、ゆっくりしっかり切断してあげましょう。
思うような方向でサテンが呼び出せない/変になる
[パラメーター]を開いてパスに沿って~を解除するとトンデモステッチが展開されていることがあります。(2敗)
![](https://assets.st-note.com/img/1728147783-ncRfUIy3YSu9XZ1KkpQxNGtw.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1728148189-OzKE6NAk9wXe2jlZFB8Ltg5W.png?width=1200)
パスを見てみると、右端と左端ではなく上下が切断されていました。
Ink/stitchは賢いので、パスの描画順、ノードの切断順にステッチを展開してくれます。
変なところを切っていると、変なステッチが生成されるというわけです。
![](https://assets.st-note.com/img/1728148480-34UuXFh1Apc9MjVLJiQHgayT.png?width=1200)
ちゃんと両端のノードを切って再生成してやると、綺麗にサテンが生成されます。
タタミ縫いになってしまう
[パラメーター]を開いてみると何故かタタミ縫いが展開されていることがあります。(2敗)
![](https://assets.st-note.com/img/1728190613-kzWPcJH94bpfvdZsVM8Qenga.png?width=1200)
パスを確認するとフィルが不透明度0で存在していました。
![](https://assets.st-note.com/img/1728191289-dqOa1hx3ZXQWgPz7Bw60tTNo.png?width=1200)
フィルなしを選択してあげると、ちゃんとサテンステッチが展開されます。この間違い探しに気づければもうInk/stitchプロですね。
その他原因の分からないエラーが数々存在します。記載されてないエラーが出現した際はDMかマシュマロにて質問お寄せいただけると嬉しいです。
分かり次第追記していきます。
欲を言うとエラー画面のスクショと共にDMを送っていただけると大変助かります。
DM待ってます→https://twitter.com/d1_cadet
3-4. タタミ縫い/ロングアンドショートステッチ
広い面の刺繍です。
手刺繍ではロングアンドショートステッチと呼ばれているものがタタミ縫いと近い出来になります。
グラデーションなどの器用なこともできます。
(グラデーションをする面の場合はやることが変わるのでここではなく4-1を参照してください。)
白目の広い面をタタミ縫いに変換していきます。
タタミ縫いの場合はストロークではなくフィルのパスを作成します。
また、サテンステッチに隣接する、下に潜るステッチの場合、予定していた線よりはみ出して作成すると綺麗にステッチできます。
詳しくは2-2を参照してください。
変換したいパスを選択し、[エクステンション]→[Ink/stitch]→[パラメーター]でInk/stitchを呼び出します。
![](https://assets.st-note.com/img/1728137936-OfwMILVSitYndgp4hczR2Asx.png?width=1200)
速い!もう既にできています。
後は
①[フィルステッチの最大長さ(縫いピッチ)]を2mmに変更
②[適用して終了]を押下
のみです!
![](https://assets.st-note.com/img/1728197569-SK8zCsnYAHWwR4205Q9UXmtZ.jpg?width=1200)
右上の[針落ち点を表示]をクリックすると針のポイントが確認できます。
![](https://assets.st-note.com/img/1728139405-LwT8UFrH0moCZEJPcfB7WSaN.png?width=1200)
こんな感じでポイントが分かりやすく表示されます。
針落ち点の角度の違いで出来が変わりますので、もし凝りたかったら凝ってみてください。
4. データ出力へ
4-1.ステッチ順の調整①
全てのパスを作成したら以下のことを確認しましょう。
ステッチ順の調整
パスの名称変更(必ず半角英数字)
![](https://assets.st-note.com/img/1728149307-ZbuK7yRSevLDXpPzqlJoBrix.png?width=1200)
同じ色でステッチされるものはなるべく上下に配置、
一番下にステッチされるオブジェクトが下に、上に重なるものが上の位置になるように配置します。
![](https://assets.st-note.com/img/1728197747-io8RaXZDr0ILlktKNyumGnpe.jpg?width=1200)
整理整頓しました。
白目→影→瞳の中(グラデ濃~薄)→目縁→瞼→奥のまつ毛→前面のまつ毛→眉毛の順番になっています。
並び変えは奥から手前、同色は隣を守っていれば自由な順番で大丈夫です。
