公務員試験勉強のリターンの少なさ
はじめに
この記事は三次試験が終わった後、合格発表の日までの間に書いたものです。文意の方向性としては、公務員試験勉強は本当に価値のあるものなのかを考え直してみた、的な内容です。実際に公務員として働いたことがない者が書く(ある種妄想のような)文章であることをご理解いただければとおもいます。また、管制官採用試験の再チャレンジを考えている方からすれば、「こんなモチベのあるかわからないような人間がなぜ二次合格までいったのか」と思われるかもしれませんが、吐き出したかったのでここに書きます。
公務員としての身分
まず公務員試験勉強のリターンを少なくしている要因として、ひとつにその身分のもろさがあるのではないでしょうか。特に試験勉強に時間のかかる職種ですと、合格までの平均の勉強時間はなにかしらの資格(実用的、スキルアップにつながる、専門的な職に就ける)を取得する時間と大差ない場合があります。資格は一生手元に残る(実務経験や経年による更新が必要な場合もあるかとは思いますが)のに対し、公務員は一度やめてしまえばそれっきりです。職歴と市場価値があるか微妙なラインのスキル以外にはなにも残らないでしょう。こんなもろくて実体のない「公務員」という立場を得るために、四桁を超える時間やウン十万単位のお金をかける意味はあるのでしょうか。幸いわたしは参考書や過去問などの演習で筆記試験は合格に至りましたが、全体をみればそのような人は多くはないはずです。(独学か予備校通いのどちらが良いかの話はいったん置いておきます)
学生時代の時間を費やすということ
さらには、その公務員試験合格までに、民間組より少し多くの時間を必要とすることも、言ってしまえばリターンの少なさに繋がっています。新卒で管制官として働き始めようとすると、多くの人にとって大学3年生の夏くらいから公務員試験の勉強を始める必要が出てきます。民間就職を希望しているまわりのみんなは、もちろんインターンやらなんやら(経験がないので詳しくはわかりません)でスケジュールが詰まり始めることとは思いますが、一日のほとんどを就活に費やす人は珍しいでしょう。すこしずつこの時期から、公務員組は「なーんか民間組、俺らよりスケジュールにも余裕あっていいなぁ」と思い始めるはずです。え、主語がでかい?自分はそう感じちゃったから、仲間が欲しいだけなんだヨ…。合格に必要なおおむねの勉強時間や、合格発表が民間の内定が出始める時期とはズレてることは頭では理解しています。年単位のスケジュールもそのつもりで組みます。だけど、だけどさ、やっぱちょっとしんどいじゃん?
両者のムーブをさっくり時系列で両者をまとめるとこんな感じです。(民間組に対する偏見を多分に含んでいますのでごめんなさい)
三年の春〜夏ごろ。民間組も説明会やら夏インターンがあるんでしょうね。それも簡単なことじゃありません。でもまだ大丈夫。フォロワーの何人かが「僕/私就活してるぜ!」感のあるストーリーを上げますが、それが続くうちは彼らのヘルスはまだまだ余力を残しています。一方で、公務員組も燃料は十分にあります。オイルもさして準備万端です。朝活の様子をシェアする者、ついたーで勉強垢を立ち上げる者、大学受験以来放置していたスタプラを再びインストールする者など、三者三様です。私は自身のリーディング能力を改めて測定するためにTOEICを受けていました。
秋~冬になると就活も熱を帯び始めるので、みんなそれなりにしんどいはずです。マジみんなナイファイ、GGWPだよ。
4年の春ころには、民間組にはぽつぽつ内定が出始めます。もちろん相手に対してはおめでとうの気持ち100%ですが、当の自分はまだ一次試験すら受けていない状況。焦りともうらやむ気持ちともすこしちがう、生ぬるさをまとった風が心をかすめていきます。
4年の夏。やとっとこさ一次試験が終わったと思えば速攻で二次対策に突入です。一次通ってるかすらわからないのに、それまで勉強しかしてこなかったさながら生まれたての小鹿のような公務員志望組が、震える手足で自己分析やら面接対策に奔走します。(個人的には奔走できませんでした。立ってるのがやっとです。)対照的に、いままでの頑張りが実を結び、多くの民間組は就活にピリオドを打ちます。民間組「就活終わったのは誰…… 誰……誰……誰…… 俺⁉️ 俺‼️ 俺俺俺俺‼️ Ahh~↑↑↑💥💥真夏🌞🌴🏄🎇🎆🌺のJamboree〜〜〜〜‼️‼️レゲエ💃🙌🏻砂浜🌺🌺🏖🏖🌴🌞Big Wave🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊💥💥💥」
4年の秋、管制官はここでようやく合格発表です。お疲れ様でし…ちょっとまった!試験の点数に基づく順位が発表されます。採用予定ボーダー付近にいる人は、ここまできてなおワンチャン落ちる可能性が残されています。気持ちを落ち着けるのでも大変ですね。(ここでいいたいのは、民間と公務員のどちらが大変かではなく、事実として、公務員試験の方が合格までに必要な時間が多いということです。ついでに合格発表も遅いですし。ぶっちゃけいいことないです。)
さて、ここまでを振り返って私には、「貴重な学生時代の一年を公務員試験勉強なんかに費やしていいのか?」という問いが生まれます。先ほども述べたように、公務員の身分はもろく、試験への挑戦はいわば片道切符で、公務員→民間への転職は、民間→公務員の転職より難しいと聞きます。公務員試験にチャレンジする際には、このメリットの少なさというか、リターンの少なさというか、わかっていても効くメンタル的なしんどさとかも理解しとくべきだよなぁと感じました。
まぁ、私は楽しい事と勉強のバランスをとるのが特に下手なので、それをうまくこなしてる人たちがうらやましく見えてるだけなのかもしれませんね笑
そうはいっても気持ちは変わらない
とかなんとか言ってますが、今のところ私は「働くなら管制官一択」という気持ちは変わりません。管制する姿がどうしてもカッコよくみえてしまうので。いろいろプロコン比べてみて、やっぱ「管制官じゃね」と思ったらチャレンジする以外ないですよね。