再三言いますが、パス名は半角英数字で作らないとミシンに読み込めません。
4-2. 左右対称パーツの複製
左右対称のパーツを全て選択して複製
![](https://assets.st-note.com/img/1728150065-XhtHqSaiQ2OUe9lurWfGbTp4.png?width=1200)
選択ツールで移動させ、
![](https://assets.st-note.com/img/1728150106-DqpR59FrvT6hkxo0OcGXSjfd.png?width=1200)
[水平方向に反転]をクリック。
この時点で気づいたのですが、瞳孔を作り忘れていたので慌てて作りました。
![](https://assets.st-note.com/img/1728150833-aw6LvmDkOEGBhRTtIPUpo5H1.png?width=1200)
複製が完了しました。
4-3. ステッチ工程のシミュレーション
全て選択した状態で[エクステンション]→[Ink/stitch]→[Visualize and Export]→[Simulator]を選択します。
![](https://assets.st-note.com/img/1728151081-HBtSEcXs7dkwGiT0n5zpOflr.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1728151149-FXKdHgl9Y5GePCorNbwQ2n3Z.png?width=1200)
下のバーが刺繍糸の切り替えになるのですが、このままだと切り替えが複数回発生して実際ミシンを動かすときに煩雑になります。
ミシン刺繍は刺繍している時間よりも糸を変えている時間のほうが長くなるので、糸変えがなるべく無いように調整していきます。
4-4. ステッチ順の調整②
綺麗に整えていきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1728182945-mPwNX7oGx3JifdBzqhKpCkRt.png?width=1200)
同じ名前のパーツを上下に並べていきます。
この時、グラデーションのファイルも色順に並べるのを忘れないようにしましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1728151480-fSFqUXCRhIjo3zBg9mVH0Olc.png?width=1200)
下のバーが綺麗になりました。思ったんですが口作り忘れてますね。
4-5. エクスポート
作成したパスを全て選択して[エクスポート]タブを選択
![](https://assets.st-note.com/img/1728197805-u3aLeGPhiy1Vg5fxv4jnES6Y.jpg?width=1200)
右下の[選択中のもののみエクスポート]にチェックを入れましょう。
このままだと出力拡張子が.pngになっているので
![](https://assets.st-note.com/img/1728184202-8BnzvT6k42VRXirJyGYflC7K.png?width=1200)
タブから[Ink/stitch: Brother Embroidery Format(.pes)]を選択します。
[エクスポート]を押下し、これにて刺繍データは制作完了です!!
お疲れさまでした!
4-6. おまけ(刺繍プロで動作の確認)
刺繍プロ11のお試し版は無料でダウンロードすることが可能です。
お試し版のため、データを制作しても保存ができないのですが、すでに完成されたデータは読み込むことができます。
先ほど作成したデータを早速読み込んでみましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1728184958-oCJj2WbmMdcfIvqVta4sNnKL.png?width=1200)
ちゃんと読み込めました。
[表示]→表示モードを[リアル]に変更してみると糸の艶が分かりやすいです。
[再生]ボタンを押してみるとステッチが動き始めます。
![](https://assets.st-note.com/img/1728185182-6VtvNpFyBGaA17842EThOdbz.png?width=1200)
ちゃんと動きそうですね。よかった。(心底安堵)
刺繍プロ11のお試し版でも刺繍データを作成してみることはできるらしいので、もしご興味があればやられてみては如何でしょうか?(雑な締め括り)
5. 終わりに・参考文献
ここまで閲覧してくださった方々、ありがとうございます。
実際に取り組んでみた方々、お疲れさまでした。
刺繍プロに比べたら大分面倒くさいと思いますが、無料でできるので良かったら試していただけたらと思います。
皆様のぬいライフに幸あらんことを。
士官候補生でした。
良かったらTwitterフォローしていってね。
では。
以下、記事作成にあたって参考にさせて頂いたnote、記事、動画になります。
2024年10月6日参照